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組織ジャーナリズムに身を置き40年余

【憲法メモ】番外:参院選公示の各紙1面見出し

 参院選が4日、公示されました。「アベノミクス」を誇らしげに掲げ、高い支持を維持している安倍晋三首相の自民党を野党各党が追う展開です。わたしが働く大阪では、全国紙5紙の大阪本社発行4日夕刊最終版は、それぞれ1面トップの見出しを次のように取りました。

朝日:「経済 憲法 原発」「安倍政権を問う」「過半数 与野党攻防」
毎日:「安倍政権に審判」「自公過半数が焦点」「景気 憲法 原発争点」
読売:「アベノミクス問う」「ねじれ解消 焦点」
日経:「アベノミクスに審判」「ねじれ解消焦点に」「ネット選挙が解禁」
産経:「ねじれ解消 攻防」「アベノミクス審判」「ネット解禁、433人立候補」

 各紙が今回の選挙の争点や焦点をどう見ているかを見出しから読み解くなら、「安倍政権」「アベノミクス(経済、景気)」「ねじれ解消」といったあたりが共通点になるでしょうか。同じ審判でも「安倍政権に審判」と「アベノミクスに審判」では意味合いが異なってくると思います。大阪は、全国で唯一、原発を稼働させている関西電力のおひざ元ですが、見出しに「原発」が入ったのは再稼働に批判的な朝日と毎日でした。
 個人的には、今回の選挙でもっとも留意しておきたいのはやはり「憲法」ですが、改憲を社是とする読売、産経両紙の見出しに「憲法」が見当たりません。民意は改憲に冷静とみて、逆効果にならないようあえて強調することは避ける、という判断でしょうか。同僚とそんな話をしました。
 全体として争点がばらけている観がありますが、選挙後にあたかも「白紙委任」を受けたかのように改憲が進む事態を招かないよう、憲法をめぐる論戦をマスメディアはとりわけ注視し、報じるべきだろうと思います。


【追記】2013年7月5日23時15分
 関西の有力地方紙の京都新聞神戸新聞の4日付夕刊1面の主な見出しは以下の通りでした。ともに「憲法」「改憲」が入っていました。
京都:「安倍政権を問う」「ねじれ解消焦点」「経済・憲法論戦」
神戸:「景気、改憲、安倍流問う」「県知事選告示 兵庫ダブル選」