近江の赤こんにゃく

 琵琶湖を望む滋賀県の近江八幡市には、赤いこんにゃくがあります。大阪に転居し、寺社巡りで近江を訪ねるようになってほどなく、土産物店などに赤こんにゃくが置いてあるのに気付きました。地元では「すき焼き」もこの赤こんにゃくのようですが、私はもっぱら味付け済みのパック入りを買って帰り、休日などに自宅でつまみにしていました。見かけは唐辛子の赤を連想させますが、赤こんにゃく自体にはまったく味がありません。ただ、一般のこんにゃくに比べて舌触りがとても滑らかで、つるつるした食感です。
 近江八幡は織田信長が築いた安土城が近く、よく耳にする説としては、派手好みの信長がこんにゃくも赤くせよと命じたとか。「赤こんにゃく」をネットで検索すると、以下の日経新聞の記事が上位に出てきます。同紙の大阪夕刊関西View2013年10月8日付の記事とのことです。一部を引用します。
「派手好き信長の意向? 近江八幡の赤いこんにゃく 起源に諸説」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASIH02006_T01C13A0AA1P00/

 なぜ赤く染めるようになったのか。滋賀の食を研究する市民グループ「滋賀の食事文化研究会」の中村紀子会長に尋ねると「諸説があり、どれももっともらしく思えます」との答えが返ってきた。
 まず教えてくれたのが「織田信長説」だ。この地に安土城を築き、派手好きとされる信長が赤く染めるように命じたという。近江八幡市文化観光課の亀岡哲也課長補佐は「それを書き記した資料はありません」と残念そうだが、地元では真っ先に上がる。

 ほかにも製造業者さんのサイトがいくつかあり、赤こんにゃくにまつわるうんちくや、赤こんにゃくを使った料理のレシピも紹介されていて、興味深く読みました。ちなみに赤くするのに以前は食紅が使われましたが、現在は三二酸化鉄という食品添加物を使っているとのことです。
 大阪に住んでいた時には、近江に行くと何食分かまとめて買って帰り、自宅にストックしていました。転勤の際も、消費期限をにらみながら数食分を東京に持ってきました。その最後の一食を今日、食べました。次に口にできる機会はいつでしょうか。
【写真説明】東京に持ってきた「赤こんにゃく」最後の1食