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組織ジャーナリズムに身を置き40年余

最大の争点は「安倍政治」

 衆院選の公示翌日、10月11日付の東京発行の新聞各紙朝刊の記録です。各紙ともおおむね、衆院選が1面トップでした。10日は午後、東京電力福島第1原発事故の被災者が損害賠償を求めた訴訟で、福島地裁が国と東電の責任を認定して賠償を命じる画期的な判決がありました。東京新聞はこの判決を1面トップに据えました。

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 衆院選公示の記事では、各紙とも本記の見出しに入っているキーワードは前日10日の夕刊と同じく「安倍政権・安倍政治」「3極」「憲法」「9条」「消費税」「原発」「森友・加計」といったところです。産経新聞の「北有事」はほかの紙面にはない特徴でしょうか。結局、希望の党の代表で東京都知事の小池百合子氏は衆院選に立候補せず、希望の党の首相候補も明示しないとあって、「政権選択」は各紙とも見出しから消えました。最大の争点は5年近くの「安倍政治」です。

 12日付朝刊では、これまでの選挙と同じように、各紙とも一斉に選挙戦序盤の情勢を報じます。11日深夜から既に各紙とも自社サイトに記事のアップを始めています。希望の党は追い風がなく伸び悩み、自民党が堅調のようです。

※朝日新聞「自民堅調、希望伸びず立憲に勢い」

www.asahi.com

※読売新聞「自民、単独過半数の勢い」

www.yomiuri.co.jp

※日経新聞「与党300議席に迫る勢い 衆院選序盤情勢 /自民、単独安定多数も 希望は選挙区で苦戦」

www.nikkei.com

 ただ、投票先を決めていない人も少なくなく、短期間で情勢は変わる可能性もあります。

 11日付朝刊では各紙とも、この選挙の意義などを社説や編集幹部の署名評論で示しています。見出しを書きとめておきます。

▼朝日新聞
社説「衆院選 安倍政権への審判 民意こそ、政治を動かす」/『1強政治』こそ争点/一票が生む緊張感/無関心が政権支える
「『闇鍋』では任せられない」中村史郎・ゼネラルエディター

▼毎日新聞
社説「日本の岐路 衆院選がスタート 『よりまし』を問う12日間」最大の争点「アベ政治」/希望はあいまいさ排せ
「地道な政治への一歩に」佐藤千矢子・政治部長

▼読売新聞
社説「衆院選公示 安倍政権の『信任』が問われる」
「難題の4年 誰に託す」望月公一・編集委員

▼日経新聞
社説「17衆院選 次世代に責任ある経済政策論議を」増税見送りは無責任/成長戦略も議論深めよ
「問われるのは日本のあすだ」芹川洋一・論説主幹

▼産経新聞
社説(「主張」)「衆院選公示 複数の選択肢ないままか」
「迫る危機 問われる覚悟」石橋文登・編集局次長兼政治部長

▼東京新聞
社説「17衆院選 公示第一声 原発なぜ語らないのか」(中日新聞と共通)