追悼 原寿雄さん~市民と足並みをそろえるジャーナリズムへ

悲しい知らせに接しました。元共同通信編集主幹のジャーナリスト、原寿雄さんが11月30日、死去されました。92歳でした。以下は共同通信の新聞用の配信記事です。 「デスク日記」や「ジャーナリズムの思想」の著者で、報道の在り方を問い続けた元共同通…

NHK記者の過労死と労働組合の当事者性~裁量労働制は人件費抑制効果が顕著

NHKの記者だった女性が2013年7月、31歳で心疾患で死亡し、長時間労働による過労死として14年5月に労災認定されていた問題は、私の記憶にある限り、マスメディアの記者の働き方がニュースとして当のマスメディアで大きく報じられた、稀有のケー…

東京大空襲をくぐり抜け、黄金色に輝くイチョウ

以前このブログで、1945年3月10日の東京大空襲で焼かれながら、戦後に再び若芽を吹いた東京下町の神社のイチョウの木を紹介しました。ふと思い立って先日、そのうちの東京都墨田区押上にある飛木稲荷神社に足を運んでみました。 最初に訪ねたのは1月…

民意から浮かび上がる「安倍改憲のジレンマ」

先日の週末に実施された世論調査の結果がいくつか報じられています。目に止まった主な内容を備忘を兼ねて書きとめておきます。 安倍晋三内閣の支持率は53・1~44%。過去のどの時点の調査結果と比較するかによって差異はありますが、上昇・安定傾向にあ…

苦情の矢面に立つ職員にも謝罪の姿勢なし~“メディア初登場”の佐川国税庁長官

国税庁長官の佐川宣寿氏と言えば、前財務省理財局長として、大阪市の学校法人「森友学園」への国有地売却問題の国会答弁で事実確認や記録の提出を拒み続け、批判を浴びたことで知られます。国税庁長官という昇格人事に対しても疑問視する声がありました。国…

トランプ米大統領の「威嚇」と日本、憲法9条~思い起こすゲーリングの警句

トランプ米大統領は日本に続いて11月7、8日に韓国を訪問。8日午前に韓国の国会で演説し、核・ミサイル開発をやめようとしない北朝鮮に対し「米国を過小評価するな。我々に挑んではならない」(朝日新聞の記事より)などと述べたと報じられています。朝…

あからさまに武器購入増を求めたトランプ大統領~日米首脳会談のニュースバリュー

米国のトランプ大統領が11月5~7日、日本を訪問しました。5日は東京の米軍横田基地に大統領専用機で乗り付け、安倍晋三首相とゴルフ。6日は天皇と会い、その後、安倍首相との首脳会談、北朝鮮拉致被害者の家族との面会を経て、安倍首相との共同記者会…

来秋以降の安倍首相続投、「続けてほしくない」51%(共同通信)、「反対」46%(読売新聞)~議席数とにやはり落差

第4次安倍晋三内閣が成立したことを受けて11月1、2日に共同通信と読売新聞がそれぞれ実施した2件の世論調査の結果が報じられています。 内閣支持率は共同通信調査で49・5%、読売新聞調査は52%と、50%前後の水準です。一方で、共同通信調査で…

麻生副総理「北朝鮮のおかげ」発言が示すもの~国民を守る責任が希薄になっていることを露呈していないか

少し前のことになりますが、麻生太郎副総理兼財務相が10月22日投票の衆院選で自民党が圧勝したことについて「明らかに北朝鮮のおかげもある」と述べたことが報じられました。この発言がどんな意味を持っているのか、現在の社会状況の中でどんなふうに位…

基地集中、辺野古、沖縄の民意またも明らか~衆院選雑感

少し時間がたちましたが、衆院選の結果に思うところを備忘を兼ねて書きとめておきます。 ◆希望が立たなかった新潟、沖縄は非与党が勝ち越し 議席数は自民党の大勝に終わりましたが、小選挙区を都道府県別に見てみると、新潟と沖縄では非与党が勝ち越しました…

与党の議席「多すぎる」51%(朝日調査)、「野党がもっと議席を」47%(読売調査)~民意は議席数ほどには安倍政権に期待していない

衆院選の結果に対して朝日新聞と読売新聞がそれぞれ10月23、24日に実施した世論調査の結果が報じられています。 読売新聞は与党3分2超の結果はよかったか、よくなかったかと2択で問い、次いで与野党の議席数について、どうなっていればよかったかを…

「安倍政治」への民意と選挙結果にズレ

衆院選は10月22日に投票が実施されました。台風の影響で開票作業は一部の自治体で23日まで行われ、全465議席が確定したのは23日夜になりました。自民党281、公明党29で与党は計310議席。野党は立憲民主党54、希望の党50、共産党12…

追悼 井戸秀明さん

悲しい知らせに接しました。 民放労連の前副委員長、元書記長の井戸秀明さんが10月20日、永眠されました。享年65歳。かねてより闘病中でした。 井戸さんは、わたしが新聞労連委員長として2004年10月、新聞労連や民放労連、出版労連、全印総連な…

沖縄の過剰な基地集中と主権者の選択~衆院選の投開票を前に

10月22日投開票の衆院選で問われるべきことの一つとして、沖縄への米軍基地集中の問題があることをあらためて書きとめておきます。 衆院選公示翌日の10月11日、沖縄本島北部で飛行中の米軍普天間飛行場所属のCH53E大型ヘリが訓練中に出火、東村…

安倍晋三首相への厳しい視線~備忘:衆院選 終盤情勢の報道

衆院選の22日の投開票を前に、新聞各紙が情勢調査の結果を報じています。①自民党は堅調②希望の党失速③立憲民主党に勢い、第2党(野党第1党)をうかがう―といった点が共通しているようです。 その一方で、各紙の調査結果を見ていて浮かび上がるのは、安倍…

自民堅調だが安倍内閣の支持は盤石ではない~衆院選、序盤から中盤の情勢

衆院選の序盤から中盤の情勢がいくつかのマスメディアで報じられています。 毎日新聞は10月16日付の朝刊で、13~15日に実施した世論調査に取材情報を加味した分析の結果を報じました。自民党が小選挙区、比例代表とも堅調で、単独で300議席を超え…

米軍基地を巡る「三重苦」~ヘリ炎上、沖縄2紙の社説

10月11日に沖縄本島北部の東村で不時着したヘリが炎上した事故では、沖縄の地方紙の沖縄タイムス、琉球新報 とも、初報段階から社説で取り上げ、同型機の飛行停止と北部訓練場などのヘリパッドの使用禁止、海兵隊の撤退、日米地位協定の改定などを訴えて…

ヘリ炎上事故を機に、沖縄になぜ米軍基地が集中しているのかを考える~本土紙の社説の記録

衆院選公示翌日の10月11日午後、沖縄本島北部で飛行中の米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)所属のCH53E大型ヘリが出火。東村高江の米軍北部訓練場に近い民有の牧草地に不時着して炎上しました。住宅まで200~300メール。けが人はありません…

沖縄の米軍ヘリ炎上と衆院選

衆院選について、10月12日付の新聞各紙朝刊は一斉に序盤の情勢調査の結果を報じました。各紙とも、自民党は堅調、希望の党は追い風なく伸び悩み、立憲民主党に勢いーなどで概ねそろっています。 一方で内閣支持率が伸びたわけではなく、そういう意味では…

最大の争点は「安倍政治」

衆院選の公示翌日、10月11日付の東京発行の新聞各紙朝刊の記録です。各紙ともおおむね、衆院選が1面トップでした。10日は午後、東京電力福島第1原発事故の被災者が損害賠償を求めた訴訟で、福島地裁が国と東電の責任を認定して賠償を命じる画期的な…

衆院選公示

衆院選が公示されました。 10月10日の東京発行新聞各紙の夕刊は1面トップでそろいました(産経新聞は東京本社では夕刊を発行していません)。 見出しに入っているキーワードは「安倍政権・安倍政治」「3極」が各紙とも共通。ほかには「憲法」「9条」…

衆院選で問われるのは憲法

きょう10月10日は衆院選の公示日。22日に投開票を迎えます。 9月28日の衆院解散を前に、安倍晋三首相は同25日に記者会見し、「少子高齢化」と「緊迫化する北朝鮮情勢」を「国難」と呼び、この解散を「国難突破解散」と呼びました。「国難」と呼ぶ…

「武装難民」「射殺」発言はなぜ問題か~「憎悪」や「敵意」より「寛容」「多様性」を求めたい

マスメディアではすぐに消えてしまったニュースですが、衆院選を控えて軽視できない問題をはらんでいると感じますので、備忘を兼ねて書きとめておきます。 自民党の麻生太郎副総理兼財務相が9月23日、宇都宮市で行った講演で、朝鮮半島から大量の難民が日…

「核廃絶、ICANにノーベル平和賞」のニュースバリュー

ことし2017年のノーベル平和賞は、国際非政府組織(NGO)の「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN=読みは『アイキャン』)」に授与することをノルウェーのノーベル賞委員会が10月6日、発表しました。共同通信の配信記事によると、「授賞理由で…

普天間移設先「ゼロベースで検討」(立憲民主党・枝野代表)~沖縄県外でも争点化を期待

10月10日公示、22日投開票の衆院選に向けて、各党の公約がまとまってきました。個人的に注目しているのは沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の移設問題です。安倍晋三政権は沖縄県内、名護市辺野古地区への移設作業を沖縄県の反対を押し切って強行し、…

勢い感じられない「希望の党」~備忘・朝日新聞の世論調査結果

朝日新聞社が10月3、4日に実施した電話世論調査の結果が報じられています。10月10日公示の衆院選での比例代表の投票先では、「希望の党」との回答は12%でした。民進党が希望の党への合流を決める前の9月26、27日に実施した前回調査では13…

憲法尊重擁護の自覚ない「政策協定書」~「希望の党」が民進出身者に迫った「踏み絵」

小池百合子・東京都知事が代表の「希望の党」による民進党出身者の公認問題は、憲法改正や安保法制是認を掲げる「希望の党」への合流を拒否する枝野幸男・民進党代表代行らが新党「立憲民主党」を結成し、民進党の分裂に至りました。立憲民進党は野党4党(…

辺野古移設に反対80%、沖縄の民意は明白~衆院選・3極の論戦で争点化を

衆院選を前に、この話を書きとめておこうと思います。 沖縄県の米軍普天間飛行場に垂直離着陸機MV22オスプレイが配備されて10月1日で5年となるのを前に、沖縄の地元紙、琉球新報が9月23、24日、18歳以上の県民を対象に世論調査を行いました。…

安倍晋三内閣「不支持」が「支持」上回る、小池百合子代表「希望の党」勢い限定~世論調査結果から

10月10日公示、22日投開票の衆院選を巡って、民進党の枝野幸男・代表代行が10月2日、小池百合子・東京都知事が代表の「希望の党」には行かない民進党の候補予定者の受け皿になる新党「立憲民主党」の結成を発表しました。共産党、社民党との連携を…

「非希望」の動き拡大、「衆院選 三極化」(東京新聞)

10月10日公示の衆院選に向けて、野党では様々に動きが続いています。 小池百合子・東京都知事は、自らが代表の「希望の党」への民進党の候補の公認申請について、小池氏が民進党の全員を受け入れることは「さらさらない」「排除しないではなくて排除しま…