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組織ジャーナリズムに身を置き40年余

橋下氏「辺野古以外の代替案持っていない」〜維新2回目の討論会、報道は控えめ(改題)

 新党「日本維新の会」の第2回の公開討論会が23日、大阪市で開かれました。有識者の一人として招かれたジャーナリストの田原総一郎氏が進行役を務め、テレビの討論番組を思わせる白熱した議論になったと報じられています。外交・安全保障が主なテーマで、新党代表の橋下徹氏は(1)島根県竹島(韓国名・独島)は日韓の共同管理に持っていくしかない(2)沖縄の米軍普天間飛行場の移設問題は、今の段階で沖縄県名護市辺野古以外の代替案は持っていない―など、いくつか注目すべき発言を残しました。ただ、新党に合流するため初めて討論会に参加した民主党今井雅人衆院議員、自民党谷畑孝衆院議員の発言時間は短く、24日付朝刊の記事の中には「参加希望の国会議員との政策一致を確かめるという討論会の位置づけは必ずしも明瞭ではなくなった」(神戸新聞共同通信配信記事)との指摘もありました。
 以前のエントリーで触れたように、9月9日の第1回討論会では議論が低調で、在阪の新聞各紙の紙面には「肩すかし」「まるで面接」「拍子抜け」「予定調和」などの見出しが並びましたが、それでも扱いは各紙とも1面と社会面に大きく掲載されていました。今回は在阪紙の中で1面に記事を掲載したのは産経新聞のみ。議論の白熱ぶりを伝える雑観記事を社会面に載せたのも読売と産経の2紙しかなく、控えめな扱いが目立ちました。
 備忘を兼ねて、以下に大手紙各紙と京都新聞神戸新聞の24日付朝刊の主な記事と見出しを書き留めておきます(大手紙は大阪本社発行の最終版)

【朝日】2面・見出し3段「維新 国会議員9人に」「第2回討論会 来月から全国遊説」「橋下氏『竹島 共同管理を』」
【毎日】2面3段「維新に民・自2議員合流」「衆院与党 過半数割れまで9人」/3面3段「『竹島、日韓で共同管理』」「領有権巡り橋下市長発言」
【読売】2面2段「橋下氏『辺野古以外ない』」「維新討論会 普天間移設先で見解」/第2社会面「生で激論!?維新八策」「田原さん司会 語る橋下氏 黙る合流議員」
【日経】2面1段「民・自の2議員 維新が合流承認」
【産経】1面3段「竹島 韓国と共同管理を」「『普天間移設は辺野古』」/第2社会面「維新タジタジ!?」「橋下・松井氏、田原氏とナマ激論」「外交問題
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【京都】2面4段「『竹島は共同管理に』」「政府・各党主張から逸脱」
【神戸】1面4段「竹島 日韓共同管理に」「維新新党が公開討論会 所属国会議員は9人」/2面4段「『政策一致』は不明瞭」「演出に腐心、田原氏任せ」

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 公開討論会と直接関係があるわけではないのですが、産経新聞の2面の記事「維新の支持率 首都圏で急落」「フジテレビ調査 1週間で9・4→4・8%」との見出しに目を引かれました。

「日本維新」支持率が急落 「新報道2001」世論調査
 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120923/stt12092321550009-n1.htm


※参考過去エントリー
「「肩すかし」「まるで面接」「拍子抜け」「予定調和」〜維新討論会の報道」2012年9月12日
 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20120912/1347407370

【追記】2012年9月25日午前8時30分
 タイトルを「維新2回目の討論会は控えめな報道」から変更しました。
 討論会では、米軍普天間飛行場の移転問題をめぐって、新党幹事長の松井一郎大阪府知事が、沖縄の負担軽減のために大阪で負担を引き受ける覚悟があると発言したことや、田原氏が「それは大問題だ」「松井さんの言ったことは、鳩山さん(由紀夫元首相)と同じ」「そう簡単に覚悟なんて言ってほしくない」と突っ込んだことが報じられています。読売、産経、共同通信の記事中にやり取りが触れられていますが、この部分は日本本土でも沖縄でも広く知られていいのではないかと思います。