解散も「アベノミクス」も高い評価はなく内閣支持率も低下傾向だが投票先は自民が圧倒〜衆院解散前後の世論調査結果まとめ(備忘)

 安倍晋三首相が11月21日に衆院解散した前後にマスメディア各社が実施した世論調査の結果が報じられています。19日(水)、20日(木)に実施された朝日新聞共同通信の調査結果は、以前の記事で簡単に触れました。その後、読売新聞(21〜22日)、日経新聞テレビ東京(21〜23日)、産経新聞・FNN(22〜23日)、NHK(22〜24日)の調査結果が報じられました。各調査結果におおむね共通している傾向をまとめてみると以下の通りです。まとめて言えば「衆院解散・総選挙には60%〜70%超が否定的で、安倍政権が最大争点に掲げた『アベノミクス』の評価も高いとは言い難く、内閣支持率もおおむね低下傾向にあるが、投票先は自民党が圧倒している」ということになりそうです。あくまでも、衆院解散された21日前後の状況です。


衆院解散・総選挙→60%〜70%超が否定的
朝日:「賛成」18% 「反対」62%
共同:「理解できる」30・5% 「理解できない」63・1%
読売:「評価する」27% 「評価しない」65%
日経・テレ東:「適切だった」23% 「適切でなかった」58%
産経・FNN:「適切だと思う」22.8 「適切だと思わない」72.2%
NHK:「大いに評価する」5% 「ある程度評価する」24% 「あまり評価しない」38% 「まったく評価しない」28%


▼この2年間の安倍首相の経済政策(アベノミクス)の評価→各調査でばらつきがあるが、高い評価を受けているとは言い難い
朝日:「成功だ」30% 「失敗だ」39% 「その他・答えない」31%
読売:「評価する」45% 「評価しない」46%
日経・テレ東:「評価する」33% 「評価しない」51%
産経・FNN:「成功していると思う」27.2 「成功していると思わない」60.7
NHK:「大いに評価する」7% 「ある程度評価する」43% 「あまり評価しない」32% 「まったく評価しない」13%


安倍内閣の支持率→おおむね低下傾向。「支持」は49〜39%と依然低い水準ではないが、「不支持」が44〜37%と近接してきている
朝日:「支持」39% 「不支持」40%
※11月8、9日より支持3ポイント減、不支持4ポイント増
共同:「支持」47・4%  「不支持」44・1%
 ※10月18、19日より支持0・7ポイント減、不支持3・9ポイント増
読売:「支持」49% 「不支持」42%
※11月7〜9日より支持6ポイント下落、不支持6ポイント増
日経:「支持」44% 「不支持」39% 
※10月下旬の前回より支持4ポイント下落、不支持3ポイント増
産経:「支持」48・9% 「不支持」40・9%
※10月18、19両日より支持4・1ポイント下落、不支持3・0ポイント増
NHK:「支持」47% 「支持しない」37%
 ※2週間前に比べ、支持3ポイント上昇、不支持1ポイント減


比例代表の投票先→「自民」が圧倒
・朝日(22〜23日に連続世論調査の1回目を実施):自民37%(19、20日実施の緊急世論調査は37%) 民主11%(13%) 維新6%(6%) 公明5%(4%) 共産5%(6%)
・共同:自民25・3% 民主9・4% 維新3・1% 公明4・6% 共産4・2%
・読売:自民41% 民主14% 維新5% 公明6% 共産3%
・日経・テレ東:自民35% 民主9% 維新3% 公明3% 共産3%
・産経・FNN:自民42・0% 民主12・7% 維新7・6% 公明4・8% 共産5・4%


 解散総選挙の評価やアベノミクスの評価などと投票先との関連など、複数の設問の回答をクロスさせることで、いろいろな傾向がうかがえます。例えば読売新聞は「安倍内閣の経済政策を『評価しない』と答えた人のうち、比例選で自民党に投票すると答えた人は18%で、民主党の23%と大差ない」「安倍首相の衆院解散を評価しない人の30%が投票先を自民党としており、民主党とした人の17%を引き離している」との分析を紙面に掲載しています。こうした傾向は12月14日の投開票日まで続くのか、それとも別の傾向が出てくるのか。マスメディア各社は投開票日まで何回か、世論調査を実施します。同じ質問を継続することで、投票行動の動向を探るのが目的です。
 以下に、21日前後に実施された各社の調査結果のうち、目についたものを備忘を兼ねて書き留めておきます。

朝日新聞】11月19日(水)、20日(木)実施

内閣支持率
「支持」39% 「不支持」40%
▼この時期の解散・総選挙
「賛成」18% 「反対」62%
▼消費税を引き上げる時期を延期することについて国民に信を問うためとの理由に
「納得する」25% 「納得しない」65%
▼この2年間の安倍晋三首相の経済政策
「成功だ」30% 「失敗だ」39% 「その他・答えない」31%
▼首相の経済政策が賃金や雇用が増えることに
「結びついている」20% 「そうは思わない」65%

共同通信】11月19日(水)、20日(木)実施

内閣支持率
「支持」47・4%  「不支持」44・1%
▼安倍首相の衆院解散表明
「理解できる」30・5% 「理解できない」63・1%
▼望ましい選挙結果
「与党と野党の勢力が伯仲する」51・4%
「与党が野党を上回る」31・6%
「与党と野党が逆転する」9・1%
憲法改正
「賛成」39・3% 「反対」45・5%

【読売新聞】11月21日(金)、22日(土)実施

内閣支持率
「支持」49% 「不支持」42%
※前回7〜9日より支持6ポイント下落、不支持6ポイント増
安倍内閣の経済政策の評価
「評価する」45% 「評価しない」46%
衆院解散
「評価する」27% 「評価しない」65%
衆院の定数削減など選挙制度の抜本的見直しが実現していないことを
「理解できる」18% 「理解できない」76%

日経新聞テレビ東京】11月21日(金)〜23日(日)実施

内閣支持率
「支持」44% 「不支持」39% 
※10月下旬の前回より支持4ポイント減、不支持3ポイント増。第2次安倍政権で最低と最高
アベノミクス
「評価する」33% 「評価しない」51%
▼景気回復
「実感している」16% 「実感していない」75%
▼景気回復・賃金上昇
「期待する」44% 「期待しない」49%
衆院解散
「適切だった」23% 「適切でなかった」58%

産経新聞・FNN(フジニュースネットワーク)】11月22日(土)、23日(日)実施

内閣支持率
「支持」48.9% 「不支持」40.9%
※前回10月18、19両日より支持4・1ポイント減、不支持3ポイント増
衆院解散
「適切だと思う」22.8% 「適切だと思わない」72.2%
衆院解散の理由について消費税率引き上げの先送りを挙げ、「国民経済にとって重い決断をする以上、速やかに国民に信を問うべきだ」と説明したことについて
「納得できる」23.6%  「納得できない」71.7%
アベノミクス
「成功していると思う」27.2% 「成功していると思わない」60.7%
衆院の定数削減が先送りされたまま衆院選が行われることに
「納得できる」10.8% 「納得できない」83.5%
沖縄県知事選で、米軍普天間飛行場名護市辺野古への移設に反対する翁長雄志氏が、移設を容認する現職ら3人を破って初当選した。普天間飛行場辺野古移設について
「賛成」42.4% 「反対」42.4% 他15.2%

【NHK】11月22日(土)〜24日(月)実施

内閣支持率
「支持」2週間前に行った調査に比べ、3ポイント上がって47%
「支持しない」1ポイント下がって37%
衆議院解散・総選挙
「大いに評価する」5%
「ある程度評価する」24%
「あまり評価しない」38%
「まったく評価しない」28%
安倍内閣の経済政策
「大いに評価する」7%
「ある程度評価する」43%
「あまり評価しない」32%
「まったく評価しない」13%
安倍内閣の外交・安全保障政策
「大いに評価する」11%
「ある程度評価する」43%
「あまり評価しない」29%
「まったく評価しない」10%
▼今回の選挙で、自民・公明両党が衆議院過半数議席を獲得するのが望ましいと思うか
「望ましい」22%
「どちらかといえば望ましい」31%
「どちらかといえば望ましくない」23%
「望ましくない」16%
▼国会の中に、自民党に対抗できる勢力を持った野党ができることを期待するか
「大いに期待する」34%
「ある程度期待する」36%
「あまり期待しない」17%
「まったく期待しない」7%


【追記】2014年11月26日22時20分
 産経新聞・FNNは上記のように、沖縄の米軍普天間飛行場名護市辺野古地区移設についての賛否を尋ねています。結果は「賛成」42.4%、「反対」42.4%でした。全国的に賛否二分という状況は、先日の沖縄県知事選でも示された沖縄の民意とはなお大きくかい離しています。とはいえ、日本本土で無関心の中に埋没してしまうのを避けなければならないという観点からは、絶望する必要はない数字ではないかと、個人的には感じています。