辺野古ゲート前に新たな柵、「表現の自由を保障せよ」(琉球新報社説)

 沖縄県名護市辺野古では、米軍普天間飛行場の移設先となる新基地の建設を日本政府が進めています。工事車両は辺野古の米軍キャンプ・シュワブを出入りします。工事車両用ゲート前では連日、新基地建設に抗議する市民らが工事車両の進入を妨げようと座り込み、警備の機動隊に排除される、ということが繰り返されてきました。そのゲート前で防衛省が7月14日深夜から15日朝にかけて、新たな柵を設置したため、座り込みができるスペースがなくなったと報じられています。3連休初日の深夜からの出来事です。抗議の市民らは不意打ちと受け止めただろうと思います。表現の自由に関わる問題であり、沖縄県外でも広く知られていいニュースだと感じます。以下は琉球新報と沖縄タイムスのサイトからの引用です。

▼琉球新報
「辺野古ゲート前に新たな柵 国、土砂投入抗議激化備え」=2018年7月15日
 https://ryukyushimpo.jp/news/entry-762027.html 

 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り反対する市民が座り込む米軍キャンプ・シュワブのゲート前で、沖縄防衛局は14日午後11時ごろ、新たな柵を設置する作業に着手した。作業が完了すれば、抗議する市民が工事車両の進入を阻止するために座り込むスペースが縮小される見込み。
 政府は8月17日にも辺野古沖に初めて土砂を投入させる予定で、埋め立て工事を本格化させている。抗議活動の激化に備え、資材の搬入を円滑にして基地建設を加速させる狙いがあるとみられる。 

「二重の柵、抗議排除 辺野古ゲート前42メートル 防衛局、深夜に設置」=2018年7月16日
 https://ryukyushimpo.jp/news/entry-762377.html 

 沖縄防衛局は、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ前の工事車両用ゲート前で進めていた新たな柵の設置について、15日午前6時までに作業を終えた。柵は新基地建設に反対する市民が抗議活動で使ってきた場所に設置され、事実上、座り込みの抗議はできなくなった。政府は8月17日にも海に土砂を投入して建設工事を本格化させる予定だが、建設への抗議の声を上げる場も奪う形となり、市民の反発がより激しくなるのは必至だ。 

▼沖縄タイムス
「一晩で歩道の幅が1メートルに 防衛局『安全のため』 市民『表現の自由をつぶす』」=2018年7月16日
 http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/283937 

 沖縄防衛局が14日深夜から15日朝にかけ、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ工事用ゲート前で進めた柵の工事で、歩道の幅が約1メートルに狭められ、新基地建設に反対する市民が座り込むスペースがなくなった。土砂の本格投入を控え、抗議行動を封じる動きに、市民は「表現の自由をつぶすもの」と反発。防衛局は工事目的を「歩行者と車両の安全のため」と説明した。 

▼沖縄タイムス
「新基地建設に抗議のスペースつぶされた 市民、再び『夜襲』に怒り」=2018年7月16日
 http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/283941 

 沖縄防衛局がまた不意打ちに出た。3連休初日の14日深夜、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前で突如始まった工事で、新基地建設に抗議するスペースがつぶされた。駆け付けた市民は「夜襲は防衛局の得意技。もう何度目か」とあきれつつ、「抗議の声を上げることすら許さないのか」と批判した。 

 琉球新報は16日付で社説を掲載し、日本政府を批判しています。
※琉球新報:社説「辺野古に新たな柵 表現の自由を保障せよ」
 https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-762332.html 

 設置作業は3連休前の深夜に実施された。市民の目が届きにくい時間帯で、夜陰に乗じた行為と言える。
  国家機関が日中に堂々と作業できないのは、抗議活動を恐れているだけではなく、新基地建設が民意に背いたものだという後ろめたさを自覚しているからだろう。
  抗議活動の裏をかく沖縄防衛局の卑怯なやり方は、何度も見せつけられてきた。
  2011年の年末には、仕事納めの日の午前4時に環境影響評価書を県庁の守衛室に運び込んだ。13年3月の埋め立て申請は、県北部土木事務所の別の課に書類を置いて去った。14年7月のシュワブへの資材搬入は午前2時すぎ、トラック42台での不意打ちだった。15年1月にも仮設桟橋用資材を夜間に運び込んだ。
  不意を突き県民を出し抜く手法は沖縄防衛局の常とう手段になっている。国家として恥ずべき行為だ。
  今回の柵設置は、8月17日の土砂投入に向けて、政府が焦っている表れだろう。
  琉球新報が昨年9月に実施した世論調査では80%が普天間飛行場の県内移設に反対している。民意を無視した政府の新基地建設強行は到底許されるものではない。
  抗議活動は憲法21条に保障された表現の自由の行使である。ビラや集会、デモ行進、座り込みといった一切の言論・表現の自由を、憲法は前提条件なしに保障している。市民が異議を申し立てる最低限の政治手法でもある。非暴力である以上、規制されるべきではない。 

 工事は、共同通信も新聞向けに15日未明に記事を配信しています。東京新聞は16日付朝刊で掲載したようです。
 ※東京新聞「辺野古に新たな柵設置 ゲート前、抗議激化に備え」
  http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201807/CK2018071602000137.html

 手元にある朝日新聞、毎日新聞、読売新聞の15日付、16日付の各朝刊の紙面(いずれも東京本社発行の14版)には、関連の記事は見当たりません。