ニュース・ワーカー2

組織ジャーナリズムに身を置き40年余

MIC「メディアで働く女性のための緊急セクハラ110番」の相談事例

 新聞労連や民放労連、出版労連などメディア業界の労働組合でつくる日本マスコミ文化情報労組会議(略称MIC)が7月1日、女性弁護士グループ「日本労働弁護団・女性労働プロジェクトチーム(PT)」(代表 長谷川悠美弁護士)の協力のもと、メディアで働く女性のための緊急セクハラ110番を実施しました。
 新聞労連のホームページに詳細がアップされています。
 ※新聞労連「お知らせ:2018年7月1日(日) : メディアで働く女性のための緊急セクハラ110番を実施」
 http://www.shinbunroren.or.jp/oshirase2/oshirase2.htm#20180701_21916

 以下に、新聞労連のホームページから、相談事例を引用します。

◆相談事例
事例① 新聞・通信社 女性
 記者同士が集まる酒席で、同業他社の男性記者から身体接触があったり、性的冗談やからかいなどのセクハラ行為を受けたりした。同業記者男性は相談者を含めて複数の女性記者に対して、頻繁に同様のセクハラ行為を繰り返している。加害男性記者がセクハラをする相手は年齢が若い女性記者ばかり。上司に相談したいが、面倒くさがられて仕事が任されなくなるのではないかという懸念や加害男性記者からの報復の懸念があり、会社に相談できない。「自分がなめられているから被害に遭うのかもしれない」と自分の能力の低さを責めている。同業他社からのセクハラについて対処方法を教えて欲しい。また社内でも結婚や性的嗜好について、上司から言われ不快な思いをしている。

 

事例② 出版 女性(非正規)
 職場の雰囲気がおかしいと思っていたところ、上司から仕事を辞めることを勧奨された。職場内で、職場の男性との性的関係やその内容についてばらされ、自分の知らないところで噂になっていたことを辞める時に知った。ショックを受けた。悔しい。

 

事例③ 放送 女性
 職場の男性から一方的に好意を告げる、膨大な数のメール送られるなどのセクハラを繰り返し受けた上に、性的関係を強要された。会社に相談したが、対応してくれなかった。その後、精神的ダメージを受けたことで、会社に行けず病気になって休職に追い込まれ、辞めざるを得なくなった。会社には女性蔑視の風土を変えてほしい。自分と同じようなことを繰り返さないでほしいので、こういう事例があることを社会に知ってもらいたい。

 

事例④ 放送 女性
 同僚たちとの酒席で、参加者から性的な辱めを受け、拒否したところ、さらに同僚男性から胸を触られ、必死でその場から逃げた。後日、加害男性に謝罪を求めたところ、「酒席の場のこと」として取り合ってもらえなかった。さらに、加害男性本人が、胸を触ったことを吹聴した。それにより行為が周知され、加害男性は上司から注意を受けたようだが、相談者自身も「冗談が通じない人間」として取り扱われ、不利益を被った。メディア業界ではセクハラが当たり前のこととしてまかり通っていることを世の中に知ってほしい。

  電話相談については、毎日新聞が記事化しています。