唐突感があった「南スーダンPKO撤収へ」のニュース〜韓国大統領罷免、森友学園、大震災6年の在京紙の取り上げ方

 3月10日は大きなニュースが多い日でした。翌11日付の新聞朝刊を想定して考えると、まず東日本大震災東京電力福島第1原発事故から6年の当日になります。いまだ2500人以上の方々の行方が分からないままであり、12万人もの方々が避難生活が続いている中で、「きょう6年」は社会で共有したい「時間の節目」だと思います。
 一方で、この日に起きたナマ(生)の動きのニュースでは、午前中に韓国で朴槿恵大統領の罷免が決まり、日本では午後、国会でも取り上げられている大阪の森友学園の小学校開設をめぐる問題で、森友学園が小学校の認可申請を取り下げました。夕方には、南スーダンPKOからの自衛隊部隊の撤収を政府が発表しました。
 韓国は大統領選に入ることとなり、その行方は日韓関係や、北朝鮮朝鮮半島、北東アジアをめぐる国際情勢に大きな影響を与えます。森友学園の問題は、国有地の払い下げをめぐって「疑惑」と呼んでもいい疑問点があり、その学校法人の教育方針を安倍晋三首相の昭恵夫人が称賛していたことなどから、首相夫人の公人・私人論議も起きています。「教育勅語」を巡り、その精神を「取り戻すべきだ」と積極的に評価した稲田朋美防衛相の国会発言も大きな問題だと感じています。南スーダンPKOは、安全保障法制に基づいて派遣部隊に駆け付け警護任務が初めて付与され、自衛隊が創設以来初めて実地に武器を行使する可能性が出ていました。こうした点を考慮すれば、絶対的なニュースバリューとしては、どのニュースが1面トップでも不思議ではなく、新聞をつくる側にとっては、限られた紙面で何の記事、写真をどう組み合わせて伝えるかが問われた日ではなかったかと思います。
 11日付の東京発行の6紙朝刊の1面は、下の写真の通りでした。1面トップはPKO撤収が多数派でした。唐突感、つまり、この時期に撤収を政府が決めるとは事前には予想できなかったという意味で驚きがあったニュースだからではないかと思います。ちなみに、四国在住の知人によると、四国4県それぞれの地方紙4紙では、徳島新聞愛媛新聞高知新聞の3紙はPKO撤収が1面トップ、香川県を発行エリアとする四国新聞は韓国の大統領罷免とのことです。

 新聞は「価値付け」のマスメディアであり、1面にはその新聞社がその日重要と判断したニュースが並びます。その中で最も重要と判断したニュースがトップです。新聞はまた、地方紙に限らず全国紙であっても地域特性を反映するメディアです。全国紙にも東京発行の紙面や大阪発行の紙面では違いがあります。地域が異なれば、ニュースの重要度の判断が異なることもあります。
 ここでは、東京発行各紙が1面にどんな記事を収容したか、見出しを書きとめておきます。二つ折りの写真では分かりにくい扱いもあります。

朝日新聞
南スーダン 陸自撤収へ」「PKO部隊 5月末に」
「朴大統領 失職」「民主化後初の罷免」
「森友、小学校申請取り下げ」「理事長辞意 国、土地買戻しへ」
東日本大震災 きょう6年」※写真中心の囲み記事

毎日新聞
南スーダン陸自撤収」「政府一転、5月末」
「6年 なお避難12万人」「東日本大震災
「5月大統領選有力」「朴大統領罷免 反発市民と警官衝突」

【読売新聞】
南スーダン陸自撤収」「PKO施設部隊5月めど」
「朴氏『重大な違憲』」「韓国大統領 初の罷免」
「井山棋聖5連覇」※第41期棋聖戦七番勝負・読売新聞社主催

日経新聞
「民心、司法動かす」「独自の成長モデルゆがむ」※韓国大統領罷免
南スーダンPKO撤収」「政府 派遣5年、5月末終了」
「『対日交渉は優先案件』」「米国務長官 通商協議に意欲」
東日本大震災きょう6年」「避難なお12万人」

産経新聞
南スーダンPKO撤収」「5月末 派遣5年、首相『区切り』」
「朴大統領 罷免」「全裁判官『違憲』5月9日選挙有力」
「『森友小』の申請撤回」「国会招致応ぜず 理事長退任へ」
「遺体 金正男氏と断定」「マレーシア警察 北の主張退ける」
東日本大震災6年」

東京新聞
「苦しみの根源ここに」※「福島第一原発2号機炉内の推定図」。最終面に詳報
南スーダンPKO撤収へ」「政府発表 治安悪化は否定」