先行きの不透明感を強調―元日付の東京発行各紙

 新年最初の朝刊です。東京発行の各紙(朝日、毎日、読売、日経、産経、東京)は、おおむね穏やかな紙面でした。
 1面トップにストレートニュースを据えたのは読売新聞と産経新聞です。朝日新聞毎日新聞日経新聞東京新聞は連載企画や特集記事です。
 以前は元日付けの1面トップと言えば、生ニュースの特ダネを各紙が競っていました。わたしの記憶ではっきりしているのは、例えばバブル経済が弾けた後のころのことです。国税庁が多額の脱税を摘発したり、東京地検特捜部などの捜査当局が大型の経済犯罪、企業犯罪を摘発し、その裏資金の流れから捜査が政界に迫るというような展開がありました。そうしたころの年末年始の紙面では、年明け後に展開される捜査の大きな動きを、元日紙面にズバリと書く「前打ち」が大きなスペースを占めていました。昭和から平成になって、最初の数年のころのことです。
 今は、元日付けの1面トップには、大型の連載企画の初回や大型の特集記事が載ることが多くなっています。テーマは何であれ、「今」という時代の特徴を大づかみにとらえて示し、1年の始まりに当たって読者にじっくりと読んでもらう、という狙いです。
 今年はまもなく、米国でトランプ大統領が誕生します。各紙の1面企画ものにも社説にも、先行きの不透明感を強調するトーンが目立ちます。

 備忘を兼ねて、東京発行の各紙の1面トップと社説の見出しを書きとめておきます。
▼1面トップ
・朝日「試される民主主義」:我々はどこから来てどこへ向かうのか vol.1民主主義
・毎日「多文化主義の危機/『白人優越』タブー正当化/米、移民流入で生活不安」:現場報告 トランプと世界
・読売「中国 海底に命名攻勢/日本のEEZ周辺/申請50件 権益拡大図る」
・日経「『当たり前』もうない/逆境を成長の起点に/30兆円覚醒 私たちの手で」:断絶Disruptionを超えて1
・産経「小池知事、都議選に30人超/自民へ“刺客”新党準備」
・東京「対話は力、強きをくじく/『恐れ』抱く人々 抱きしめる時」/トランプ氏に侮辱された米兵遺族のイスラム教徒:包容社会 分断を超えて(上)

▼社説
・朝日「憲法70年の年明けに 『立憲』の理念をより深く」/人々の暮らしの中で/民主主義をも疑う/主要国共通の課題
・毎日「歴史の転機 日本の針路は 世界とつながってこそ」/資本と民主主義の衝突/持続可能な国内対策を
・読売「反グローバリズムの拡大防げ トランプ外交への対応が必要だ」/米露中の関係どう変化/同盟の意義確認したい/勢い増すポピュリズム自由貿易で成長復活を
・日経「揺れる世界と日本? 自由主義の旗守り、活力取り戻せ」/円安・株高に甘えない/若手を前面に押し出す
・産経「自ら日本の活路を開こう」/維新150年に覚悟を/五輪の準備加速へ ※「年のはじめに」石井聡論説委員
・東京・中日「日本の平和主義 不戦を誇る国であれ」年のはじめに考える/ただの戦争嫌いでなく/武力によらない平和を