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沖縄の民意をどう受け止めるか、日本本土の側が問われる番~知事選で玉城デニー氏圧勝、在京紙の報道の記録(速報)

 沖縄県知事選は9月30日の投開票の結果、辺野古新基地建設反対を前面に掲げた前衆院議員の玉城デニー氏が当選しました。辺野古新基地の是非には触れず、安倍晋三政権の全面支援を受けた前宜野湾市長の佐喜真淳氏らを破りました。沖縄タイムスによると、玉城氏の得票は39万6632票、佐喜真氏は31万6458票で、8万174票の大差がつきました。玉城氏の得票は日本復帰後の沖縄県知事選で過去最多の得票とのことです。
 選挙結果から読み取れること、読み取るべきことの第一は、辺野古新基地の建設強行に対する沖縄の人々の強固な拒否の意志だと思います。それは故翁長雄志知事の遺志でもありました。佐喜真氏に投票した人たちにしても、その投票行動がただちに新基地受け入れを示すものでもないはずです。いずれにせよ、今度は日本本土の側がこの沖縄の民意をどう受け止めるのかが問われる番です。

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 東京発行の新聞各紙は10月1日付の朝刊で、日経新聞を除く一般紙5紙が選挙結果を1面トップで報じました。ただし、安倍晋三政権に批判的な朝日、毎日、東京と安倍政権に好意的な読売、産経では1面紙面のレイアウトがはっきり分かれています。朝日、毎日、東京は社会面にも関連記事がありますが、読売、産経はありません。社説では、読売、産経は玉城新知事に対し、政権とよく協議して普天間飛行場の辺野古移設計画を進めるよう求めているのが目を引きます。

 取り急ぎ、各紙の1面掲載記事と社説、那覇支局長らの署名記事の主な見出しを書きとめておきます。

【朝日新聞】
▽1面
「辺野古反対 玉城氏当選/沖縄知事選 佐喜真氏破る/全面支援の政権に打撃」
「『辺野古が唯一』再考の時」伊東望・那覇総局長
▽社説
「沖縄知事選 辺野古ノーの民意聞け」

【毎日新聞】
▽1面
「沖縄知事に辺野古反対派/安倍政権に痛手/玉城氏初当選」
「宜野湾市長選は自公系新人当選」
▽社説
「沖縄知事に玉城デニー氏 再び『辺野古ノー』の重さ」

【読売新聞】
▽1面
「沖縄知事に玉城氏/辺野古反対を継承」
「『承認撤回』無効化 今月上旬にも訴訟 政府」
「宜野湾市長は与党系に」
▽2面
「移設問題 停滞させるな」高橋宏平・那覇支局長
▽社説
「沖縄新知事 普天間の危険性除去を進めよ」

【産経新聞】
▽1面
「沖縄知事に辺野古反対派/翁長氏後継・玉城氏が当選」
「宜野湾市長は自公系」
▽社説(「主張」)
「沖縄知事に玉城氏 国と県の関係正常化図れ」

【東京新聞】
▽1面
「沖縄知事に玉城氏/辺野古反対を前面/2代続き 政権派破る」
解説「新基地 県民再び拒否」
▽社説
「沖縄知事選 辺野古基地は白紙に」

【日経新聞】
▽1面
「沖縄知事に玉城氏/政権支援の佐喜真氏破る」
※関連社説なし

 10月1日付の沖縄タイムス、琉球新報の社説は以下の通りです。
■沖縄タイムス社説 [玉城氏が圧勝]沖縄から新しい政治を
 http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/322858
■琉球新報 新知事に玉城氏 新基地反対の民意示した
 https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-811370.html