安倍内閣「支持」減、「不支持」と差開くがそれでも低くはない水準〜NHK、NNN世論調査(備忘)※追記:毎日新聞調査

 先週末の8月7日から9日にかけて実施されたNHKとNNN(日本テレビ系列)の世論調査結果が相次いで報じられました。備忘を兼ねて書きとめておきます。
 安倍晋三内閣の支持率は以下の通りです。カッコ内は前回からの変動です。

 ▼NHK 支持37%(4ポイント減)不支持46%(3ポイント増)
 ▼NNN 支持37・8%(1・9ポイント減)不支持46・7%(5・7ポイント増)

 支持と不支持が逆転して以降、その差が開きつつある傾向がうかがえます。ただ、それでも30%台後半の「支持」は、低くはない水準です。
 参院で審議中の安保法案をめぐっては、NHKは以下のように伝えています。

 安倍内閣が、集団的自衛権の行使容認を含む安全保障法制の整備を進めていることを、評価するかどうか聞いたところ、「大いに評価する」が7%、「ある程度評価する」が23%、「あまり評価しない」が32%、「まったく評価しない」が32%でした。
 集団的自衛権の行使を可能にすることなどを盛り込んだ安全保障関連法案を、今の国会で成立させるという政府・与党の方針には、「賛成」が16%、「反対」が47%、「どちらともいえない」が31%でした。
 安全保障関連法案について、政府は国会審議の中で十分に説明していると思うか尋ねたところ、「十分に説明している」が9%、「十分に説明していない」が58%、「どちらともいえない」が24%でした。

 安保法制の整備に対して「大いに」「ある程度」を合わせて「評価する」とした人は30%に対し、同様に「あまり」「まったく」を合わせて「評価しない」としたのは64%と、倍以上の差がつきました。
 ※NHK「内閣支持率37%に 不支持は46%」=2015年8月10日
  http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150810/k10010184961000.html


 NNNは質問文も別サイトで公表しています。安保法案の中で集団的自衛権と他国軍へのいわゆる後方支援とを分けて尋ねています。集団的自衛権の行使をめぐっては否定的な回答が過半数ですが、他国軍へのいわゆる後方支援についてはそれほどでもないことがうかがえます。

[ 問7] 自衛隊の活動を広げる安全保障関連法案が、国会で審議されています。この法案のなかには、憲法の解釈を変えることによって、同盟国などが攻撃を受けた場合、日本が攻撃されたことと見なして、反撃することができる集団的自衛権の行使を、実際に行える内容が含まれています。あなたは、実際に、集団的自衛権を行使できるようにすることでよいと思いますか、思いませんか?
(1) 思う 28.4 %
(2) 思わない 56.8 %
(3) わからない、答えない 14.8 %
[ 問8]
また、法案のなかでは、外国の軍隊が、国際社会の平和と安全のために活動している場合、日本周辺地域以外でも、国会の承認を得た上で、自衛隊が、外国軍に対して、弾薬や食糧などを輸送するなどの、後方支援を行えるようにするとしています。あなたは、これを支持しますか、支持しませんか?
(1) 支持する 45.3 %
(2) 支持しない 41.1 %
(3) わからない、答えない 13.6 %
[ 問9] あなたは、この法案を、いまの国会で成立させることでよいと思いますか、思いませんか?
(1) 思う 29.5 %
(2) 思わない 57.8 %
(3) わからない、答えない 12.7 %
[ 問10] あなたは、安倍内閣が、この法案の内容について、国民に十分に説明していると思いますか、思いませんか?
(1) 思う 14.9 %
(2) 思わない 76.4 %
(3) わからない、答えない 8.7 %

 ※NNN「安倍内閣支持率37.8% NNN世論調査」=2015年8月9日
  http://www.news24.jp/articles/2015/08/09/04306520.html
 ※「2015年8月定例世論調査 速報」=2015年8月9日
  http://www.ntv.co.jp/yoron/201508/soku-index.html


 今回は「安倍内閣を支持する理由」も書きとめておきます。
 NNNは以下の通り「他に代わる人がいない」がトップです。

[ 問2] [問1で「(1)支持する」と答えた方へ]安倍内閣を支持する理由は何ですか?
(1) 安倍総理の人柄が信頼できるから 15.3 %
(2) 閣僚の顔ぶれに期待がもてるから 2.5 %
(3) 支持する政党の内閣だから 18.3 %
(4) 政策に期待がもてるから 24.7 %
(5) 他に代わる人がいないから 27.7 %
(6) 特に理由はない 7.6 %
(7) その他 0.8 %
(8) わからない、答えない 3.1 %

 NHKは「『他の内閣より良さそうだから』が39%、『実行力があるから』が21%、『支持する政党の内閣だから』が19%」。やはり「代わりがいない」が最多です。
 以前にも触れことですが、安倍晋三内閣の特徴は、個別の政策には賛否があっても、支持率は一貫して高い水準を保っていたことでした。その要因が「ほかに代わりがいない」ということだったのだろうと思います。今までは賛否が割れる政策を強行すると(例えば特定秘密保護法案の採決強行がその一例ですが)、一時的に支持率は落ちても、次回の世論調査ではおおむね回復していました。しかし、安保法案の衆院での審議入り以降、支持率は連続して下がり、「支持」と「不支持」も逆転して、その差がさらに開きつつあります。
 秋には自民党の総裁選が予定されています。内閣支持率の低下によって、自民党内で公然と安倍内閣の政策・方針を批判する声が起こるようなことになってくれば、総裁選で安倍氏に対抗馬が出るなど、「代わりがいない」という状況に変化が起こることが期待できるかもしれません。現在の安保法案の審議の行方は重大な意味を持ちます。
 また、安保法案を一人一人がどう考えるかとのかかわりで、抗議行動の広がりも、社会に広く知られていいことだろうと思います。マスメディアが抗議行動を報じることの意味もまた大きくなると思います。もちろん、多様な意見や考え方、安保法案を支持する人たちの考え方や意見を紹介することも重要です。


 きょう8月11日、九州電力川内原発1号機が再稼働の予定です。NHK、NNNの世論調査では、原発再稼働は反対や不支持が賛成、支持を大幅に上回っています。内閣支持率に影響があるのかないのか、次の調査結果を待ちたいと思います。


 内閣支持率について、6月からの推移をあらためて列記すると以下の通りです。

共同通信 6月20、21日実施 支持47・4%(2・5ポイント減) 不支持 43・0%(5・0ポイント増)
朝日新聞 6月20、21日実施 支持39%(6ポイント減) 不支持 37%(5ポイント増)
産経新聞・FNN 6月27、28日実施 支持46・1%(7・6ポイント減) 不支持 42・4%(7・9ポイント増)
▼読売新聞 7月3〜5日実施 支持49%(4ポイント減) 不支持 40%(4ポイント増)
毎日新聞 7月4、5日実施 支持42%(3ポイント減) 不支持 43%(7ポイント増)
▼NNN 7月10〜12日実施 支持39・7%(1・4ポイント減) 不支持 41・0%(1・7ポイント増)
▼NHK 7月10〜12日実施 支持41%(7ポイント減) 不支持 43%(9ポイント増)
朝日新聞 7月11、12日実施 支持39%(変わらず) 不支持 42%(5ポイント増)
共同通信 7月17、18日実施 支持37・7%(9・7ポイント減)不支持51・6%(8・6ポイント増)
毎日新聞 7月17、18日実施 支持35%(7ポイント減)不支持51%(8ポイント増)
朝日新聞 7月18、19日実施 支持37%(2ポイント減)不支持46%(4ポイント増)
▼読売新聞 7月24〜26日実施 支持43%(6ポイント減)不支持49%(10ポイント増)
日経新聞 7月24〜26日実施 支持38%(9ポイント減)不支持50%(10ポイント増)
▼NNN 8月7〜9日実施 支持37・8%(1・9ポイント減)不支持46・7%(5・7ポイント増)
▼NHK 8月7〜9日実施 支持37%(4ポイント減) 不支持46%(3ポイント増)


【追記】2015年8月13日20時05分
 毎日新聞も8月8、9日の両日、世論調査を実施していました。
 九州電力川内原発の再稼働に「反対」との回答は57%、「賛成」は30%でした。安倍内閣の支持率は7月の前回調査から3ポイント減の32%、不支持率は同2ポイント減の49%でした。内閣支持率は2012年12月の第2次安倍内閣発足後、最低を更新し、女性では支持率が26%まで低下したとののことです。
毎日新聞 8月8、9日実施 支持32%(3ポイント減)不支持49%(2ポイント減)
 ※毎日新聞「本社世論調査:川内再稼働に反対57%」2015年8月9日
  http://mainichi.jp/select/news/20150810k0000m010074000c.html