警察独自の「ニュース速報」と事件事故報道

※エキサイト版「ニュース・ワーカー2」から転記です。http://newswork2.exblog.jp/8643954/
 上司から聞いて知ったのですが、長野県警が9月からホームページに「ニュース24時」というコーナーを作りました。広報資料として発表した事件事故情報を、独自に一般向けのニュースとして発信しています。平日に1日2回、午前11時と午後4時に更新しています。
 ホームページトップの左上「長野県警ニュース24時」のバナーをクリックすると、ページに飛びます。
 9月19日のニュースでは、例えばこんな感じです。

無免許運転の男を逮捕(長野南署)
 本日午前10時10分ころ、長野市篠ノ井塩崎地籍において、普通貨物自動車を無免許で運転していた派遣社員の男50歳を交通取締り中の警察官が発見し、道路交通法違反で現行犯逮捕しました。

 9月18日は死亡交通事故やコンビニ強盗の発生など5件、17日は振り込め詐欺対策会議など事件事故情報以外の行事も含めて、15件の?ニュース?を掲載しています。コンビニ強盗犯の公開捜査では、指名手配された容疑者の顔写真もアップしています。
 他の警察でも青森県警「事件・事故メモ」、千葉県警「最新事件・事故ファイル」など類似の例がありますが、長野県警の場合は自ら「ニュース24時」と掲げているように、その速報性に正直、驚きました。ものによっては、県民の目に触れるのが新聞紙面よりも早いケースがあるかもしれません。新聞ではボツになっている情報もあるでしょう。
 指名手配の容疑者を「犯人」とする一方で、被害者や逮捕した容疑者など当事者は匿名になっているなど、新聞記事とは異なった警察独自の表記になっていますが、ネット社会でのこうした警察独自のニュース発信が、新聞や放送など既存のマスメディアの事件事故報道にどのような影響を与えるのか。少なくとも、報道が警察の発表丸写しにとどまっていては、読者からは一目瞭然です。わたし自身、事件事故報道の社会的な存在意義をあらためて考えているところですし、警察を担当する若い記者たちにも「プロの仕事とは何か」、ぜひ考えてほしいテーマです。