与党の議席「多すぎる」51%(朝日調査)、「野党がもっと議席を」47%(読売調査)~民意は議席数ほどには安倍政権に期待していない

 衆院選の結果に対して朝日新聞と読売新聞がそれぞれ10月23、24日に実施した世論調査の結果が報じられています。
 読売新聞は与党3分2超の結果はよかったか、よくなかったかと2択で問い、次いで与野党の議席数について、どうなっていればよかったかを聞いています。朝日新聞は与党の議席について、多すぎる、ちょうどよい、少なすぎるの3択で尋ねています。
  結果は以下の通りです。
▼読売
 選挙結果:「よかった」48%、「よくなかった」36%
 議席:「野党がもっと議席を取った方がよかった」47%、「ちょうどよい」38%、「与党がもっと議席を取った方がよかった」9%
▼朝日
 与党の議席:「多すぎる」51%、「ちょうどよい」32%、「少なすぎる」3%
 読売新聞の2択の質問は、前置きを「与党3分の2超」だけではなく、例えば「立憲民主党が野党第1党」とか「公明党が議席減」を加えたりしただけでも数値が変わるのでは、という気もします。

 内閣支持率は以下の通りです。
▼朝日
 「支持」42%(17、18日の前回比4ポイント増)
 「不支持」39%(同1ポイント減)
▼読売
 「支持」52%(7、8日の前回比11ポイント増)
 「不支持」37%(同9ポイント減)
  内閣支持率は、明確に答えなかった人に重ね聞きする(「どちらかと言えば」の回答を迫るようなものです)かどうかでも大きく変わってきます。読売新聞の聞き方はよく分かりませんが、日経新聞は重ね聞きしていることを紙面で明らかにしたことがあります。読売新聞は他紙の調査結果との比較では、いつも高めに出る傾向がみられます。

 ほかに興味深い点は、自民党が単独で過半数を大きく超える議席を獲得した理由を尋ねた質問です。読売新聞の調査は四つの選択肢があり、回答は「民進党の分裂で野党候補者が乱立した」44%、「ほかの政党よりもましだと思われた」36%、「与党としての実績が評価された」10%、「安倍首相への期待が高かった」6%―でした。
 朝日新聞の調査では、安倍首相の政策が評価されたからだと思うかどうかを聞いています。結果は「政策が評価されたから」26%、「そうは思わない」65%でした。朝日新聞はさらに、安倍氏に今後も首相を続けてほしいか、安倍首相が進める政策に期待と不安とどちらが大きいかを尋ねています。結果は、「(首相を)続けてほしい」37%(前回比3ポイント増)、「そうは思わない」47%(同4ポイント減)であり、後者は「期待」が20%、「不安」54%でした。

 政党支持率も主な政党分を書きとめておきます。選挙戦を通じて無党派層が減り、自民と立憲民主の支持が伸びています。
▼朝日 ※かっこ内は前回
 自民39(32)%、立憲民主17(7)%、希望3(6)%、公明4(4)%、共産3(3)%、維新2(2)%、社民(1)1%、民進0(1)%、支持する政党はない21(27)%
▼読売
 自民43(33)%、立憲民主14(4)%、希望5(8)%、公明4(3)%、共産3(3)%、維新2(1)%、社民(1)0%、民進1(1)%、支持する政党はない24(38)%

 総じて感じるのは、やはり自民党が得た議席数の圧倒ぶりほどには、民意には「安倍政治」への期待や支持はない、ということです。選挙結果と民意にはズレがあると感じます。国会の議席数では盤石の基盤を持つ安倍晋三政権ではあっても、「世論の支持」という意味では、いつまた夏の都議選の時のような民意の離反が起きるか分からない、起きても不思議ではない状況が続くとみていいように思います。
 以前の「安倍1強」は、政治手法で強引なことをやっても、まもなく支持率はV字回復することが強みでした。衆院選を経て、見かけは「1強」が続きますが、その「強さ」はどうでしょうか。