琉球新報社説「辺野古『支持』逆転 誤解への誘導は許されない」

 一つ前の記事(「辺野古移設、安倍政権方針「評価」「支持」が「評価しない」「支持しない」を上回る〜読売、共同の世論調査(整理・再録)」)の続きになります。
 1月末の読売新聞と共同通信世論調査で、沖縄・宜野湾市の米軍普天間飛行場を同じ沖縄の名護市辺野古に移設する日本政府・安倍晋三政権の方針について、「評価する」「支持する」との回答が、「評価しない」「支持しない」を上回りました。この結果をどうみるかについて、琉球新報が3日付で「辺野古『支持』逆転 誤解への誘導は許されない」との見出しの社説を掲載しています。一部を引用して書きとめておきます。

琉球新報辺野古『支持』逆転 誤解への誘導は許されない」=2016年2月3日
 http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-215012.html

 民意の曲解が横行している。政治家がこれを演出しているのなら、断じて許されない。
 共同通信の全国電世論調査で、米軍普天間飛行場名護市辺野古に移設する政府の方針について「支持する」が47・8%と、「支持しない」の43・0%を上回った。
 共同通信が昨年5月に行った世論調査では「移設作業を停止する」が49・6%と、「作業を進める」の37・2%を大きく上回っていた。逆転の背景には、宜野湾市長選で政府が支持した佐喜真淳氏の当選があろう。
 だが佐喜真氏は選挙戦で、辺野古移設の賛否については徹底して言及を避けた。佐喜真氏が述べたのは「普天間の固定化は許されない」ということに尽きる。だから宜野湾市民が辺野古新基地建設を求めたと見るのは大きな誤解だ。
 (中略)
 こうした誤解が広がったのも政治家の言動が影響していよう。菅義偉官房長官は選挙後、「オール沖縄という形で沖縄の人が全て(辺野古移設に)反対のようだったが、言葉が実態と大きく懸け離れている」と述べた。さも移設賛成が多いかのような言いぶりだが、露骨な「民意のつまみ食い」である。
 まして島尻安伊子沖縄担当相が「辺野古移設に反対する声に勝った」と述べたのは許されない。誤解の方向へ国民を意図的に誘導するかのような発言だ。
 政治家は民意を尊重するのが仕事だ。誤解があるならそれを解くのが仕事のはずである。沖縄担当相ならなおさらだ。それが意図的に誤解へ誘導したのならもってのほかである。

 官房長官は内閣のスポークスマンであり、記者会見での発言はすべて報道されるべきです。閣僚である沖縄担当相の発言も同様です。一方で、報じるマスメディアの側も注意した方がいいと思うのは、政府と沖縄県が現在、「辺野古移設」をめぐり法廷で対決していることです。政府と沖縄県は紛争の当事者です。そうした場合、一方の主張ばかりを報じるのではなく、双方の主張を報じる必要があります。沖縄からの報道がとりわけ重要だろうと思います。