明暗2つのニュース〜内外タイムス社破産と宮古毎日新聞社の不当労働行為認定

 きのう11月30日は、いずれも新聞界に関連して個人的にとても残念なニュースと、とても嬉しいニュースとがありました。残念なニュースとは首都圏で夕刊紙「内外タイムス」(9月から「リアルスポーツ」に改称)を発行していた内外タイムス社(東京)の自己破産、嬉しいニュースとは沖縄県宮古島宮古毎日新聞労組が不当労働行為の救済を申し立てていた争議で、沖縄県労働委員会が会社に不当労働行為を禁止する救済命令を出したことです。

 「夕刊紙の内外タイムス社自己破産 経営悪化で負債26億円」(47news=共同通信
 http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009113001000910.html

 内外タイムス社はわたしの新聞労連委員長在職当時も、それ以前からの経営難に苦しんでいました。同社の労組の組合員は、自分たちなりにできることをすべてやろうと必死にがんばっていました。新聞労連も経営再建闘争と位置付けて支援しており、わたしも団体交渉に同席したことがあります。組合員の「夕刊レジャー紙ならではのジャーナリズムがあるはず。稼げる新聞づくりを目指します」という言葉が今でも忘れられません。今回の自己破産は本当に残念です。組合員はこれからが大変でしょう。わたしなりの立場でできる支援を考えたいと思います。

 宮古毎日新聞社の争議については、朝日新聞がネット上に記事をアップしています。東京本社発行の1日付朝刊の紙面には見当たらなかったので、西部本社発行の紙面に掲載されているのかもしれません。

 「労組員を不利処遇 宮古毎日新聞の不当労働行為認める」(asahi.com
 http://www.asahi.com/national/update/1130/SEB200911300036.html

 以前のエントリーでも触れましたが、宮古毎日新聞社内では2006年5月に労組が発足して以降、会社による労組敵視としか思えない労務政策が続いていました。契約社員の組合員の雇い止めを労働審判の末に撤回させるなど、労組は会社の不当な行為に対抗。「主戦場」とも言えるのが、今回、救済命令が出た県労働委員会への申し立てでした。
 ※関連過去エントリー
 先進性が色あせない宮古毎日新聞労組〜アエラ珊瑚礁の島の労組つぶし」掲載=7月20日
 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20090720/1248028676

 宮古毎日新聞労組が全面勝利契約社員の雇い止め撤回(追記:動画あり)=10月7日
 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20091007/1254849559

 新聞労連のリポートによると、救済命令の概要は以下のような内容です。

 命令書で沖縄県労働委員会は、(1)賃金、手当や一時金の支給、契約社員の正社員化など組合員の労働条件(2)組合結成後に締結した団交確認書の趣旨(3)契約社員の契約更新の是非−などについて組合側から団体交渉を申し入れられた場合には団体交渉を拒否してはならず、誠実に対応しなければならないと指摘した。
 命令はさらに、団体交渉の時間についても「一方的に30分ないし40分に限定してはならず、継続議題について団体交渉の開催を遅延させるような対応をしてはならない」と厳しく命じた。組合結成以来の会社側の組合敵視についても言及し、「組合員であることによる不利益取り扱いを示唆したり、示唆することで労働条件の変更の受諾を強要したりすることにより支配介入してはならない」と述べた。

 3年前の労組結成はわたしもお手伝いをしました。宮古島で出会った一人一人の顔が今もまぶたに鮮明に浮かびます。発足当初は40人近かった組合員は、人事権を使った会社の切り崩し工作に遭い一けたにまで減りましたが、会社と労組とどちらに理があるかが客観的にもはっきりしました。県労働委員会の命令に対して会社がどう対応するのか、必ずしも楽観できませんが、一刻も早く労使関係が正常化し、地域に密着したメディアとしてさらに発展することを願っています。

【追記】2009年12月3日午前2時40分
 宮古毎日新聞労組はブログを運営しています。
 http://mmrk.ti-da.net/
 沖縄県労働委員会の救済命令の報告もアップされています。