NHK調査も安保法制の今国会成立に「反対」多数

 NHKが9月11〜13日の3日間実施した世論調査の結果を報じました。安倍晋三内閣の支持率では、「支持する」は前月より6ポイント増の43%、「支持しない」は7ポイント減の39%で、6月の調査以来3カ月ぶりに「支持」が「不支持」を上回ったとのことです。
 参院で審議中の安全保障関連法案についての主な結果は、以下の通りです。

  • 今の国会で成立させるという政府・与党の方針には:「賛成」19%、「反対」45%、「どちらともいえない」30%
  • これまでの国会審議で議論は尽くされたと思うか:「尽くされた」6%、「尽くされていない」58%、「どちらともいえない」28%
  • 「安全保障関連法案の成立によって抑止力が高まり、日本が攻撃を受けるリスクが下がる」という政府の説明に納得できるかどうか:「大いに納得できる」6%、「ある程度納得できる」25%、「あまり納得できない」37%、「まったく納得できない」26%
  • 安全保障関連法案について「憲法違反だ」という意見と「憲法違反ではない」という意見があるがどう思うか:「憲法違反だ」32%、「憲法違反ではない」16%、「どちらともいえない」46%

※NHK NEWSWEB「安倍内閣『支持』43% 『不支持』39%」
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150914/k10010234051000.html

 安保関連法案について、今国会で成立させるとの政府・与党方針に対しては、8月末以降の最近の世論調査では、以下のようにいずれも「反対」が「賛成」を大きく上回っています。この傾向は変わっていません。今回のNHK調査も「どちらともいえない」が30%あるとはいえ、賛否だけを見れば「反対」は「賛成」の倍以上です。

▼安保法案を今国会で成立させることに対して
日経新聞テレビ東京 8月28〜30日実施 「賛成」27% 「反対」55%
・NNN(日本テレビ系)9月4〜6日実施 「よいと思う」24・5% 「よいと思わない」65・6%
・JNN(TBS系)9月5、6日実施 「賛成」30% 「反対」61%
・NHK 9月11〜13日実施 「賛成」19% 「反対」45% 「どちらともいえない」30%


 政府・与党は今週中に参院での可決・成立を図る構えと伝えられていますが、国会議事堂の前では14日夜も大規模な抗議集会があり、主催者発表で約4万5千人が参加したと報じられています。仮に本当に採決に持ち込むなら「民意に逆らった強行採決」との批判は免れ得ないでしょう。

※47news=共同通信「国会前、再び反安保大規模集会 大江健三郎氏『若者が力強い声』」2015年9月14日
 http://www.47news.jp/CN/201509/CN2015091401001805.html

 安全保障関連法案に反対する市民団体が14日、国会周辺で集会を開いた。8月30日の最大規模の集会と同様、参加者が国会議事堂を取り囲み、正門前は車道にもあふれた。主催者発表で約4万5千人。
 作家の大江健三郎さんは「法案が成立すれば、平和憲法の下の日本はなくなってしまう」と危機感を表明。一方で「特に若い人たちが力強い声を発している。『希望はない』とふさぎこむことはできない」と述べた。
 参加者はペンライトを振りながら「戦争法案いますぐ廃案」「強行採決絶対反対」とシュプレヒコールを繰り返した。
 主催は、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」。


 14日はもう一つ、安保法案の問題と根っこではつながっている問題で大きな動きがありました。

※47news=共同通信「知事、辺野古承認取り消し表明 来月にも実施、国と法廷闘争も」2015年9月14日
 http://www.47news.jp/CN/201509/CN2015091401001137.html

 沖縄県の翁長雄志知事は14日午前、県庁で記者会見し、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の移設先、名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認の取り消しに向けた手続き開始を表明した。10月中にも正式に取り消す考えだ。辺野古移設を推進する政府が、対抗措置を取るのは確実。双方の対立は激化し「法廷闘争」に発展する可能性が高まった。
 翁長氏は「前知事による承認に瑕疵があると認められた」と説明。「あらゆる手段を講じて辺野古に基地を造らせないための第一歩となる」と強調した。辺野古移設方針を堅持する政府の姿勢について「日本全体で安全保障を考える気概も何もない。残念至極だ」と批判。

 集団的自衛権の行使容認などを含む安保法案は、日米安全保障条約在日米軍基地の存在を前提に組み立てられています。安保法案と沖縄の基地負担のありようの問題は、根が同じです。密接にかかわるこの二つの問題がほぼ同時期に大きく動くことになり、特に沖縄の基地の問題は、沖縄県と国が法廷を舞台に激しく対決することになりそうで、「国家」としての統合のありようが直接問われかねません。そうした事態によって、この二つの問題に対する考え方、とらえ方にも変化が表れ、世論や内閣支持に新しい動きが生じる可能性があります。そうしたことにマスメディア、中でも本土のマスメディアの報道が大きくかかわってくるだろうと思います。


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