ニュース・ワーカー2

組織ジャーナリズムに身を置き40年余

大阪・関西

「岩国で受け入れを」那覇市長発言の意義〜オスプレイ試験飛行、間もなく沖縄へ

山口県の米軍岩国基地で21日、垂直離着陸輸送機「オスプレイ」が試験飛行を始めました。岩国基地に一時駐機しているオスプレイは12機。沖縄の普天間飛行場への配備が予定されています。安全性への疑問から日本では沖縄以外の自治体からも配備と飛行への…

「あと1日」を許さなかった8月14日の大阪大空襲(再び)

大阪に来て2度目の8月15日です。昨年は8月14日に同じタイトルでエントリーをアップしました。別のタイトルが浮かばず、「再び」を付けてのアップです。 大阪では67年前の8月14日、つまり終戦の前日に、米軍B29爆撃機140機余による8回目の…

67年目の「長崎原爆の日」の報道

8月9日は長崎への原爆投下から67年の日でした。投下時刻の午前11時2分をはさんで、長崎市の平和公園では平和祈念式典が開かれました。田上富久市長は平和宣言で核兵器廃絶を訴え、また東京電力福島第一原発事故に触れて「日本政府は被災地の復興を急…

67年目の8月6日の新聞〜戦争と平和を考える特別な時間

8月6日は広島に原爆が投下された日でした。ことしで67年になります。投下時刻の午前8時15分、NHKで平和記念式典の中継を見ながら黙とうしました。 新聞労連の専従役員のころは、毎年8月6日は広島で、9日は長崎で迎えました。「戦争が起きた時、…

オスプレイ配備反対の先に

沖縄の米軍普天間飛行場に配備される予定の米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ12機が23日、貨物船で山口県岩国市の米軍岩国基地に到着しました。オスプレイは開発段階から事故が相次ぎ、欠陥機と指摘されていること、普天間飛行場に配備後も…

物事の進め方、決め方の正統性が問われる〜大飯原発再稼働が決まって感じること

関西電力大飯原発3、4号機の再稼働が、先週末の16日に最終的に決まりました。福井県の西川一誠知事が同日、野田佳彦首相に再稼働に同意することを伝え、これを受けて首相は関係閣僚会合で正式に決めました。関連のニュースは16日土曜日から翌17日日…

続・大飯再稼働と首相会見 ※追記あり

関西電力大飯原発の再稼働問題をめぐって野田佳彦首相が8日に行った記者会見と、それを報じた新聞各紙に触れた前回のエントリーの続きです。 ※参考過去エントリー 「大飯再稼働を超える首相会見の意味〜社会の意思はどう代表されればいいのか」=2012年…

大飯再稼働を超える首相会見の意味〜社会の意思はどう代表されればいいのか

関西電力大飯原発3、4号機の再稼働問題をめぐり、野田佳彦首相は8日に記者会見し「国民生活を守るため、再稼働すべきだというのが私の判断だ」「今原発を止めてしまっては日本の社会は立ち行かない」と表明しました。5月30日に関西広域連合が事実上、…

大飯再稼働「決断」へ〜関西の意思、広域連合に負わせ

関西電力の大飯原子力発電所3、4号機の再稼働問題で5月30日、大きな動きがありました。電力消費地である「関西」の意思を負う立場として、関西広域連合が事実上、再稼働を容認する姿勢を打ち出しました。同日に鳥取県で開かれた関西広域連合の会合で、…

橋下市長と「脱原発」の一つの仮説〜勉強会「原発再稼働の波紋」で報告

以前のエントリー(「原発ゼロ」と関西のマスメディア・新聞)でもお知らせしていましたが、この週末26日の土曜日、日帰りで上京し、日比谷のプレスセンタービルで開かれた勉強会に参加しました。新聞・通信や放送のOBら10人の方々が幹事役になってい…

大飯原発「臨時稼働」の橋下市長発言の報じ方

前回のエントリー(「原発ゼロ」の中で決まった「節電の夏」〜再稼働問題の推移に注目)の続きになります。週末の19日土曜日に、関西の府県などでつくる関西広域連合の会合が大阪市でありました。新聞各紙の20日付朝刊(全国紙は大阪本社発行の最終版)…

「原発ゼロ」の中で決まった「節電の夏」〜再稼働問題の推移に注目

「原発ゼロ」の中で、今夏の政府の電力対策が18日、決まりました。関西電力管内については、2010年比で約15%の供給不足になることを前提に15%の節電目標を設定。期間は7月2日〜9月7日です。計画停電の準備を進めますが、電力使用制限令は回…

「大飯再稼働シミュレーション」の報じ方

先週の10日(木)、夏の電力需給に関する政府の検証委員会が開かれました。その場で、関西電力の大飯原発3、4号機が再稼働した場合、関西電力管内では8月、ほぼ最大需要に見合う供給が可能との試算が明らかにされたことを、大阪では10日の夕刊各紙は…

新聞記者たちが作ったカップめん

東京ではちょっと考えられないことかもしれません。新聞社と即席麺メーカーがタイアップして、カップめんを開発しました。産経新聞大阪本社社会部の記者たちでつくる「大阪ラーメン部」とエースコックによる「それゆけ!大阪ラーメンプロジェクト」第1弾で…

「原発ゼロ」と関西のマスメディア・新聞

少し日がたってしまいましたが、備忘も兼ねて書き留めておきます。 昨年3月11日の東日本大震災と、東京電力福島第一原発事故の後、全国各地で定期点検入りした原発がそのまま再稼働していない中で、最後の1基になっていた北海道電力泊原発3号機が5月5…

語り継ぐ責務〜朝日阪神支局事件から25年

5月3日は憲法記念日であるとともに、1987年に兵庫県西宮市の朝日新聞阪神支局が散弾銃を持った男に襲撃され、記者2人が殺傷された事件が起きた日です。ことしで25年。昨年に続き支局を訪ねて記帳、小尻知博記者(当時29歳)の遺影に焼香させてい…

大阪で起きていることはいずれ全国に

この1週間余り、大阪では橋下徹・大阪市長と橋下氏が代表の「大阪維新の会」をめぐるニュースが相次ぎ、大阪のマスメディアも大きく報じました。橋下氏と維新の会は国政進出の意向を鮮明にし、大阪での政策を選挙公約に盛り込む方針も示しています。マスメデ…

なぜ橋下氏の憲法観を報じなければならないか

少し時間がたってしまいましたが、軽視できない問題だと思いますので、備忘を兼ねて書き留めておきます。 大阪市長で地域政党「大阪維新の会」代表の橋下徹氏が2月24日、憲法9条について2年間の議論の期間を置いたうえで、国民投票に掛ける案を表明し、…

想像を超える橋下代表の9条観

大阪市長で地域政党「大阪維新の会」の橋下徹代表が、自らの憲法観の一端を明らかにしました。24日にツイッターで、安全保障に関連して、憲法9条をどうするかは2年間の議論の期間を置いて国民投票にかけるのがよい、との私見を披露しました。同日夜の記…

労働委員会が「支配介入」の可能性を指摘〜大阪市の政治・組合活動アンケート

ひとつ前のエントリーで取り上げた大阪市の職員に対する政治活動・組合活動アンケートで新しい動きがありました。市労働組合連合会から救済申し立てを受けている大阪府労働委員会は22日、不当労働行為に当たるかどうか判断を下すまでの間、アンケートを中…

マスメディアの憲法観も試される〜大阪市職員アンケートは凍結されたが

この1週間ほど、大阪の各マスメディアは、次期衆院選で議席獲得を目指すことを鮮明にした大阪市の橋下徹市長と「大阪維新の会」をめぐるニュースを連日、大きく報じました。維新の会は事実上の政権公約「維新八策」のたたき台を策定。名称は坂本竜馬の故事…

「日の丸・君が代」最高裁判決は大阪への牽制〜水島朝穂さんの視点

ひとつ前のエントリーで触れた日の丸・君が代の起立斉唱の強制をめぐる最高裁判決について、憲法学者の水島朝穂さんが自身のサイトで取り上げています。※平和憲法のメッセージ「今週の直言」:「最高裁は変わったか―『君が代訴訟』判決と裁量統制」 2012年1…

内心の営みにかかわるからこそ処分は慎重に〜日の丸・君が代判決で最高裁が説いていること

公立学校の行事での教職員に対する日の丸・君が代の起立斉唱の強制をめぐって1月17日、最高裁が「戒告を超える減給以上の処分の選択には慎重な考慮が必要」との判断を示しました。起立斉唱の職務命令自体については既に昨年5月、最高裁が思想および良心…

法制度の上に、さらに独自の規制〜橋下市長が「政治活動」「対労組」の2条例案表明

仕事始めの4日、大阪市の橋下徹市長が、自ら代表を務める地域政党「大阪維新の会」の全体会合で、市職員を対象に選挙活動など政治活動を規制する条例案を2月市議会に提出する意向を表明しました。 「大阪で政治活動規制条例提出へ 橋下市長、市職員が対象…

本年もよろしくお願いいたします〜「大大阪」の繁栄があった地で

新しい年、2012年を迎えました。昨年はこのブログに多くの方にご訪問をいただき、ありがとうございました。 昨年3月11日、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故が起きました。わたしはその直前の2月、勤務先の人事異動に伴い、20年ほど…

「公務員組合の体質を改めることにしか日本再生の道はない」のか?〜橋下大阪市長が労組と対決姿勢

大阪以外の地域ではどのように報道され、どの程度知られているのでしょうか。大阪市の橋下徹市長が28日に市議会で行った就任後初の施政方針所信表明演説の中で、市職員の労組に敵意をむき出しにし、“適正化”に執念を燃やすと表明しました。産経新聞のサイ…

次の敵は「国」と宣言〜橋下徹氏が大阪市長就任

12月19日は、大阪市の新市長に11月27日の大阪ダブル選挙で圧勝した橋下徹氏が就任し、市役所に初登庁した日でした。午前11時からの記者会見を、わたしは職場で民放テレビの中継で見ました。橋下氏は選挙公約だった「大阪都」構想の実現に意欲を見…

「『脱原発』に6万人」関西各紙の報道

東京・明治公園で19日、作家の大江健三郎さんらが脱原発を目指して呼び掛けた「さようなら原発5万人集会」が開かれました。わたしは関西にいて、ネット上のソーシャルメディアやマスメディアを通じてそのもようを知るだけでしたが、例えばツイッターのわ…

「公務員」「教育」と「政治主導」〜論議呼ぶ大阪維新の会の条例案

少し日が経ってしまいましたが、記録の意味でも書き留めておきたいと思います。 大阪府の橋下徹知事が代表を務める地域政党「大阪維新の会」が8月22日、「教育基本条例案」と「職員基本条例案」の概要を発表しました。ともに9月以降、大阪府議会と大阪、…

「あと1日」を許さなかった8月14日の大阪大空襲

66年前、1945年の8月14日午後、大阪は米軍B29爆撃機140機余による空襲を受けました。標的は大阪城周辺に広がっていた陸軍の工廠でしたが、近くの国鉄京橋駅(今のJR大阪環状線京橋駅)にも直撃弾がありました。大勢の乗客らが犠牲になった…