琉球新報「戦争の教訓踏まえているか」〜開戦の日の選挙報道

 衆院選の公示後、初の週末です。新聞各紙の序盤情勢報道で「自民単独過半数の勢い」と一斉に報じられましたが、では例えば前回の政権交代時の民主党、前々回の郵政解散時の自民党のような、いわゆる「風」が吹いているかと言えば、それも少し違うように感じています。
 8日土曜日の朝刊、夕刊で目を引いたのは、この日が太平洋戦争開戦から71年であることを意識した毎日新聞朝刊と朝日新聞夕刊の記事でした。一方で産経新聞集団的自衛権行使の容認を社説で掲げました。紹介しておきたいのは、沖縄の琉球新報の「戦争の教訓踏まえているか」との見出しを取った社説です。

 勢いを増す改憲の流れに対し、護憲を掲げる政党の声はかき消されがちだ。「平和憲法」を守り「平和国家」として国際社会の信を得てきた日本は、「戦争可能な国」へと転換していくのか。有権者は重大な選択を迫られている。
(中略)
 71年前のきょう、日本軍のハワイ真珠湾攻撃で日米が開戦し、その後沖縄は地獄絵図のような地上戦が繰り広げられた。戦争がもたらした犠牲は、今も多くの国民の記憶に刻まれ、語り継がれてきたはずだ。作家の城山三郎氏は「戦争で得られたものは憲法だけ」と述べたという。不戦を誓った「平和憲法」をどうするのか、国民全体で考える時ではないか。

 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-200050-storytopic-11.html
 「戦争の教訓踏まえているか」の問い掛けは、本土マスメディアにも向けられているのだと受け止めています。
 もう一つ、選挙関連の記事で目を引いたのは日本維新の会の動きです。第三極をめぐって京都新聞神戸新聞が掲載している共同通信出稿のリポートや、産経新聞の記事は、選挙支援で全国に派遣していた維新所属の大阪の地方議員をこの週末、いったん大阪に戻すと伝えています。党のルーツ、大阪での選挙態勢を固め直すということでしょうか。週明け以後にどんな展開になるのか。昨年11月、大阪府知事を辞職して大阪市長選に出馬した橋下徹氏が、行く先々で熱狂的に迎えられた大阪ダブル選挙が再現されるのか。大阪在住者としてはいささか気になります。
 ひとつ前のエントリーで触れた国家公務員の政治活動をめぐる最高裁判決は、全国紙は日経以外の4紙はいずれも1面で扱いました。毎日と読売は1面トップです。ただ、解説や社説をみると、朝日、毎日は積極的・肯定的な評価、読売・産経は消極的・否定的評価と二分でした。


 以下は各紙の主な記事の記録です。全国紙は大阪本社発行の最終版です。選挙関連の記事は、1面と社会面の記事2本ずつを原則とし、そのほかに目を引かれた記事を書き留めています。
▼12月8日付朝刊
【朝日】
(1面トップは三陸地震
第2社会面「苦しい でも学ばせたい」(あした、どこへ 課題の現場で3教育格差)
【毎日】
1面「政策で異なる政党対立」「本紙、候補者アンケート」※消費増税原発再稼働、TPP参加、集団的自衛権の行使容認の4分野 ※3面に詳報
1面「がまんが問われる」野沢和弘論説委員
第2社会面「『被爆者踏みにじる』」「国防軍/核保有研究前向き発言」※開戦の日
【読売】
1面「消費税『上げざるを得ぬ』」(現場から4)
(政治面、経済面に関連記事のほか、社会保障・税の公約分析1ページ特集)
【日経】
(総合面などに関連記事)
【産経】
1面「焦りという落とし穴」「『黒船』第三極」大阪7、12区(乱戦の焦点・中)
第2社会面「税の使い道 見極め」「超高齢化の町『政策の差分からん』」(「争点」をゆく3社会保障
第2社会面「維新 大阪テコ入れ」「全国応援の府議ら呼び戻し」
【京都】
1面「拠点乗り込み攻防過熱」(前線ルポ・中、滋賀1区)
第2社会面「『区にカタチ』賛否二分」(単答直入・候補者アンケート3 TPP)
第2社会面「米国言いなり 財界中心転換」「共産・志位氏 京で訴え」
※3面「共倒れ現実味」「『大阪に戻れ』戦線縮小も」「第三極 かすむ存在感」
【神戸】
1面トップ「8割『経済・景気』重視」「主要争点 原発、TPP少数」「県内候補者アンケート」※総合面に詳報
1面「攻守逆転、苦境の民主」「激流ひょうご師走決戦2 1期生」(兵庫6、10区)
※2面「第三極 共倒れ現実味」「衆院選 情勢調査『自民突出』」
▼社説
【朝日】「総選挙 防災対策 素通りしていないか」
【毎日】「衆院選こう考える 教育 子供を見据えた政策を」
【読売】「衆院選 公共事業 選択と集中で効果的な投資を」
【日経】「衆院選政策を問う 生活保護改革もっと語れ」
【産経】「集団的自衛権 行使容認し同盟の信頼を」
【京都】「景気と雇用 長期的な成長戦略必要」
【神戸】(選挙関連なし)


最高裁判決
【朝日】本記1面準トップ、社会面トップに原告の表情(雑観)・解説・識者談話、第3社会面に判決理由要旨
【毎日】本記1面トップ、2面(総合面)に解説とサイド記事、第2社会面に原告の表情(雑観)、識者談話、検察反応、第3社会面に判決理由要旨、社説「公務員政治活動 過剰な摘発への警鐘だ」
【読売】本記1面トップ、第2社会面に原告の表情(雑観)、解説、第3社会面に判決理由要旨、社説「政党紙配布判決 公務員の中立を乱さないか」
【日経】本記第2社会面、識者談話、検察コメント
【産経】本記1面、2面に解説風のサイドと原告の表情、社説「赤旗配布訴訟 最高裁判決は禍根を残す」
【京都】本記社会面トップ、第3社会面にサイド(識者の評価)
【神戸】本記第2社会面、原告の表情(雑観)、3面(総合面)にサイド(識者の評価)、解説、4面に判決理由要旨

▼12月8日夕刊
【朝日】
1面「原発作業員 一票へ叫び」「政治家、脱原発を利用」「健康管理、国の責任で」
社会面トップ「元兵士問う 戦争と選挙」「国に命預ける。無関心ダメ」(真珠湾攻撃参加)「政治家の『国防軍』危うさ」(戦闘機元操縦士)
第2社会面「冤罪防止の推進力に」司法制度改革・作家高村薫さん
【毎日】
1面・写真囲み「体力・気力とも『万全』」自民・安倍総裁
第2社会面「『選挙は人で選ぶべきだ』」「党の公約暗唱ではなく」「統一選 元維新候補」(1票の底流 変わる有権者たち)
【読売】
第2社会面「建前並べず個性でPR」PR会社「TMオフィス」社長殿村美樹さん(語る4)
【日経】
1面トップ「党首、重点区走る」「野田首相 『無駄遣い』自民批判」「安倍総裁 『民主では国守れぬ』」「第三極 無党派に投票訴え」
社会面トップ「師走の『風』どう左右」「転勤族、無党派多い大阪10区」「『離党組』2人 3度目対決」(民主・辻元清美氏、維新・松浪健太氏)
【産経】
1面トップ「絡む思惑 きしむ協力」「自公維」「自民前職、象徴区で断念」「『力を貸して』対価要求も…」「『選択肢少ない』有権者不満」
第2社会面「景気回復願う切実な声」「離合集散 政治家の姿勢に疑問符」(私の視点 読者から)
▼7日夕刊
【京都】
社会面「候補乱立 再選挙も!?」「京都4区など全国6選挙区」「得票6分の1未満『当選人なし』」「7人以上で可能性」
【神戸】
1面・写真囲み「選挙事務所は元医院」(走2 急ごしらえ)
社会面トップ「若者の投票“お膳立て”」「自治体、企業がアピール」「フェイスブックで情報提供」