ありえないことを持ち出し「もしあったら辞職する」と強弁したに等しい安倍首相~毎日新聞「首相の答弁 論理破綻 矛盾する『贈収賄の文脈』 昭恵氏は私人 罪問えず」

 6月16日(土)付の毎日新聞朝刊(手元にあるのは東京本社発行の14版です)の社会面準トップに「首相の答弁 論理破綻/矛盾する『贈収賄の文脈』/昭恵氏は私人 罪問えず」との見出しの記事がありました。その通りだと感じることが多い記事ですので、備忘を兼ねてリードを引用して書きとめておきます。サイトでは有料記事のようです。 

 https://mainichi.jp/articles/20180616/ddm/041/040/120000c 

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 「私や妻が関係していたら首相も国会議員も辞める」。森友学園への国有地売却を巡る昨年2月の安倍晋三首相答弁。公文書の改ざんや廃棄の出発点とも指摘されてきたが、首相は今年5月に「関係する」の意味は贈収賄の文脈だったと国会で説明し、政府は今月、これを認める答弁書を閣議決定までした。でも、その説明に無理はありませんか?【宇多川はるか】 

 記事によると、安倍晋三首相は昨年2月、森友学園への国有地売却に自身や昭恵夫人が関与していたら首相も国会議員も辞めると答弁。ところが今年5月28日の参院予算委員会では、これは贈収賄ではないという文脈だったとし、「不正というのは、例えば金品の授受をして行政に『政策を変えろ』ということだ」と主張しました。この点について毎日新聞は、元検事の郷原信郎弁護士に取材し、首相の妻は公務員ではなく贈収賄に問われる行為者ではないこと、「金品の授受」がなくても供応接待があって職務上の便宜供与が行われたら贈収賄が成立する可能性があることの2点の指摘を紹介しています。

 5月28日の安倍首相の答弁については、他の報道を見ても、例えば共同通信は「安倍晋三首相は28日午後の衆院予算委員会の集中審議で、学校法人『森友学園』への国有地売却を巡る自身や昭恵首相夫人の『関与』について『お金のやりとりがあって頼まれて行政に働き掛けた、という意味での関わりはない』と説明した。これまで否定してきた『関与』を贈収賄に問われるような範囲に狭めて軌道修正した格好だ」と伝えています。安倍首相の答弁を常識的に解釈すれば、昨年2月の前言を修正して、贈収賄に問われるような金品のやり取りが森友との間になければ、関与したことにはならないと強弁したと受け取るのが自然でしょう。

 その一方で、昭恵夫人の立場については、昨年3月に「私人」との答弁書が閣議決定されています。そもそも私人に贈収賄を適用するのは無理で、昭恵夫人については「贈収賄はないのだから関与はなかった」と主張するのは、言い方を変えれば、絶対にありえないこと(「太陽が西から昇って東に沈む」でも何でもいいのですが)を持ち出して、もしそういうことがあったら辞職すると言っているに等しいことになります。

 まさに、毎日新聞の記事が指摘するように論理破たんだと思います。森友学園の問題や加計学園の問題に対して「いつまでモリカケをやっているのか」との批判がありますが、その批判に与することは、この破たんしている安倍首相の主張を支持することに通じるのではないかと思います。ただ、野党も本来は、安倍首相が「お金のやり取りうんぬん」を口にしたその場で、この破たんを突くべきだっただろうとも思いますし、マスメディアも安倍首相の答弁を報じるにとどまらず、踏み込んで矛盾を指摘するのも役割の一つだろうと思います。

 共同通信が16~17日に実施した電話世論調査の結果によると、内閣支持率は前回調査から6・0ポイント増加し44・9%となり、不支持率43・2%をわずかに上回ったようですが、森友学園の問題を巡っては「財務省が決裁文書改ざんの関係者を処分したことで、森友問題は決着したとの回答は15・7%、決着していないは78・5%に上った」とのことです。これでは「いつまでもモリカケやらざるを得ない」(プチ鹿島さん)状況です。

※47news=共同通信「森友問題は未決着78% 非核化困難77%、共同通信調査」2018年6月17日

this.kiji.is

 

※参考:文春オンライン「『いつまでモリカケ』論 新聞読み比べで分かった“それでもモリカケする”理由 モリカケは、外交にもつながる問題ということ」2018年6月15日

bunshun.jp