広島原爆の日の前日に起きた沖縄の米軍ヘリ墜落

 沖縄県宜野座村などにまたがる米軍キャンプ・ハンセン内の訓練地区で5日午後、米空軍嘉手納基地に所属する訓練中のHH60救難ヘリコプターが墜落、炎上しました。乗員4人のうち1人が不明。6日に1遺体が発見されたと報じられています。現場は住宅地から約2キロ。折しも沖縄県をはじめ県内全自治体の反対を押し切る形で、米軍の輸送機オスプレイの第2陣配備が進んでいたさ中でした。米軍は5日夜、オスプレイ配備の延期を発表。さすがに米軍も、オスプレイ配備強行を容認している形の日本政府も、事故に大きな衝撃を受けたことは想像に難くありません。
 翌6日付の朝刊各紙が事故をどのように報じたか。わたしが住む大阪の全国紙5紙と、関西の代表的な地方紙である京都新聞神戸新聞の主な見出しを記録しておきます。全国紙では朝日、毎日が1面トップ、読売、日経も1面なのに対し、産経が社会面と政治面にとどめていたのが目を引きました。京都新聞神戸新聞はともに1面トップで、関連記事も社会面トップのほか総合面にも大きく掲載。相対的に両紙の方が全国紙よりも扱いが大きいこともこの日の紙面の特徴だと感じます。
 事故は6日の広島原爆の日の前日に起きました。ヘリ墜落を伝える同じ紙面には、この日が68年目の原爆の日であることを伝える記事も載っています。昨年の広島原爆の日のエントリーにも書きましたが、核廃絶がなかなか進まないことと、沖縄の過剰な基地の負担が解消されないこととは、根っこのところでつながっているように私には見えます。核と人類が共存できるかが問われる東京電力福島第一原発の事故も含めて、それぞれ別の問題ながら、目をこらせば底流ではつながっていることが見えるように思います。この日だけの問題意識に終わらないように、自覚を新たにしています。
※参考過去記事「67年目の8月6日の新聞〜戦争と平和を考える特別な時間」2012年8月7日
 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20120807/1344295046


▽6日付朝刊 ※全国紙5紙(朝日、毎日、読売、日経、産経)は大阪本社発行の最終版紙面
【朝日】
1面トップ・本記「沖縄で米軍ヘリ墜落」「訓練中 基地内の山中」見出し4段、写真、地図/「オスプレイの追加配備延期」
2面「また墜落 憤る沖縄」「地元首長ら『県民は反発』」「オスプレイ追加配備中『危険を痛感』」/「地位協定が壁 現場に入れず」/「政府、米側に遺憾伝達」「普天間への波及、懸念」表・沖縄県での主な米軍機墜落事故
第2社会面「『少し違えば住宅地に』」「米軍ヘリ 目前で墜落、黒煙」/「『特定地域だけなぜ危険直面』沖縄の識者ら」

【毎日】
1面トップ・本記「沖縄 米軍ヘリ墜落」「宜野座の訓練区域」「住民けがなし」「オスプレイ 追加配備を延期」見出し4段、写真、地図
2面「辺野古に影響懸念」「政府、米に情報提供求める」
第3社会面「住宅地わずか4キロ」「上る黒煙 県民怒り」「地元消防車 追い返され」/「対岸の火事とせず 識者」表・沖縄で戦後起きた米軍機が絡んだ主な事故

【読売】
本記1面「沖縄で米軍ヘリ墜落」「訓練場山中 1人不明、3人脱出」見出し3段、地図/「オスプレイ追加配備延期」
社会面準トップ「地元『原因究明早期に』」「地位協定の壁 消防入れず」/「外相、遺憾の意 米大使に表明」

【日経】
本記1面「沖縄で米軍ヘリ墜落」「基地内 オスプレイ配備遅れも」「乗員1人不明」見出し3段・地図
2面「普天間移設に影響懸念」「米軍ヘリ墜落 沖縄の反発必至」表・沖縄県の米軍基地を巡る今後の主な予定
社会面トップ「『住宅地だったら…』」「絶えぬ事故 怒る沖縄」/「『オスプレイ配備中止を』」「沖縄知事らが政府に要請へ」/「訓練飛行中の操縦でミスか」村井友秀防衛大教授/「たまたま敷地内 憂慮すべき事態」我部政明琉球大教授

【産経】
本記社会面準トップ「沖縄米軍ヘリ墜落炎上」「キャンプ・ハンセン 3人脱出1人安否不明」見出し3段、写真、地図
5面(政治面)「オスプレイ追加配備 米軍、一時見合わせ」

【京都】
1面トップ・本記「沖縄 米軍ヘリ墜落炎上」「住宅から2キロ山中」「HH60ヘリ 乗員1人不明」「キャンプ・ハンセン内」見出し6段、写真、地図/「オスプレイ普天間移動を延期」/「安全腐心の拡大を危惧 米政府」
3面・表層深層「オスプレイ懸念再燃」「追加配備のさなか」「政府困惑、打つ手なし」
5面(政治・総合面)「オスプレイ配備中止を強く要請」「沖縄県など方針」
社会面トップ「危険な現実 再び」「市街地だったら…」「怒りや不安 増幅」/「山林に炎、黒い穴」表・最近の主な米軍機墜落事故

【神戸】
1面トップ・本記「沖縄で米軍ヘリ墜落」「住宅地から2キロ」「キャンプ・ハンセン」見出し4段、写真、地図
2面「米『深刻に受け止め』」「オスプレイ 追加配備一時見合わせ」
3面「沖縄の怒り 政府苦慮」「普天間移設に影響必至」「米軍 安全不安の拡大危惧」/「追加配備オスプレイ 普天間への移動行わず」
社会面トップ「沖縄『絶対許せない』」「『事故でなく事件だ』」「木々の間、立ち上る炎」/「立ち入り阻む武装兵」/「憂慮の事態、現実に」我部政明琉球大教授/表・最近の主な米軍機墜落事故


 少しさかのぼりますが、7月30日に山口県の米軍岩国基地に到着したオスプレイ第2陣12機のうち2機が8月3日、沖縄県普天間飛行場に移りました。そのことを報じる4日付朝刊の各紙の扱いは次の通りです。
 ※全国紙は大阪本社発行の最終版紙面
【朝日】
1面準トップ「オスプレイ普天間着」「追加配備分の先行2機」見出し3段、写真
2面「沖縄 痛みの空」「超低空 昼夜の爆音 揺れる居間」「合意無視/正月も飛行/毎月国外へ」地図2枚
【毎日】
2面「オスプレイ2機追加配備」「24機態勢へ 沖縄知事、遺憾表明」見出し3段、写真
社会面準トップ「強制排除に怒号」「オスプレイ抗議 一時ゲート封鎖」写真
【読売】
2面「オスプレイ追加配備」「普天間に2機到着」見出し2段、写真
【日経】
社会面「オスプレイ普天間到着」「追加配備2機 沖縄知事が不快感」見出し2段、写真
【産経】
(なし)
【京都】
1面「オスプレイ普天間到着」「岩国から2機 知事、不快感表明」見出し4段
3面「冷淡政府に沖縄無力感」「『反対』『違反飛行』声届かず」
第2社会面「『住民へ負担さらに』」「普天間に反対の200人 上空に重低音」
【神戸】
第2社会面「オスプレイ普天間到着」「2機追加配備、知事不快感」/「『米国に帰れ』反対派ら怒声」