1月21、22日に毎日新聞社が実施した世論調査の結果が報じられています。
安倍晋三内閣の支持率は、昨年12月の前回調査から4ポイント増の55%、不支持は4ポイント減の28%でした。前回調査に比べて5ポイント前後の支持率アップは、年明け後の他メディアの世論調査とも一致する傾向です。やはり、昨年末に安倍首相が米ハワイ真珠湾を訪問し、オバマ前大統領とともに慰霊を行ったこと、続くスピーチで「和解の力」を訴えたことなどが、支持率上昇につながったのではないかと思います。ちなみに男性に限れば、支持率は62%に上るとのことです。
一方で毎日新聞の調査では、米国で20日午後(日本時間21日未明)にドナルド・トランプ氏が大統領に就任したことを受けて、今後の日米関係について尋ねたところ、「今より悪くなる」が56%を占めました。安倍晋三首相はトランプ政権に対しても「日米同盟」の維持強化を期待し、なおTPP(環太平洋連携協定)の有用性を説得する方針のようですが、トランプ大統領は安全保障面では日本への態度をはっきり示しておらず、通商面では中国やメキシコと並べて批判の対象にしています。対米関係が今後の安倍内閣の支持率に大きく影響する可能性はないでしょうか。ただ、安倍政権の代わりの政権の受け皿は見当たらず、結局は安倍政権に期待が掛かる、という結果になるのかもしれません。
※今年に入っての内閣支持率の推移はこちらにまとめています。
http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20170111/1484063382
以下に、毎日新聞の調査結果をいくつか、備忘を兼ねて書きとめておきます。
▼トランプ政権の下での日米関係は
「今より良くなる」 5%
「今より悪くなる」56%
「変わらない」 29%
▼日本でも既存の政治ではない新しい政治や指導者が出てくることを期待しますか
「期待する」 51%
「期待しない」41%
▼慰安婦を象徴する少女像が韓国・釜山の日本総領事館前に設置されました。日本政府が対抗措置として韓国に駐在する大使らを一時帰国させたことについて
「支持する」 74%
「支持しない」17%
▼今の憲法は今年5月に施行から70年。国会での憲法改正の論議について
「議論を急ぐべきだ」 35%
「議論を急ぐ必要はない」56%
▼政府は組織的な犯罪集団が犯罪を実行しなくても準備した段階で罪に問える「テロ等準備罪」を設ける法案を今の国会に提出する方針です。テロなどの組織的犯罪を防ぐ目的ですが、捜査当局による人権侵害につながるとの指摘もあります。あなたはこの法案に賛成ですか、反対ですか(※質問原文のまま)
賛成 53%
反対 30%
▼今の皇室制度には天皇が存命のうちに退位できる規定はありません。政府はどのように対応すべきと考えますか
「今の陛下に限り退位できるようにすべきだ」 22%
「将来の天皇も退位できるように制度を変えるべきだ」65%
「退位を認めるべきではない」 4%
毎日新聞は日米関係の回答状況など記事2本を出稿しています。
※「『日米関係』今より悪くなる」
http://mainichi.jp/articles/20170123/k00/00m/010/034000c
※「改憲議論『急ぐ必要はない』56%」
http://mainichi.jp/articles/20170123/k00/00m/010/065000c
【追記】2017年1月26日22時10分
1月20〜22日に日本テレビ系のNNNが実施した世論調査の結果も報じられています。
http://www.ntv.co.jp/yoron/201701/index.html
主な項目を書きとめておきます。
▼内閣支持率
「支持」57・2%(8・4P増)
「不支持」28・9%(5・8P減)
▼天皇が退位ができるようにする制度について
「将来にわたって退位を認めるように改正した方がよい」69・8%
「今回一代に限った制度をつくることがよい」20・9%
「退位できる制度を作る必要はない」6・1%
▼安倍総理のハワイ・真珠湾訪問と演説について
「評価する」76・9%
「評価しない」16・0%
▼安倍総理とともに真珠湾を訪問した稲田朋美防衛大臣の、訪問翌日の靖国神社参拝について
「評価する」40・5%
「評価しない」43・4%
▼米国のドナルド・トランプ大統領の誕生は、日本に、良い影響を与えると思うか
「思う」11・0%
「思わない」68・6%
▼韓国釜山市の日本総領事館前に従軍慰安婦を象徴する少女像が置かれたことに対して、安倍内閣は大使らを一時帰国させたほか、経済協力の協議を延期した。安倍内閣の対応について
「もっと厳しい対応をとった方がよい」42・1%
「適切な対応だ」39・9%
「もっと穏便な対応にとどめた方がよい」13・2%