飛行するオスプレイの追尾と検証〜沖縄タイムス「うまんちゅ監視委員会」

 沖縄の米軍普天間飛行場配備された垂直離着陸輸送機オスプレイは、4日から飛行訓練を開始しました。日本本土でも新聞、放送の各メディアが報じています。いずれは沖縄にとどまらず、日本各地の空を訓練で飛ぶことが伝えられており、本土に「沖縄だけの問題ではない」との受け止めが広がっていることの反映だと思います。ただ、テレビに映る映像は、普天間飛行場を垂直に飛び立つシーンや、戻ってきて着陸するシーンが中心です。その間、どこをどんな風に飛んでいるのか、本土メディアの報道からそのイメージを具体的に持つのは、正直なところなかなか困難です。実際には、沖縄タイムス琉球新報の2紙の報道を見ても、早くももろもろの疑問、問題点が指摘されているようです。一部を紹介、引用します。

沖縄タイムス
オスプレイ初訓練 2機 伊江島など着陸」=5日
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-10-05_39826

 名護市キャンプ・シュワブでは久辺小学校や国立高専上空を通過し、爆音を響かせた。稲嶺進名護市長は「訓練初日なのに、日米の合意事項が守られていない。とても納得できない。名護市上空での飛行は、昨日開いた市民大会への見せしめか」と憤った。
(中略)
 2機の飛行ルートについて、在沖米海兵隊は同日、沖縄タイムスの取材に対し「運用上の安全のため開示できない」と答えた。

オスプレイ学校上空飛行 各校騒音測定へ」=6日
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-10-06_39880

 オスプレイが日米両政府の合意した安全確保策を無視し、県内の学校上空を飛行していることについて、教育現場では戸惑いや不安の声が上がっている。県教育庁が4、5の両日に実施した飛行地域の一部公立小学校や、県立高校への聞き取りでは「オスプレイが来て以来、いつもより音がうるさい」という声が寄せられた。文部科学省は学校保健安全法に基づき、騒音の測定を各校に義務付けており、同庁は県立高校は11月、公立小中学校は12月までに測定結果を報告するよう求めている。

伊江島で運用方針逸脱の可能性」=6日
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-10-06_39877

 【伊江】米海兵隊伊江島補助飛行場で5日、オスプレイが飛行場西側に位置するコーラル滑走路(約1500メートル)で離着陸するところを本紙記者ら複数が確認した。プロペラを上向きにしたヘリモードの状態で、4日にも着陸した。同滑走路は、米側が発表したオスプレイの環境審査で「着陸帯としては利用しない」とされており、審査で示した運用方針を逸脱している可能性が出ている。

琉球新報
「アセス基準超える オスプレイ、離陸時測定」=5日
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-197716-storytopic-252.html

 普天間飛行場オスプレイの訓練が始まった4日午前、オスプレイの離陸時に低周波音が発生し、同飛行場の辺野古移設に向け防衛省が作成した環境影響評価(アセスメント)の基準値を上回ったことが、琉球大の渡嘉敷健准教授の調査で分かった。低周波音は1日の着陸時にも確認されており、渡嘉敷准教授は「低周波音が発生することが顕著に表れた」と分析している。

オスプレイ、合意違反検証へ 防衛省、合同委で順守要請」=6日
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-197760-storytopic-3.html

 森本氏(防衛相)は現時点で、同省が飛行実態について調査していないとした上で、「合意に具体的にどのような違反行為をしているのか、事実関係をきちっと検証して、明確に違反していれば米国に指摘しようと思う」と述べた。合意事項違反が認められたかどうかについては明言を避けた。
(中略)
 オスプレイの安全確保策を協議した日米合同委員会は「運用上必要な場合を除き米軍施設・区域内のみで垂直離着陸モードで飛行し、転換モードの飛行時間はできる限り限定する」と合意したが、米軍岩国基地山口県)から米軍普天間飛行場へ移動した1日から、合意違反を指摘する声が上がっている。

 個人や市民グループが運営しているブログなどでも、沖縄の各地でオスプレイがどのような飛び方をしているのか、報告がアップされています。
 そんな中で、沖縄タイムスフェイスブックに「オスプレイうまんちゅ監視委員会」を立ち上げました。狙いは以下のように書かれています。

オスプレイうまんちゅ監視委員会
 http://www.facebook.com/ospreywatchumanchu?ref=hl

沖縄タイムスは、読者のみなさんが撮影したオスプレイの写真や動画を電子メールで募り、日米両政府が決めた飛び方のルールは守られるのかを紹介していきます。
ミッション
日米両政府が決めた飛び方のルールは守られるのか。訓練はどう変わるのか。写真をもとに、記者が取材します。
説明
オスプレイ普天間飛行場への配備が始まり、今後、訓練のために県内外を飛び回る予定です。いつ、どこを、どんな風に飛ぶのか。沖縄タイムスは、読者のみなさんが撮影したオスプレイの写真や動画を電子メールで募り、紙面やフェイスブックで紹介します。

 実際に、住民の方が撮影した写真などのデータがアップされ、「住宅街の真上を通りながらのモード転換で、日米合同委員会合意に反する疑い濃厚です。『ダメですよね・・』」などとコメントも付いています。
 県知事をはじめ沖縄を挙げての反対を押し切ってオスプレイ配備を強行するに際し、日米両政府は安全確保策に合意したとしています。そのオスプレイの「飛び方」が順守されているかどうかは、マスメディアが検証すべき重要なテーマだと思います。それはいずれ、沖縄の空から日本中の空へ広がります。自前の取材網だけでは、あちこちを飛行するオスプレイを追尾しきれません。この「オスプレイうまんちゅ監視委員会」は、マスメディアがソーシャルメディアを活用しようとする意義深い試みとして注目しています。
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※追記 2012年10月6日14時35分
 「うまんちゅ」とは沖縄の言葉で「みんな」ないしは「民衆」の意味です。 「うまんちゅ監視委員会」は、民衆による監視ということでしょうか。