憲法改正の機運は高まっていない~「安倍晋三首相の下で改憲」なお半数が反対(共同調査)

 読売新聞と共同通信がそれぞれ2月10、11日に実施した世論調査の結果が報じられています。両社とも憲法改正について質問しており、結果は次の通りです。

▼読売新聞
・憲法に自衛隊の存在を明記することについて、自民党は、戦力を持たないことを定めた9条2項を維持する案と、削除する案を検討しています。あなたの考えに最も近いものを、1つ選んでください。
  9条2項を維持し、自衛隊の根拠規定を追加する 36%
  9条2項は削除し、自衛隊の目的や性格を明確にする 35%
  自衛隊の存在を憲法に明記する必要はない 20%
・自民党が憲法改正案を国会に提出する時期は、いつがよいと思いますか。
  次の通常国会 19%
  今年後半の臨時国会 14%
  来年 14%
  再来年以降 10%
  憲法改正案を提出する必要はない 27%

▼共同通信
・あなたは、安倍首相の下での憲法改正に賛成ですか、反対ですか。           
  賛成 38・5%
  反対 49・9%
・自民党は、憲法に自衛隊の存在を明記する憲法改正を目指しています。自民党内では、戦力を持たないことを定めた憲法9条の2項を維持したまま自衛隊を明記する案と、2項を削除した上で、自衛隊の目的・性格を明確にする案の二つが検討されています。あなたは憲法9条改正についてどう思いますか。
  9条2項を維持し、自衛隊を明記すべきだ 38・3%
  9条2項を削除した上で、自衛隊の目的・性格を明確化すべきだ 26・0%
  自衛隊の存在を明記する憲法改正は必要ない 24・9%

 9条改正については2社の質問の選択肢はほぼ同じで、安倍晋三首相が主張する2項維持のまま自衛隊を明記する案に賛成は読売36%、共同38・3%と結果もほぼ同じになりましたが、2項削除案に賛成は読売35%に対し共同26・0%と差が出ました。9条の改正は必要ないとの回答はほぼ同じと言えそうです。
 共同通信は1月の調査では、「安倍首相は、憲法9条に自衛隊の存在を明記する憲法改正を行う考えです。あなたは、この憲法9条改正に賛成ですか、反対ですか」と尋ねていました。結果は 賛成35・3% 反対52・7%と、反対が過半数でした。質問を変えた今回は、自衛隊の存在の明記に反対の人の割合が減ったようにも見えますが、どう解釈するべきでしょうか。「安倍首相の下での憲法改正」の賛否も共同の調査では反対が50%前後で推移しており、少なくとも安倍首相が意気込みを示すほどには、世論に改憲の熱が高まっているとは言い難いように思えます。

 森友学園の国有地払い下げ問題を巡っても、両社はほぼ同じ質問をしています。
▼読売新聞
・学校法人「森友学園」への国有地売却を巡り、廃棄したとされる内部文書が、財務省に存在していました。国会は、「廃棄した」と答弁していた佐川宣寿・国税庁長官を呼んで、説明を求めるべきだと思いますか、その必要はないと思いますか。
  説明を求めるべきだ 69%
  その必要はない 25%
▼共同通信
・学校法人「森友学園」に国有地が売却された問題で、財務省が「廃棄した」と繰り返し説明していた売却交渉を巡る内部文書が新たに見つかりました。野党は、国会で廃棄の答弁をしていた佐川宣寿国税庁長官の国会招致を要求しています。あなたは、このことについてどう思いますか。  
  佐川氏を国会招致すべきだ 66・8%
  佐川氏を国会招致する必要はない 23・2%
・森友学園の国有地問題で、野党は安倍首相の昭恵夫人が売却交渉に関与したのではないかと追及していますが、安倍首相は否定しています。あなたは、昭恵夫人が、記者会見や国会で自ら説明することが必要だと思いますか。
  必要だ 63・7%
  必要ない 32・1%

 そのほか、目に止まった項目は以下の通りです。
▼読売新聞
・安倍内閣は、沖縄県のアメリカ軍普天間飛行場について、県内の名護市辺野古に移設する方針です。この方針を、評価しますか、評価しませんか。
  評価する 44%
  評価しない 43%

 普天間飛行場の名護移設に対しては、沖縄の民意はこれまでの世論調査ではおおむね6~7割が反対の意思を示しています。読売の調査結果は賛否ではなく、評価するかしないかを尋ねていますが、それでも「評価する」「評価しない」が真っ二つに割れている状況からは、全国的にも、少なくとも多数の支持は得られていないと言えます。

 内閣支持率は、読売は1月の前回調査と同じ54%、不支持率は1ポイント増の36%でした。共同は1月の前回調査から1・1ポイント増の50・8%、不支持率は0・3ポイント増の36・9%でした。