沖縄知事の作業停止指示「評価する」51・3%(FNN調査)〜大きな扱い続く在京紙

 沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の移設問題をめぐって、民放ニュース・ネットのFNN(フジテレビ系)が3月28日(土)、29日(日)に行った世論調査の結果が報じられています。それによると、沖縄県の翁長雄志知事が、名護市辺野古への移設作業を停止するよう、沖縄防衛局に指示したことについて、「評価する」と答えた人が51・3%と過半数に達しました。「評価しない」は40・1%でした。世論も安倍晋三首相と政権の強硬姿勢に対して、決して「是」としていないことがうかがえる調査結果ではないかと感じます。しかし、それでも内閣支持率はわずかながら上昇し53・6%と、依然として高い水準を保っているようです。FNNのサイトにアップされている記事の一部を引用し、書き止めておきます。
※FNN「沖縄県知事の辺野古作業停止指示『評価』が半数超 FNN世論調査」2015年3月30日
 http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00289227.html

 FNNが、この週末に行った世論調査で、安倍内閣の支持率は53.6%で、2月から、ほぼ横ばいだった。沖縄県知事が、普天間基地辺野古移設問題で作業停止を指示したことについては、「評価する」人が半数を超えている。
 調査は、3月28日と29日に、電話調査(RDD)で行われ、全国の有権者1,000人が回答した。
 安倍内閣を「支持する」と答えた人は、2月の調査より0.8ポイント上がって、53.6%、「支持しない」は、37.7%だった。
 アメリカ軍普天間基地の移設計画をめぐり、沖縄県の翁長知事が、名護市辺野古への移設作業を停止するよう、沖縄防衛局に指示したことについて聞いたところ、「評価する」と答えた人が5割を超え(51.3%)、「評価しない」の4割を上回った(40.1%)。
 指示の取り消しを求める審査請求書の提出など、政府がとった対抗措置については、「適切だと思わない」が半数を超え(50.4%)、安倍首相や菅官房長官が、問題の打開に向け、翁長知事と会談すべきだと「思う」人は、8割台半ばにのぼった(86.9%)。

 前回の記事でも触れましたが、翁長知事が沖縄防衛局に出した作業停止の指示について林芳正農相は30日、効力を一時的に停止することを発表しました。東京発行の新聞各紙は30日夕刊から31日付朝刊にかけて、大きな扱いでした。夕刊では毎日、読売が1面トップ、朝刊では朝日と産経が1面トップでした。
 3月12日に日本政府が辺野古沖のボーリング調査再開を強行して以降、23日の翁長知事による作業停止の指示など、この問題は東京発行の新聞各紙の紙面でも大きな扱いが続いています。政府方針を支持している読売新聞や産経新聞もしばしば1面で報道しています。テレビも同様のようで、日本本土で少しずつかもしれませんが、ニュースとして人々の目に触れる機会は増しています。FNNの世論調査で翁長知事の作業停止の指示を評価する回答が過半数に達したことも、そういったことの反映ではないかと思います。ほかのマスメディアの世論調査結果を待ちたいと思います。

 ネットでのチェックですが、沖縄タイムスの以下のコラムが目に留まりました。
 ※沖縄タイムス「[大弦小弦]実は、県が勝っているのかも…」2015年4月1日
  http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=109745&f=t

 実は、県が勝っているのかもしれない。名護市辺野古の新基地建設作業をめぐって政府との間で始まった攻防のことである▼翁長雄志知事は作業をストップさせようとしたが一昨日、林芳正農水相に入り口で「駄目」とばかりに止められた。法律論のややこしい袋小路に入り目的は達せられなかったものの、基地問題の大きな課題の一つ在京メディアの注目は集めた▼(中略)翁長知事が何度か上京しても安倍晋三首相や菅義偉官房長官が会わなかったころから、県外でも政権の沖縄対応に批判的な声が出始めた。現に政府関係者は「国はやり過ぎだとの批判が噴出するのではないか」と国民世論を警戒し始めている

 状況を変え得るのは世論です。そのためにはまず、何が起きているかが広く知られなければなりません。本土マスメディアの課題は明白です。

 以下は、東京発行各紙の3月30日夕刊と31日付朝刊の紙面の記録です(いずれも東京本社発行最終版)。

【3月30日夕刊】
朝日新聞
1面準トップ「沖縄知事の指示『一時停止』」「辺野古作業 農水相が決定書」
第2社会面「移設反対派、決定に怒り」「辺野古『知事は取り消し決断を』」
※1面トップは「非戦語った『幻の調査会』」(新聞と9条)

毎日新聞
1面トップ「農相、知事指示を『執行停止』」「辺野古 沖縄県、法的措置も」「翁長氏『精査したい』」

▼読売新聞
1面トップ「沖縄県の指示『停止』」「辺野古移設 農相、県に通知」「『普天間継続 重大な損害』」/「翁長知事『精査する』」

日経新聞
1面準トップ「沖縄県の指示 一時無効」「辺野古移設作業 農相、決定書を通知」/「『じっくり精査』翁長知事」
※1面トップは「建設、人手確保に知恵」

東京新聞
1面準トップ「農相 辺野古工事停止認めず」「沖縄県の指示 採決まで失効」
社会面「沖縄県民『暴挙』」「基地周辺に結集 怒りと反発」/「強引な手法で問題だ」成蹊大法科大学院武田真一郎教授(行政法
※1面トップは「少年兵が抱えた秘密」(「デイゴは散った 沖縄戦70年」上)


【3月31日付朝刊】
朝日新聞
1面トップ「沖縄知事、国の姿勢批判」「辺野古作業停止 農水相認めず」「破砕許可取り消し 明言せず」
2面・時時刻刻「沖縄知事、次の手探る」/「手続きの応酬懸念」/「政権、作業続ける構え」「知事との面会 柔軟姿勢も」
第2社会面「止まらぬ移設 沖縄焦燥」「『政府は強引』『歩み寄りを』」
第2社会面「関心低い本土 懸念の声」

毎日新聞
3面・クローズアップ2015「県『次の手』苦慮」「『法的に勝てる手段を』」
5面(総合)「野党から懸念、反発」「辺野古 知事指示を執行停止」
社説「辺野古移設 沖縄と敵対ばかりでは」
※1面トップは「ヤフー、検索削除新基準」

▼読売新聞
1面準トップ「沖縄知事、対抗措置を検討」「農相、県の指示『停止』 辺野古移設」
3面・スキャナー「翁長氏『次の一手』焦点」/「訴訟以外に困難の見方」/「防衛相『無効』裁決へ地震
※1面トップは「救助14万人を派遣」(南海トラフ地震

日経新聞
3面「辺野古移設 異例の応酬」「政府 県指示一時無効に/沖縄知事 許可取り消し協議」
3面「普天間の危険 議論置き去り」「行政手続きを駆使、激しく対立」
社説「普天間移設を法廷で争うのは筋違いだ」
※1面トップは「介護大手、相次ぎ賃上げ」

産経新聞
1面トップ「辺野古『停止』取り消し公算」「農水相、沖縄知事の指示『無効』」
1面「翁長氏手詰まり 官邸は会談探る」
3面「不服審査・行政訴訟の争点に」「岩礁破砕と漁業権の関係/那覇第2滑走路との公平性/事前交渉経緯と瑕疵有無」

東京新聞
1面準トップ「『環境調査』主張認めず」「農相 県は新たな措置検討」
2面「沖縄県の不信増大」「国が申し立て、国が審査」
第2社会面「『圧力には屈しない』」「ゲート前で抗議」
社説「辺野古工事 既成事実化は許されぬ」
※1面トップは「休業補償 払わず混乱」(福島第1原発