作文教室の個人的な思い出〜新聞労連がことしも就職フォーラム

 新聞業界を就職先に考えている学生向けに、ことしも新聞労連が12月に「新聞業界就職フォーラム」を開催します。新聞労連のホームページに専用ページへのリンクがあります。東京が12月13日(日)、大阪で12月5日(土)の2カ所です。 
 ※「就職フォーラム・トップ」
 http://www.shinbunroren.or.jp/forum/

 わたしが新聞労連委員長だった2004〜05年当時は東京のみの開催でした。わたしの前任者の時に始めた試みなので、もう7、8年ほどの実績があることになります。
 わたしの在任中にも、産業としての新聞には既にかげりが見えていました。その一方で、民放ほどではないにせよ、新聞社には一般的に高給のイメージがあるのも確かです。そのまた一方で、編集部門を中心に長時間労働はなかなか解消されず、近年では過密労働も加わっています。そうしたわたしたちの仕事と産業の何もかもを分かった上で、それでも新聞の仕事をやりたいと思う、そういう人たちを仲間に迎えたい、というのがフォーラムに対するわたし自身の気持ちでした。「こうやれば新聞社に入れる」というノウハウ論よりも、日々の仕事がどんなものかをビビッドに紹介することに力点を置きました。
 運営をボランティアで手伝ってくれた学生たちには、お礼代わりに作文の添削もしました。退任後も含めて4年間、多い年で9人、少ない年でも5、6人の学生や大学院生を受け持ちました。春の採用試験を控えた1月から3月ごろにかけて土曜日の午後に3〜4回集まり、その場で決めた題でそれぞれが作文を書き、お互いに批評しあうゼミ形式でした。回を重ねるごとに学生たちの文章力が上がっていくのがうれしく、また新聞やマスメディアに対して学生たちの見方や意見を知るのも楽しみでした。わたし自身にとっても、学生たちとの議論を通じて、自分の仕事を見つめ直すいい機会でした。この点は、現在参加している「スイッチオン」プロジェクトと共通しています。
 作文教室の教え子たちは新聞記者になった人もいれば、別の仕事に進んだ人もいます。新聞とは関係ない仕事に就いた人も、今は「よき読者」になってくれていると思います。新聞がいい仕事をしていれば応援し、だらしなければ叱咤する、そういう読者です。
 当時に比べて、新聞を取り巻く環境は一層厳しさを増していますが、それでもわたしは新聞は、あるいは新聞が培ってきたジャーナリズムは、まだまだ社会に役立つと考えています。新聞の仕事に熱意を持って入ってくる若い世代が、将来の展望を持てなくなることがないようにするのが、わたしたちの世代の責任だろうと考えています。