安倍晋三内閣「不支持」が「支持」上回る、小池百合子代表「希望の党」勢い限定~世論調査結果から

 10月10日公示、22日投開票の衆院選を巡って、民進党の枝野幸男・代表代行が10月2日、小池百合子・東京都知事が代表の「希望の党」には行かない民進党の候補予定者の受け皿になる新党「立憲民主党」の結成を発表しました。共産党、社民党との連携を図るとみられ、これにより選挙戦は「自民・公明」「希望・維新」「共産・社民プラス立憲民主ら『非希望』の民進」の3極構造がいよいよ鮮明になりました。

 衆院解散を控えていた9月23、24日の週末以降、マスメディア各社の世論調査が相次いで実施されていますが、「自民VS希望」の政権選択型の衆院選との当初の想定は、修正が必要になると思われます。ただ、現在までに報じられた調査結果を見ても、安倍晋三内閣の支持率は下落し、不支持率と逆転する傾向にあり、安倍首相による今回の衆院解散に世論は厳しい目を向けていることがうかがわれます。一方で、「希望の党」と小池百合子氏には一定の期待が掛かってはいるものの、自民党を凌駕するほどの勢いは見られないようです。共同通信が9月30日~10月1日実施の調査で、次期首相として安倍晋三氏と小池百合子氏のどちらがふさわしいかを尋ねたところ、安倍氏45・9%、小池氏33・0%でした。

 今後の調査は、選挙の3極構造が明確になった中で行われ、これまでの調査から状況が変わります。これまでの調査結果は、そのことを踏まえた限りですが、参考になるデータだろうと思います。

 各調査の結果のうち、内閣支持率と、衆院選での比例代表の投票先を聞いた結果や、ほかに特徴的と思われる主な項目を書きとめておきます。

【内閣支持率】
・共同通信 9月23~24日  ※第1回トレンド調査
 「支持」45・0% 「不支持」41・3%
・朝日新聞 9月26~27日
 「支持」36%=前回(9月9~10日)比2ポイント(P)減 「不支持」39%=同1P増
・毎日新聞 9月26~27日
 「支持」36%=前回(9月2~3日)比3P減 「不支持」42%=同6P増 「関心がない」19%=同3P増
・読売新聞 9月28~29日
 「支持」43%=前回(9月8~10日)比7P減 「不支持」46%=同7P増
・共同通信 9月30日~10月1日 ※第2回トレンド調査
 「支持」40・6%=前回比4・4P減 「不支持」46・2%=同4・9P増
・ANN(テレビ朝日系列) 9月30日~10月1日
 「支持」36・9%=前回(9月16~17日)比4・4P減 「不支持」46・3%=同6・7P増

 

【衆院選・比例代表の投票先】単位は%
・共同通信・第1回トレンド調査
  自民党27・0 民進党8・0 公明党4・6 共産党3・5 日本維新の会2・2 社民党0・3 自由党0・1 日本のこころ0・1 小池氏の側近らが結成する新党6・2 「決めていない」42・2
・朝日新聞
  自民党32 民進党8 公明党6 共産党5 日本維新の会3 自由党1 社民党2 日本のこころ0 希望13 「答えない・分からない」29
・毎日新聞
  自民党29 民進党8 公明党5 共産党5 日本維新の会3 希望の党18 自由党1 社民党0 日本のこころ0 その他16
・読売新聞
  自民党34 公明党6 共産党5 日本維新の会2 希望の党19 自由党1 社民党1 日本のこころ0 「決めていない」25
・共同通信・第2回トレンド調査
  自民党24・1 公明党4・9、共産党4・9、日本維新の会2・4、自由党0・3、社民党0・1、日本のこころ0・4 希望の党14・8 「決めていない」42・8
・ANN
  自民党29 公明党6 共産党6 日本維新の会2 希望の党14 社民党1 自由党1 「わからない・答えない」39

 

【その他】
▼朝日新聞調査
・「この時期の解散・総選挙に」
  賛成21% 反対57%
・「首相がいつでも解散できる今のあり方について」
  今のままでよい31% 制限した方がよい54%
・「安倍首相は憲法9条に自衛隊を明記することを提案。このような改正の必要は」
  必要がある39% 必要はない45%

▼毎日新聞調査
・「首相の解散判断について」
  評価する26% 評価しない64%
・「衆院選で与野党どちらの議席が増えた方がよいか」
  与党34% 野党49%
・「衆院選後、国会で憲法改正の議論を進めるべきだと考えるか」
  進めるべきだ50% 進んる必要はない35%

▼読売新聞調査
・「今の時期に衆院を解散したことを」
  評価する22% 評価しない65%
・「安倍首相は、憲法第9条について、戦争の放棄や戦力を持たないことなどを定めた今の条文は変えずに、自衛隊の存在を明記する条文を追加したい考えです。この考えに賛成ですか、反対ですか」※原文のまま
  賛成47% 反対41%
・「東京都の小池知事が希望の党の代表に就任したことについて、あなたの考えに近いものを一つ」
  「今のまま、希望の党の代表と都知事の兼務を続けるべきだ」21%
  「都知事を辞職して、衆院選に立候補すべきだ」12%
  「都知事の仕事に専念すべきだ」62%

▼共同通信第2回トレンド調査
・「次期首相として安倍晋三首相(自民党総裁)と小池氏のどちらがふさわしいか」
  安倍氏45・9% 小池氏33・0% 分からない・無回答21・1%
・「望ましい選挙結果について」
  「与党が野党を上回る」27・4%=前回より5・0ポイント減 「与野党が逆転する」16・9%=前回より倍増 「与野党勢力が伯仲する」48・6%=ほぼ横ばい
・「前原誠司民進党代表による希望の党への合流決定について」
  評価しない62・3% 評価する28・1%
・「安倍首相の下での憲法改正に」
  賛成34・0% 反対53・4%
 ※共同通信の「トレンド調査」とは、出稿記事によると「選挙戦の一定期間に、有権者の選挙への関心度や政党支持がどう変わるのかなど、衆院選に対する意識の変化を探るのが目的。基本質問は同じ内容で、連続3回の全国電話世論調査を実施して分析する。各回で調査の対象者は異なる」ということのようです。毎月の定例の電話世論調査とは区別されています。

▼ANN調査
・「北朝鮮のミサイル、核兵器問題について、いずれ話し合いによって平和は保たれる可能性と、折り合いが付かずに東アジアでの戦争に行きつく可能性と、どちらの可能性が高いと考えるか」
  平和は保たれる49% 戦争に行きつく31%

※追記 2017年10月3日6時45分

 ANN調査の北朝鮮ミサイル、核兵器問題を巡る質問に対して、「戦争に行き着く」との回答が31%、つまり3分の1近くに上ったことは驚きです。ただ、「戦争」という言葉にどんなイメージを持っているのか、リアリティをどこまで伴っての回答なのか、疑問も浮かびます。