もはや沖縄に「県内移設受け入れ」の世論はない

 事実上の一騎打ちとして激戦が伝えられていた沖縄県知事選は28日、現職の仲井真弘多氏が前宜野湾市長の伊波洋一氏を破り再選されました。マスメディアは本土(ヤマト)メディア、沖縄メディアを問わず、米軍普天間飛行場の移設問題を最大の焦点と位置づけていました。日米両政府が移転先を沖縄の名護市辺野古崎とすることで合意しているのに対し、仲井真氏は県外への移設を要求。伊波氏は県内移設を完全に否定したうえで、国外移設の要求を掲げていました。両氏の主張や公約を仔細に検討すれば違いも分かるのですが、日米両政府が合意している現行案は両氏とも認めない点が一致しているために、基地問題の側面からは争点が先鋭化しにくい選挙だったと思います。
 仲井真氏再選の結果に対しては、明日以降もさまざまに分析がされ、評価がされるでしょうし、どの立場に身を置くかによって、評価は変わるでしょう。しかし、見誤ってはならないのは、選挙を経て沖縄にはもはや「辺野古移設受け入れ」の世論はない、という点です。
 今夜(28日夜)、沖縄から届いた記事の中に、伊波氏が開票結果を受けて報道陣に語った内容がありました。「沖縄全体が辺野古移設反対という新しい県政がスタートする。政府は受け止めるべきだ」と。政府に限ったことではなく、むしろいちばんこのことを意識しておかなければならないのは、本土のマスメディアだろうと思います。これから日本政府と沖縄側との協議が再開され、沖縄側に「うん」と言ってもらいたい日本政府からは、さまざまな情報が発せられるでしょう。その時々で、沖縄の民意が軽んじられることはないのか、マスメディアは十分に留意していくべきだと思います。