「差別」「不平等」意識にギャップ〜沖縄紙と全国紙が2件の合同世論調査

 沖縄が日本に復帰して、ことし5月15日で40年になります。期せずして沖縄の地元新聞と全国紙の組み合わせによる2件の合同世論調査の結果が、4紙それぞれの9日付朝刊の紙面に掲載されました。沖縄タイムス朝日新聞琉球新報毎日新聞の2組です。
沖縄タイムス「県民の50%、沖縄の基地集中は『差別』」
 http://www.okinawatimes.co.jp/article/2012-05-09_33496/
琉球新報「『辺野古反対』県内9割 全国6割『県外・国外』」
 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-190959-storytopic-1.html
 わたしが注目しているのは、沖縄の基地負担についての調査結果です。タイムス―朝日調査によると「沖縄の米軍基地が減らないのは『本土による沖縄への差別だと思う』と答えた人が、沖縄では50%に上り、全国は29%」(沖縄タイムス記事)でした。新報―毎日調査では「沖縄に全国の米軍基地の74%が集中する状況に県内の7割が『不平等』と答えたが、全国は3割超」(琉球新報記事)とのことです。表現として「差別」を使うか、「不平等」という言葉にとどめるかはさておき(新聞が「差別」という言葉を踏み込んで使うことの意味も小さくはないのですが)、二つの調査に端的に共通しているのは、沖縄と本土(ヤマト)の意識に大きなギャップがあることです。基地負担をめぐって沖縄の人々が「差別されている」「不平等を強いられている」と考えているほどには、本土に住む日本人は差別をする側、不平等を強いる側に立っているとは考えていない、ないしは自覚していない、ということだとわたしは受け止めています。
 もともと、沖縄の米軍基地は沖縄の人々が望んで得たものではありません。復帰から40年たつ今も、沖縄に基地負担が集中しているのは日本国の国策による結果です。その国策の正統性はどこにあるかと言えば、突き詰めていえば選挙の結果です。私見を少し明らかにすれば、本土に住む日本国の有権者は、一人ひとりが日本国の主権者の一人として、基地の沖縄集中に加担している立場から逃れられるものではありません。個人として現政権を支持していない、選挙では別の政党に投票した、そもそも日米安保条約に反対だ―等々の事情もあるかもしれません。しかし、それらの事情は、差別する側―される側の関係ではあまり意味はないように思います。
 合同世論調査の結果は、朝日新聞毎日新聞もそれぞれ紙面で報じました。わたしが住む大阪では、朝日新聞は第3社会面の半分近くを割いて、本記と谷津憲郎・那覇支局長の署名入りの解説、質問と回答一覧の計3本の記事を掲載。本記の主見出しは「『減らぬ基地は差別』50%」でした。毎日新聞は本記を1面に掲載し、主見出しを「『不平等』全国33%沖縄69%」と取りました。ほかに2面(総合面)に質問と回答を載せました。沖縄をめぐるこうした報道が、本土のマスメディアで増えてほしいと思います。

 ※沖縄の基地問題については、これまでも再三このブログで、私見を含め、また「差別」というキーワードも使いながら書いてきました。カテゴリー「沖縄」の過去エントリーも参照いただければ幸いです。