ニュース・ワーカー2

組織ジャーナリズムに身を置き40年余

労働・労働組合

日韓のメディア労組が共同宣言「事実に基づいた報道で、国境を越えて平和と人権が尊重される社会を目指そう」

新聞労連や民放労連、出版労連など日本のメディア関連労組でつくる「日本マスコミ文化情報労組会議」(略称MIC)と韓国のテレビ、新聞などメディア労働者の「全国言論労働組合」(略称NUM=National Union of Mediaworkers)が9月27日、共同宣言を…

新聞労連が声明「『嫌韓』あおり報道はやめよう」

新聞労連(日本新聞労働組合連合)が9月6日、声明「『嫌韓』あおり報道はやめよう」を発表しました。マスメディア関係団体からの動きとして、意義は大きいと思います。全文を紹介します。 ※http://www.shinbunroren.or.jp/seimei/20190906.html 「嫌韓」あ…

「不偏不党」と「ペンか、パンか」~故原寿雄さんが問うた組織ジャーナリズムの命題

一つ前の記事「『不偏不党』の由来と歴史を考える~読書:『戦後日本ジャーナリズムの思想』(根津朝彦 東京大学出版会)」を読み返しながら考えたことを書きとめておきます。組織ジャーナリズムと「ペンか、パンか」の命題のことです。 「ペンは剣よりも強…

官邸前で記者と市民が抗議/「記者会と協力」政権が強調~記者会見の質問制限5

菅義偉官房長官の記者会見をめぐる東京新聞記者の質問制限問題で、最近の二つの動きを書きとめておきます。 ▼首相官邸前の抗議集会に600人超 新聞労連や民放労連、出版労連などマスメディアや文化情報産業関連の9産業別労組でつくる日本マスコミ文化情報…

東京新聞が「検証と見解」を掲載~記者会見の質問制限3 ※追記あり 「追記3」まで更新

首相官邸が記者会見での東京新聞記者の質問を巡り、事実上、質問を制限するような内容の申し入れを記者クラブに行った問題で、東京新聞が2月20日付の朝刊に、紙面1ページを丸ごと使った「検証と見解」を掲載しました。 首相官邸の上村秀紀報道室長が昨年…

正当化を閣議決定~続・記者会見の質問制限 ※追記あり 「追記2」まで更新

首相官邸が昨年12月28日、官邸報道室長名で記者クラブである「内閣記者会」に対し、東京新聞記者の菅義偉・官房長官の記者会見での質問を「事実誤認」「度重なる問題行為」として、「官房長官記者会見の意義が損なわれることを懸念」「このような問題意…

新聞労連の声明「首相官邸の質問制限に抗議する」 ※追記あり 「追記8」まで更新

新聞労連が2月5日、声明「首相官邸の質問制限に抗議する」を発表しました。首相官邸が昨年12月28日、官邸報道室長名で内閣記者会に対し、東京新聞記者の菅義偉・官房長官の記者会見での質問を「事実誤認」「度重なる問題行為」として、「官房長官記者…

新旧経営者の社告2本を掲載~労組が紙面を守ってきた「宮古新報」

社長の一方的な廃業、解雇の通告に対抗して、労組が新聞の自主発行を続ける沖縄県・宮古島の地域紙「宮古新報」を巡る状況の続報です。 このブログの以前の記事でも触れたように、新聞発行事業の譲渡は決まっていました。宮古新報の紙面では、ようやく2月1…

「宮古新報」の新経営者は何を語るのか~事業譲渡が決定

社長の一方的な廃業、解雇の通告に対抗して、労組が新聞の自主発行を続ける沖縄県・宮古島の地域紙「宮古新報」を巡る状況の続報です。 前回の記事でも書いたように、焦点になっているのは事業譲渡です。新聞労連のフェイスブックページによると、その事業譲…

「ゆいまーる」 わたしも あなたも一人ではない~労組の自主発行続く「宮古新報」、焦点は事業譲渡

社長の一方的な廃業、解雇の通告に対抗して、労組が新聞の自主発行を続ける沖縄県・宮古島の地域紙「宮古新報」を巡る状況の続報です。 宮古新報労組は自主発行が始まった1月12日付の紙面から、社内の様子をコラム「社窓風景」で伝えています。9回目とな…

沖縄・宮古島の新聞労組のアララガマ精神~続く「宮古新報」の自主発行

社長の一方的な廃業、解雇の通告に対抗して、労組が新聞の自主発行を続ける沖縄県・宮古島の地域紙「宮古新報」を巡る状況の続報です。 週末の19日(土)、20日(日)の2日間、宮古島を訪ねて宮古新報労組に法律面の支援を行った東京の弁護士、加部歩人…

セクハラ問われ「おばあ ばっかり」と口にする宮古新報社長~TBS「ニュースキャスター」が放映

労働組合がパワハラ、セクハラを理由に社長に退陣を求め、社長が廃業と社員全員の解雇を通告すると、労組が新聞の自主発行で対抗している沖縄県・宮古島の宮古新報を巡る続報です。昨19日夜のTBS「ニュースキャスター」が取り上げました。横綱稀勢の里…

「絶対、止めない」~続く「宮古新報」の労組自主発行

沖縄県・宮古島の地域紙「宮古新報」と宮古新報労働組合の自主発行の続報です。 宮古新報労組は昨年11月、宮古新報社の座喜味弘二社長によるパワハラやセクハラ行為があったとして、社長の退陣を要求。社長はパワハラ・セクハラを否定した上で、体調不良な…

「宮古新報」発行続ける労組に支援、激励広がる

一つ前の記事、沖縄県・宮古島の「宮古新報」存続に向けた労組の取り組みの続報です。 news-worker.hatenablog.com 宮古新報社の座喜味弘二社長が廃業と全従業員の解雇を表明したことに対し、「宮古新報労働組合」の組合員による新聞発行が続いています。同…

沖縄県宮古島の「宮古新報」発行を労組が継続 ※追記:「地域に根ざし、地域とともに歩む新聞」

沖縄県・宮古島に「宮古新報」という地域紙があります。発行する宮古新報社では、社長が突然、廃刊を言い出し、社員へ全員解雇を通告しました。これに対し社員でつくる「宮古新報労働組合」が紙面発行の継続に乗り出しています。同労組が加盟する新聞労連(…

記者へのセクハラと、日本のマスメディアの「すり寄り型」取材慣習~年の瀬に当たって

これまで被害を口にせずにいた、あるいは見て見ぬふりをしていたセクシャル・ハラスメント(セクハラ)や性的暴行、性的虐待を告発する「#MeToo」のムーブメントは、日本で2018年も一層の広がりを見せました。中でも財務省の福田淳一・元事務次官による…

追悼 齋藤三雄さん

悲しく、残念な知らせが届きました。 フリーランス・ジャーナリストで、元内外タイムス労働組合委員長の齋藤三雄さんが11月26日、逝去されました。59歳の若さでした。つつしんで哀悼の意を表します。 内外タイムスはかつて、東京で発行されていた夕刊…

新聞労連が声明発表 「CNN記者の早期復帰を求める―CNNやホワイトハウス記者協会と連帯する― 」

新聞労連が11月14日、声明「CNN記者の早期復帰を求める―CNNやホワイトハウス記者協会と連帯する― 」を発表しました。 「今回のホワイトハウスでの出来事は、日本で働く私たちにとっても他人事ではありません」ーその通りだと思います。 「今こそ私…

「安田純平さんの帰国を喜び合える社会を目指して」~新聞労連の声明に共感

ジャーナリストの生死を巡る2件のニュースが報じられています。一つは、シリアで拘束されていた安田純平さんの3年4カ月ぶりの解放と帰国。もう一つはトルコのサウジアラビア領事館で死亡したジャマル・カショギ氏が、領事館で殺害されたと指摘されている…

お知らせ:11月3日に東京で労組主催の「マスコミ業界就職フォーラム2020」

告知をいただいたイベントの紹介です。 新聞労連や全印総連、民放労連、出版労連、広告労協などマスメディア関連の産別労組でつくる「日本マスコミ文化情報労組会議」(略称MIC)が11月3日(土)に東京で、「マスコミ業界就職フォーラム2020」を開…

大阪市職員調査で「人権侵害」、野村修也弁護士を懲戒~当時の橋下徹市長が労組敵視

唐突感のあるニュースが目に止まりました。 ※47news=共同通信「野村修也弁護士を懲戒 調査でプライバシー侵害」2018年7月17日 https://this.kiji.is/391791297529398369?c=39546741839462401 第二東京弁護士会は17日、大阪市が2012年に実施し…

MIC「メディアで働く女性のための緊急セクハラ110番」の相談事例

新聞労連や民放労連、出版労連などメディア業界の労働組合でつくる日本マスコミ文化情報労組会議(略称MIC)が7月1日、女性弁護士グループ「日本労働弁護団・女性労働プロジェクトチーム(PT)」(代表 長谷川悠美弁護士)の協力のもと、メディアで働…

「民放キー局全社で違法残業まん延」(共同通信)

民放キー局の全5社で、昨年までの5年間で違法残業に対し計9回の是正勧告が労働基準監督署から出されていたと、共同通信が報じています。 ※47news=共同通信「民放キー局全社で違法残業まん延 労基法違反、是正勧告5年で9回」2018年6月30日 h…

働き方改革法成立の在京紙報道~「高プロ」に懸念の一方で、改革に前向きも

当座の備忘メモです。 働き方改革法案が6月29日の参院本会議で可決され、成立しました。30日付の東京発行新聞各紙は6紙(朝日、毎日、読売、日経、産経、東京)とも1面トップの扱い。本記(事実を伝える中心的な記事)を中心とする1面掲載の記事の見…

お知らせ:MICが7月1日、メディアで働く女性のための緊急セクハラ110番

メディア業界の労働組合でつくる日本マスコミ文化情報労組会議(略称MIC)が7月1日、メディアで働く女性のための緊急セクハラ110番を実施します。以下は新聞労連のホームページから。 ※ http://www.shinbunroren.or.jp/oshirase2/oshirase2.htm#2018…

安倍晋三首相の悲願「9条改憲」に民意は冷ややか

ことしも5月3日の憲法記念日を迎えました。安倍晋三首相は昨年のこの日、読売新聞の紙面に掲載されたインタビューや、改憲派の集会に寄せたビデオメッセージで、憲法9条の現行条文はそのままに、自衛隊の明記を加える改憲案を唐突に掲げました。その後、…

セクハラを話し始めたメディアの女性たちに、自身の無知を恥じ入る

4月12日発売の週刊新潮が報じた財務省の福田淳一事務次官のセクシャルハラスメントの問題は、まず財務省が、セクハラを次官本人が否定していることを明らかにするとともに、セクハラの被害者に対して、財務省が指定する弁護士に名乗り出て調査に協力する…

東京都迷惑防止条例改正に残る懸念~マスメディアにも当事者性

東京都に「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」という条例があります。耳慣れない名前ですが「東京都迷惑防止条例」の方が通りがいいようです。新聞などマスメディアの報道でも、こちらが一般的なようです。その迷惑防止条例の改…

3月10日「東京大空襲」の再現紙面~伏せられていた被害の実相

3月10日は第2次世界大戦末期の1945年、東京の下町地域が未明に米軍のB29爆撃機の大空襲を受け、一夜で10万人以上が犠牲になったとされる東京大空襲から73年の日でした。戦争体験の風化の指摘も目にする中で、東京発行の新聞各紙がどのように…

追悼 原寿雄さん~市民と足並みをそろえるジャーナリズムへ

悲しい知らせに接しました。元共同通信編集主幹のジャーナリスト、原寿雄さんが11月30日、死去されました。92歳でした。以下は共同通信の新聞用の配信記事です。 「デスク日記」や「ジャーナリズムの思想」の著者で、報道の在り方を問い続けた元共同通…