特ダネも誤報も― スリリングな「記者体験」に


 8月6〜8日の2泊3日、東京・代々木のオリンピック記念青少年総合センターで行われるスイッチオン・プロジェクト「記者体験プログラム」で、参加学生・大学院生の模擬取材をサポートするデスク役のミーティングが17日午後、東京都内で開かれ、わたしも参加しました。
 参加学生は初日は取材や記事執筆などのワークショップがあり、夜にデスク役が合流。学生3人にデスク役1人をめどにチームを組みます。2日目午前9時に模擬取材がスタート。持ち時間は正午までの3時間。午後から夜まで、チームごとに取材結果を分析し、どんな新聞記事にするかを練ります。3日目に各チームの結果を発表、という流れです。
 さて、その模擬取材ですが、舞台は架空の「折船(おりせん)村」。ここで村おこしのための何かが進行中で、会場内にいる村民に順次取材を重ねて、その内容を探り出すのが課題です。取材の進め方によっては特ダネをものにするかもしれませんし、逆に誤報を打ってしまうかもしれない、そんなスリリングな体験ができるようです。17日のミーティングでも「詳細は内緒」ということで、これ以上のことは教えてもらえませんでした。デスク役といえども、どんなシナリオが用意されているのか知らないまま、学生とともに本番に臨むことになります。取材の進め方をどう決めていくかなど、かなり新聞記者の実務に近いものになるようで、デスク役の指示、アドバイスがまずければとんでもない結果になるかもしれません。実務の面ではベテランの域に入るわたしとしては、「これは無様なところを見せるわけにはいかないなあ」というのが正直な感想です。
 参加予定のデスク役は20人。新聞記者や専門紙記者、出版の編集者、広告クリエイター、研究者など多彩な顔触れで、年齢も上は60歳から下は20代まで。わたしを含めて昨年から継続して参加している人のほか、5月のジャーナリスト・キャンプ経験者や今回が初めての参加になる人も加わって、スイッチオン・プロジェクト全体として着実に輪が広がってきています。

 ミーティング前には、プロジェクトのブログに掲載する「デスク紹介」用のインタビューを学生運営委員から受けました。わたし自身がここまでプロジェクトに参加してきて感じているのは「企業内記者の働き方」「新聞社(通信社)に所属する『会社員』である新聞記者がジャーナリスト足りうるには何が必要か」というわたし自身の考察テーマにとって、非常に参考になる経験や新しい発見、気付きが多々あることです。
 学生の皆さんにとっても得るものは大きいと思います。新聞であれ、ほかのメディアであれ、取材して人に伝えることを将来仕事にしたいと考えている学生には、実際に表現活動を仕事としているプロフェッショナルと直に接することは貴重な経験になるでしょう。そうでない学生にとっても「伝える」スキルを学び考えることは、どんな仕事に就いても役立つはずです。社会は人と人の関わりの集積です。社会のよき一員であろうとするなら、自分の意見を正確にきちんと表現できるスキルは必須とも言えます。わたしとしては、仮に表現活動を仕事に選ばないとしても、スイッチオン・プロジェクトで得たものをもとに、わたしたちプロフェッショナルが発信する情報のよき受け手になってほしい、新聞で言えば「よき読者」になってほしいとの期待もあります。ひどいと思えば批判を、いいなと思ったら激励を書き手に寄せてもらうことが、さらに書き手の成長につながるからです。

 「記者体験プログラム」は参加学生をさらに若干名募集中です。ジャーナリズムや「伝えること」に関心がある学生や大学院生の方は、この機会にぜひ参加を。お待ちしています。

※スイッチオン・プロジェクトのブログ
 「記者体験プログラム」参加申し込みもここからどうぞ
 http://blog.goo.ne.jp/321switchon

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