7―3ポイント下落するもなお50%前後、安倍内閣の支持率(前週の調査4件)

 3月10〜12日にNHKが実施した世論調査と、11〜12日に朝日新聞毎日新聞共同通信が実施した3件の世論調査の結果がそれぞれ報じられています。1週間前の調査ですが、記録と備忘を兼ねて書きとめておきます。
 安倍晋三内閣の支持率は以下の通りです。

内閣支持率
・NHK 「支持」51%(前月比7ポイント減) 「不支持」31%(同8ポイント増)
朝日新聞 「支持」49%(3P減) 「不支持」28%(3P増)
毎日新聞 「支持」50%(5P減) 「不支持」31%(4P増) 「関心がない」17%(2P増)
共同通信 「支持」55・7%(6・0P減) 「不支持」30・7%(3・5P増)


 支持率はいずれの調査結果でも前回から下がりました。下落幅は最大で7ポイント。裏返しで不支持率は上昇し、最大で8ポイント上がりました。大阪府豊中市の国有地払い下げに端を発した学校法人「森友学園」の問題が影響しているのは間違いがないでしょう。ただ、下がったとはいえ、支持率はまだおおむね50%を維持しています。これこそが「自民1強」の中の「安倍1強」、つまり安倍氏にとって代われる首相候補が存在せず、多少のことはあっても安倍氏が支持され続ける現状を如実に表していると思います。
 この調査期間後には、森友学園を巡って新たな事態も起きています。森友学園の訴訟に弁護士として関与したことはないと稲田朋美防衛相が国会で言い切った翌日、実際には森友学園の代理人として出廷した大阪地裁の記録が存在することが報道で明るみに出たり、さらには森友学園籠池泰典理事長が、安倍首相から主学校開設へ100万円の寄付を受けたと言い出したりしました。また、南スーダンPKO派遣の陸上自衛隊部隊の日報が陸自には残っていないとされていたのに、実は残っていて隠蔽されていたことも報道で明らかになり、稲田氏はこの問題でも防衛相としての資質を問われています。これらの状況を踏まえた内閣支持率はどうなっているでしょうか。


 森友学園の問題を巡る各調査の主な結果も書きとめておきます。

・NHK:大阪・豊中市の国有地が学校法人「森友学園」に鑑定価格より低く売却されていたことについて、ごみの撤去費用を差し引いたものだという国の説明に納得できるか
  「大いに納得できる」2%、「ある程度納得できる」10%、「あまり納得できない」31%、「全く納得できない」49%→「納得できない」80% 「納得できない」12%

朝日新聞:「森友学園」に売却された国有地の評価額は約9億円。国がごみの撤去費用などとして役8億円を差し引き、約1億円で売却した。このような取引は妥当と思うか
  「妥当だ」6% 「妥当ではない」81%
朝日新聞安倍内閣は国有地売却について、法令に基づき、適正に処理されたと説明している。この説明に納得できるか
  「納得できる」12% 「納得できない」71%

毎日新聞:「森友学園」が国有地を格安で取得したことが問題になっている。政府のこれまでの説明に納得しているか
  「納得している」8% 「納得していない」75%
毎日新聞:安倍首相の妻昭恵さんは、森友学園が開設を予定している小学校の「名誉校長」を引き受け、後に辞退した。どう思うか
  「辞退したので問題はない」23% 「辞退したが問題は残る」58% 「辞退する必要はなかった」3%

共同通信:「森友学園」に国有地が土地評価額の14%で払い下げられたことが明らかになった。この払い下げが適切だったと思うか
  「適切だと思う」6・6% 「適切だと思わない」86・5%
共同通信:政府が払い下げの経緯などについて、十分に説明していると思うか
  「説明していると思う」5・2% 「説明していると思わない」87・6%
共同通信:安倍首相の昭恵夫人が、この学園が新設する小学校の名誉校長に就任したが辞任した。首相は国会で国有地払い下げについて関与を否定し「私や妻、事務所が関わっていれば、首相も議員も辞める」としている。学園との関係に関する首相の説明に納得できるか
  「納得できる」30・8% 「納得できない」58・3%


 森友学園の籠池理事長が、安倍氏から寄付があったと主張してから、それまで籠池氏の国会招致に消極的だった自民党も一転し、籠池氏の衆参両院での証人喚問が決まりました。この寄付問題は結局は籠池氏と安倍氏の間で「寄付を受けた」「寄付はしていない」の言い分の食い違いは続くのではないかと思います。その以前に、上記の世論調査結果に明らかなように、豊中市の国有地の払い下げそのものに、世論は大きな不信を抱き、政府、政権の説明に納得していません。この土地を巡って何があったのかも、国会の籠池氏の証人喚問では大きな焦点になります。


 世論調査のそのほかの項目もいくつか書きとめておきます。共謀罪を巡っては、共同通信の調査では前回と賛否が逆転しましたが、質問文も変わっているようです。以下はいずれも質問文を原文のまま引用します。
共謀罪
共同通信:「政府は犯行を計画段階で処罰する共謀罪の構成要件を変えた組織犯罪処罰法改正案を今国会で成立させる方針です。政府はテロ対策に不可欠としていますが、人権が侵害されかねないとの懸念もでています。あなたは、この法改正に賛成ですか、反対ですか。」
  「賛成」33・0% 「反対」45・5%

教育勅語
共同通信:「稲田朋美防衛相が、戦前の教育の基本理念を示した教育勅語に関し『精神を取り戻すべきだ』と国会で答弁しました。教育勅語は、軍国主義教育と結び付き、衆参両院は1948年、排除や失効を決議しています。あなたは、稲田氏の答弁が防衛相としてふさわしいと思いますか。」
  「ふさわしいと思う」12・4% 「ふさわしくないと思う」71・8%

自民党総裁任期
共同通信:「自民党は、党総裁任期を『連続3期9年まで』に改正し、安倍首相が2018年秋以降、党総裁として3期目を務めることが可能となりました。あなたは、安倍首相が党総裁を3期務めることをどう思いますか。
  「望ましい」45・2% 「望ましくない」44・4%

原発再稼働
毎日新聞:「国内の原子力発電所の再稼働が進んでいます。あなたは原発の再稼働に賛成ですか、反対ですか」
  「賛成」26% 「反対」55% 

朝日新聞:「民進党蓮舫代表は、今月の党大会で原発の稼働を2030年にゼロにする目標を表明する方針でしたが、民進党を支持している労働組合などの反発を受け、表明を取りやめることにしました。この方針の変更を評価しますか」
  「評価する」25% 「評価しない」50%


※その他
 朝日新聞世論調査は、固定電話のほか携帯電話も対象にしています。同紙の「調査の方法」によると、コンピューターで無作為に抽出した固定電話と携帯電話の番号に調査員が電話をかけるRDD方式で、全国の有権者を対象に実施。固定は福島県の一部を除いています。固定では、有権者がいる世帯と判明した番号は1669件、有効回答828人、回答率は50%。携帯は、有権者につながった番号は2188件、有効回答1021件、回答率47%とのことです。