「非希望」の動き拡大、「衆院選 三極化」(東京新聞)

 10月10日公示の衆院選に向けて、野党では様々に動きが続いています。

 小池百合子・東京都知事は、自らが代表の「希望の党」への民進党の候補の公認申請について、小池氏が民進党の全員を受け入れることは「さらさらない」「排除しないではなくて排除します」と主張しました。民進党の前原誠司代表の「安倍政権を倒すためにみんなで『希望の党』に行く」との説明とあまりに乖離があり、どうなることかと思っていましたが、9月30日には、憲法改正や安全保障法に反対する前職議員らから、希望の党へは行かない、とする動きが広がってきたと報じられています。新党を模索する動きもあるようです。もともと自民党・安倍政治に対抗する民進、共産、自由、社民の4党協力態勢がありましたので、「非希望」の民進系候補が共産党、社民党との共闘に向かうのは自然な流れだろうと思います。

 一方で、小池都知事は30日、日本維新の会代表の松井一郎大阪府知事と会談し、選挙協力で合意。東京と大阪で、希望の党と日本維新の会がすみわけを図ることとなりました。会談には大村秀章愛知県知事も加わり、終了後には3者合同で記者会見を行い、脱原発や、地方自治を定めた憲法第8章の改正などを掲げた共通政策を発表しました。

 全体状況を俯瞰すれば、自民党、公明党に対抗して、野党側では二つの動きが明確になりつつあるように感じます。一つは希望の党が民進党の中の保守系候補を取り込むとともに日本維新の会と連携する動きであり、もう一つは共産党、社民党に「非希望」の民進系候補が合流する動きです。後者はこのブログの前回の記事で、仮に「第3極」と呼びました。

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 ここでは、10月1日付朝刊の東京新聞の記事を引用、紹介します。全体状況をコンパクトに俯瞰できると思います。

※東京新聞「衆院選 三極化 自・公 vs 希望・維新 vs 共・社・無所属」2017年10月1日 

 民進党内で三十日、「希望の党」に合流せず、十月二十二日の衆院選に無所属で立候補する動きが広がった。改憲や安全保障関連法に反対するリベラル系が、希望の党の政策や選別手法に反発。共産、社民両党と連携する可能性が出てきた。一方、希望と日本維新の会は選挙協力することで合意した。それぞれの地盤である東京都と大阪府で、互いに小選挙区候補を立てず競合を避ける。自民、公明両党に対抗するため手を組んだ希望と維新グループに加え、共産、社民両党に無所属候補などを加えたリベラル勢力が争う三極構図が鮮明になった。 

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 ここまでの希望の党の運営を見ていると、政策も候補の人選も、すべては小池百合子氏の意向次第のようです。前回の記事でも書きましたが、自民党と希望の党では、小池百合子氏が民進系候補の「ふるい分け」の基準として強調する憲法改正、安全保障を始めとして政策は通底している部分が多いように感じます。自民党と希望の党が、政策面の違いで互いに政権交代が可能という意味での2大政党足りうるかどうかは、なおよく分からず、慎重に見ていく必要があるだろうと思います。有権者の選択肢という意味では、明確になりつつある「共産・社民・『非希望』の民進系」の「第3極」の存在がいよいよ重要だろうと思います。

 それにしても、民進党候補者の希望の党公認を巡る前原誠司氏と小池百合子氏の主張の乖離はどうしたことでしょうか。どちらかが事前の合意を反故にしたのか、当初から両者の間に合意はなかったのか。小池氏が一存で日本維新の会の松井一郎氏と、東京、大阪のすみわけを決めたことは、大阪の小選挙区での立候補を予定している民進党の候補予定者にとっては、容易には受け入れがたいことでしょう。

 ここまでの経過を見ていると、希望の党のルールブックは小池氏そのものであるように思えます。どの言葉を使うかは慎重に考えなければなりませんが、今後組織内の不満が高まるようなら、小池氏の党運営は「独裁的」ということにもなりかねません。