表現の自由

追悼 原寿雄さん~市民と足並みをそろえるジャーナリズムへ

悲しい知らせに接しました。元共同通信編集主幹のジャーナリスト、原寿雄さんが11月30日、死去されました。92歳でした。以下は共同通信の新聞用の配信記事です。 「デスク日記」や「ジャーナリズムの思想」の著者で、報道の在り方を問い続けた元共同通…

危機の実相に報道は見合っているか~「ミサイル再び日本越え」は有事ではないし、災害と同列ではない

北朝鮮が9月15日朝、平壌から弾道ミサイル1発を発射しました。前回の8月29日に続いて、北海道の上を飛び太平洋に落下。飛行距離は前回より1000キロ伸びて約3700キロ、最高高度も前回の約550キロに対し今回は約800キロだったと伝えられ…

マスメディアに「準有事」の自覚あるか~北朝鮮ミサイル報道巡るいくつかの懸念

北朝鮮が8月29日早朝、弾道ミサイル1発を発射しました。 備忘として書きとめておくと、午前5時58分に発射され、北海道・襟裳岬付近の上を高度約550キロで通過して、襟裳岬の東約1180キロの太平洋上に午前6時12分に落下したと伝えられていま…

黙らない、語り続けることができる社会のために~「共謀罪」施行の朝に

犯罪の実行ではなく計画段階で処罰の対象とする「共謀罪」の趣旨を含んだ改正組織犯罪処罰法が7月11日午前零時、施行されました。とうとう「共謀罪」がわたしたちの社会に導入されました。 振り返ってみると、「共謀罪」に対しては、マスメディア、中でも…

朝日阪神支局事件から30年〜「反日朝日は五十年前にかえれ」の1937年と今日

ここ数年、毎年のように書いていることですが、5月3日は憲法記念日であるのと同時に1987年、兵庫県西宮市の朝日新聞阪神支局が襲撃された日です。事件では小尻知博記者=当時29歳=が殺害され、記者1人が重傷を負いました。今年は30年の節目にな…

立法の必要性に具体例の説明なく、理解も不十分な「共謀罪」―世論調査は逆転、「反対」が「賛成」上回る

過去3回廃案になった共謀罪の構成要件を変えた組織犯罪処罰法改正案が21日、閣議決定され国会に提出されました。政府は2020年東京五輪を前にテロ防止のために必要と強調し、呼び方も「テロ等準備罪」と変えています。菅義偉官房長官は21日の閣議決…

自衛隊「駆け付け警護」で報道制限の恐れはないか―イラク派遣時を忘れない

南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣される陸上自衛隊部隊に対し、安全保障関連法に基づき「駆け付け警護」任務を付与することを安倍晋三政権が11月15日、閣議決定しました。交代部隊として派遣される青森市の第5連隊の部隊に稲田朋美防衛相…

在京紙で報道されない沖縄の記者排除の政府答弁書

沖縄県の米軍北部訓練場の一部返還に伴うヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設を巡り、工事作業に抗議する市民らを取材していた沖縄タイムスと琉球新報の記者が、警察の機動隊によって市民らと共に現場から強制的に排除され、取材ができなかった事態が起こ…

安倍政権が沖縄で海保、警察、自衛隊にやらせていること〜所信表明演説の拍手劇の何が問題か

臨時国会が開会した9月26日、安倍晋三首相の衆院本会議での所信表明演説中に、何とも奇異な光景が出現しました。安倍首相が演説の中で海上保安庁、警察、自衛隊をたたえて壇上で拍手。呼応して自民党議員たちが一斉に立ち上がって手をたたき続けたとのこ…

「共謀罪」の危うさは変わらない―2006年当時の経験から(再掲)

過去3度、国会に法案が提出されながらいずれも廃案になった「共謀罪」法案が、名前を変えて再提出されるようです。朝日新聞が8月26日付の朝刊で先行して報じ、マスメディア各社も相次いで伝えています。 ※47news=共同通信「共謀罪、名称変え再提出へ 政…

鳥越俊太郎氏と「表現の自由」「説明責任」―ハフィントンポストのインタビュー記事に思うこと

7月31日投開票の東京都知事選で、民進、共産など野党4党の統一候補として出馬し、惨敗した鳥越俊太郎氏にインタビューした記事が、ネットメディアのハフィントンポストにアップされています。※「ペンの力って今、ダメじゃん。だから選挙で訴えた」鳥越俊…

高市総務相発言に対する「立憲デモクラシーの会」の見解―放送法4条違反が理由の「停波」は違憲(備忘)※追記・憲法自体が攻撃されているとき

高市早苗総務相が、放送法4条違反を理由に放送局に電波停止を命じることがありうると繰り返し発言していることに対して、法学や政治学の研究者らでつくる「立憲デモクラシーの会」のメンバーが3月2日、記者会見し、見解を公表しました。「立憲デモクラシ…

「私たちは怒っている」―高市総務相「停波発言」への抗議声明(備忘)

高市早苗・総務相が、放送番組が政治的に公平であることを定めた放送法4条の規定に違反していると認めれば、電波法に基づき、その放送局に電波の停止を命じることがありうると、国会で繰り返し表明したことに対し、テレビでも活躍するジャーナリストが29…

山田健太さんが解説する高市総務相「停波」発言の意味〜「政府が強引に物事を推し進めようとする場合、古今東西を問わず、秘密保護法制、緊急事態法制、名誉毀損法制(言論規制法制)を整備する。その三つ目と同じ効果」

一つ前の記事で触れた高市早苗総務相の「停波発言」、すなわち高市総務相が、放送番組が政治的に公平であることを定めた放送法4条の規定に違反していると認めれば、電波法に基づき、その放送局に電波の停止を命じることがありうると、国会で繰り返し表明し…

総務相「停波発言」を地方紙社説は批判〜あらためて放送法4条は「倫理規範」

高市早苗総務相が国会で、放送局に対し、番組が政治的に公平であることを定めた放送法の規定に違反した場合、電波法に基づいて電波停止を命じることがありうると、繰り返し表明しました。番組制作が政治的に公平であることを定めているのは放送法4条1項で…

メディア総研が緊急声明「私達は、違法な政治介入を許しません」 ※追記・放送法ワンポイント解説

メディア総合研究所が11月30日、緊急声明を発表しました。 http://www.mediasoken.org/statement/view.php?id=56 私達は、違法な政治介入を許しません。 私たちは違法な政治介入に強く反対します。「表現の自由」に基づく放送法の「自主自律」を各放送事…

「放送の不偏不党」「真実」や「自律」は公権力こそが守らなければならない〜BPO「NHK出家詐欺報道への意見」の核心 ※追記 政府、自民党が反論

NHKが2014年5月の「クローズアップ現代」と同年4月の「かんさい熱視線」で放送した「出家詐欺」報道に対して、NHKと民放各局が設置した第三者機関の放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会が11月6日、「重大な放送倫理違反が…

【緊急声明】今こそすべてのメディアが市民の懸念を正しく伝え、「歴史の証言者」となるべきだ

安全保障法案の採決をめぐって、メディア総合研究所が9月16日に「緊急声明」を発表しています。メディアで働く者の一人として趣旨に賛同し、全文を引用、紹介します。 ※メディア総合研究所トップ http://mediasoken.org/ 「緊急声明」 http://mediasoken.…

主催者発表「12万人」と警察集計「3万人」は対象が異なる〜8・30反安保法案集会の参加者数報道に思うこと

東京の国会議事堂周辺で8月30日に行われた安全保障関連法案に反対する大規模な集会をめぐって、参加者数の論議が続いているようです。主催者発表が「約12万人」だったのに対し、マスメディアの報道で警察の集計は「約3万人」あるいは「約3万3千人」…

「自民1強 安倍氏1強」下で「異論排除」は変わらないのではないか〜底の浅い安倍首相の陳謝

以前の記事(「『自民1強 安倍氏1強』で『異論排除』がまかり通るのか〜百田尚樹氏より危険な自民議員の言辞」)で触れた自民党議員の勉強会での「異論排除」問題で、安倍晋三首相が7月3日、衆院特別委で陳謝しました。 ※47news=共同通信「報道圧力発…

「自民1強 安倍氏1強」で「異論排除」がまかり通るのか〜百田尚樹氏より危険な自民議員の言辞

自民党の若手議員が6月25日に党本部で開いた勉強会「文化芸術懇話会」で、議員から「マスコミを懲らしめるには広告料収入をなくせばいい。文化人が経団連に働きかけてほしい」と発言したことや、講師として招かれた作家百田尚樹氏が「沖縄の二つの新聞は…

戦後70年と安倍晋三政権、憲法〜全国保団連四国ブロック講演会の報告

2月22日の日曜日、全国保険医団体連合会(全国保団連)四国ブロック協議会の主催で愛媛県松山市で開かれた学習講演会で、お話をさせていただきました。全国保団連とは、開業医や勤務医の方々でつくる各地の保険医協会・保険医会が加盟する全国組織です。…

特定秘密保護法が施行、在京紙の報道の記録

特定秘密保護法が12月10日午前零時、施行されました。「何が秘密か、それ自体が秘密」との指摘に代表される、批判の多い法律です。 10日付の東京発行の新聞各紙朝刊は、扱いが分かれました。朝日新聞、毎日新聞、東京新聞は本記を1面トップで大きく扱…

特定秘密保護法と新聞週間〜ブロック紙、地方紙の社説(備忘)

国民の「知る権利」や、報道の自由が損なわれるとの指摘が続いている特定秘密保護法をめぐって、安倍晋三内閣は14日、特定秘密の指定や解除の運用基準と、同法の施行日を12月10日とする政令を決定しました。※「特定秘密法の運用基準決定 指定対象55…

琉球新報「闇から闇に葬るつもりか」〜備忘・沖縄密約訴訟の最高裁判決

1972年の沖縄返還をめぐる日米間の密約文書の開示を元毎日新聞記者の西山太吉さんらが求めた訴訟で最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)が7月14日、判決を言い渡しました。一審の開示命令を取り消した二審東京高裁判決を支持する内容で、西山さんらの…

戦争許容社会と表現の自由、知る権利〜福岡県歯科保険医協会の市民公開講演会で話したこと

5月24日の土曜日、福岡県歯科保険医協会のお招きを受け、協会の第37回定期総会に続いて福岡市内のホテルで開かれた市民公開講演会で講演をさせていただきました。昨年11月、全国保険医団体連合会(全国保団連)の機関紙誌交流会でお話をさせていただ…

朝日阪神支局事件から27年

5月になりました。3日は憲法記念日であり、また27年前の1987年に、兵庫県西宮市の朝日新聞阪神支局で散弾銃を持った男に記者2人が殺傷された事件があった日です。死亡した小尻知博記者は当時29歳でした。。共同通信などに届いた犯行声明は「日本…

共謀罪新設は憲法改正に匹敵する大きな問題〜2006年当時の反対運動の経験から

特定秘密保護法の後は共謀罪とのことです。法案が実際に出てくるのか、出てくるとしたらどんな内容のものか、分かるのはまだ先でしょうが、基本的にわたしは共謀罪には大きな疑問を持っています。憲法改正にも匹敵する大きな問題であり、秘密保護法のような…

「不断の努力」で守る自由と権利〜備忘・秘密保護法成立の各紙社説

特定秘密保護法が6日に参院で採決が強行され可決、成立したことに対して、大阪で手にした各紙の扱いは前回の記事で紹介した通りです。ほかにネットのブロック紙、地方紙のサイトで社説を調べてみました。これまでと同じく網羅的な調査ではありませんが、1…

「国民は選挙の時だけの主権者」か〜秘密保護法案衆院通過に批判の社説多数

問題が多い特定秘密保護法案が26日の採決強行で衆院を通過しました。このことを全国の新聞が社説でどのように取り上げたか、ネットで各紙のサイトを見てみました。27日から30日までに少なくとも35紙(中日新聞と東京新聞は同じ社説なので1紙にカウ…