「反対」50%「賛成」25%、差が拡大、朝日新聞調査〜秘密保護法案、2日付各紙

 衆院を通過し参院で審議に入っている特定秘密保護法案について、朝日新聞が12月2日付の朝刊に、法案に「賛成」25%に対し「反対」が50%だったとの世論調査結果を掲載しました。1面トップの扱いです。調査は11月30日〜12月1日に実施。同じ質問をした11月9〜10日の調査では賛成30%、反対42%でしたが、賛否の差が広がったとしています。今回の調査ではほかに、法案の今後については「継続審議にするべきだ」が51%、「廃案にするべきだ」22%、「今の国会で成立させるべきだ」14%でした。また、11月26日に衆院で与党が法案採決を強行したことに61%が「問題だ」と答えています。
 朝日の調査のうち、法案への賛否を尋ねる質問は次の通りです。
 「特定秘密保護法案は、国の外交や安全保障に関する秘密を漏らした人や不正に取得した人への罰則を強化し、秘密の情報が漏れるのを防ぐことを目的としています。一方、この法案で政府に都合の悪い情報が隠され、国民の知る権利が侵害される恐れがあるとの指摘もあります。特定秘密保護法案に賛成ですか。反対ですか。」
 今回の朝日の調査結果を加えて、10月下旬以降のマスメディア各社の調査結果をまとめて再掲しておきます。


【法案への賛否】
朝日新聞 賛成25%    反対50%    11月30日〜12月1日実施
共同通信 賛成45.9%  反対41.1%  11月23〜24日実施
日経新聞 賛成26%    反対50%    11月22〜24日実施
朝日新聞 賛成30%    反対42%    11月9〜10日実施
毎日新聞 賛成29%    反対59%    11月9〜10日実施
共同通信 賛成35.9%  反対50.6%  10月26〜27日実施

【そのほか】
朝日新聞 11月30日〜12月1日実施
 「継続審議にするべきだ」51%、「廃案にするべきだ」22%、「今の国会で成立させるべきだ」14%
産経新聞・フジニュースネットワーク 11月16〜17日実施
 「今国会で成立させるべきだ」12.8%、「慎重に審議すべきだ」82.5%
・NHK 11月8〜10日実施
 「必要だ」25%、「必要でない」16%、「どちらともいえない」48%


 10下旬以降、法案への賛否を尋ねる調査を2回行ったのは共同通信朝日新聞ですが、朝日は賛否の差が開いたのに対し、共同は賛否が逆転しました。質問の文章を見ると、朝日は2回とも同じなのに対し、共同は2回目は質問文が変わっています。同じ事がらでも、どういう尋ね方をするかによって回答状況は変わりうるとされます。世論調査にさほど詳しいわけではないので、これ以上の推測は控えますが、共同、朝日両社の最新の調査結果によっても、法案への反対は40〜50%を占めるという見方は可能だと思います。備忘を兼ねて、共同の2回の質問と回答結果を再掲します。


共同通信 10月26〜27日実施
「政府は、安全保障に関する秘密が漏れるのを防ぐため、秘密を洩らした公務員らへの罰則強化を盛り込んだ特定秘密保護法案を国会に提出しました。国民の『知る権利』への配慮は明記されましたが、政府に不都合な情報が隠される恐れがあるなどの懸念も指摘されています。あなたはこの法案に賛成ですか、反対ですか」
賛成35.9%、反対50.6%
共同通信 11月23〜24日実施
「機密を漏らした公務員らへの罰則強化を盛り込んだ特定秘密保護法案は、与野党間の修正協議を経て、今国会で成立する見通しとなりました。あなたは、この法案に賛成ですか、反対ですか」
賛成45.9%、反対41.1%


 12月2日は月曜日です。新聞制作の実務からすると、社会が動いている平日は「読者に伝えよう」と考えるニュースもいろいろあるのですが、週末は相対的にニュースが減ります。この特定秘密保護法案でも、平日なら国会審議が続いていますが、土曜日や日曜日は動きが止まります。どんな記事を記載するかは新聞それぞれということになります。言い方を変えれば、週明けの各紙の紙面を読み比べれば、各紙ごとの個性や特色が分かりやすい、と思います。
 2日付の大阪・関西の各紙朝刊では、特定秘密保護法案の関連の記事の扱いは分かれました。朝日は世論調査結果のほかにも、2面(総合面)の大半、社会面の大半を使って関連記事を掲載。石破茂自民党幹事長が自分のブログで、法案に反対するデモを「単なる絶叫戦術は、テロ行為とその本質においてあまり変わらない」などと批判し、その後、一部を撤回した問題についても、政界の反響などを詳しく報じています。社会面では大阪のデモ行進に参加した夫婦や家族連れら15組の写真を掲載し、法案へのひと言を連ねました。対照的なのが読売新聞で、石破氏のブログ問題も含めて関連記事は見当たりませんでした。法案それ自体と国会での取り扱いに批判的な新聞と、一定の理解を示す新聞とで情報量が圧倒的に異なる状況が続いています。


※カテゴリーに「秘密保護法案」を新設しました。
※12月2日付朝刊各紙の主な記事と見出しは次の通りです。全国紙5紙は大阪本社発行の最終版。いつも対象にしている神戸新聞は都合によりチェックできませんでした
朝日新聞
1面トップ「秘密保護法案『反対』50%」「『賛成』25%に減少 本社世論調査」「採決強行『問題』61%」
1面「表現あいまい なぜ急ぐ」タレント・春香クリスティーンさん:ワッペン「異議あり特定秘密保護法案」
2面「石破氏発言 与党も困惑」「デモ『絶叫戦術、テロと変わらず』」「秘密保護法案 批判直結を懸念」「石破氏、一部撤回」/「野党攻勢『一丸で追及』」
2面「外交密約60年後も非公開?」ワッペン「秘密保護法案 条文解説ここが問題」
2面・世論調査 質問と回答
社会面トップ「NO!」「御堂筋で抗議行動」/「日弁連も抗議行動」・家族連れらの写真15枚とひと言集・「家族連れ、ベビーカーを押す夫婦、カップル……。抗議行動の参加者や沿道の市民に法案反対への思いを書いてもらい、その理由を聞いた」
社説「秘密保護法案 裁きを免れる『秘密』」


毎日新聞
2面「石破氏、講演でまたデモ批判」「ブログの『テロ』は撤回」/「野党追及の構え 民主、協議呼び掛け」
4面(オピニオン メディア)「取材の自由担保へ なお残る懸念」「【秘密保護法案4党修正案】」「国家秘密法案と同レベルとの声も」/「『著しく不当な方法』とは?」「実態踏まえた質疑少なく」
社会面準トップ「石破発言『自民が馬脚』」「各地で反対集会・デモ」写真・京都大の反対集会、元毎日新聞記者の西山太吉さんが発言/「成立阻止訴え日弁連も集会」
社会面「『告発者守れぬ』と反対」みんなの党衆院議員・井出庸生さん:ワッペン「特定秘密保護法案に言いたい」
社説「秘密保護法案参院審議を問う 適正評価 民間人監視される懸念」


▼読売新聞 関連記事なし


産経新聞
5面(総合)「石破氏、『テロ行為』批判を撤回」(短信)
※1〜2面・櫻井よし子氏寄稿で法案とNHKの報道に言及


日経新聞
第2社会面「秘密保護法案反対の市民集会」「東京、330人が参加」


京都新聞
2面「秘密法案、最終局面に 6日に会期末」「野党共闘で抵抗 与党が主導権」
2面「重ねてデモ批判」「石破氏 ブログの『テロ』撤回 秘密法案」
3面「環境保護 市民も制約」「『政策追及に萎縮効果』」「秘密保護法案 強い危機感」
社会面「『本音出た』『批判抑圧』」「石破氏『テロ』発言 批判相次ぐ」写真・1日午後に大阪市で行われた法案反対デモ