民意の支持得られない辺野古移設と土砂投入~世論調査で「反対」47~60%

 沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題を巡り、同県名護市辺野古の新基地予定地で12月14日、沖縄県の反対を押し切って政府が海面への土砂投入を強行しました。その週末に実施された世論調査の結果が報じられています。朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、共同通信の各調査が、この辺野古の土砂投入について尋ねています。いずれも、政府方針への反対、不支持が賛成、支持を上回りました。質問と回答の状況を書きとめておきます。
▼朝日新聞:12月15、16日実施
 ・沖縄の基地問題についてうかがいます。アメリカ軍の普天間飛行場を、名護市辺野古に移設する工事で、政府は沖縄県が反対する中、沿岸を埋め立てる土砂の投入を始めました。あなたは、政府が土砂の投入を進めることに賛成ですか。反対ですか。
 「賛成」26%
 「反対」60%
 ・普天間飛行場の名護市辺野古への移設について、政府と沖縄県の対話は十分だと思いますか。十分ではないと思いますか。
 「十分だ」11%
 「十分ではない」76%

▼毎日新聞:12月15、16日実施
 政府は、沖縄県宜野湾市にある米軍普天間飛行場を同県名護市辺野古に移設する方針です。辺野古の沿岸部に土砂を投入して埋め立てることに、賛成ですか、反対ですか。
 「賛成」27%
 「反対」56%

▼読売新聞:12月14~16日実施
 政府は、沖縄県のアメリカ軍普天間飛行場を移設するため、県内の名護市辺野古沖の埋め立て工事を進める方針です。この方針に、賛成ですか、反対ですか。
 「賛成」36%
 「反対」47%
 「答えない」17%

▼共同通信:12月15、16日実施
 沖縄県の玉城デニー知事は、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に反対していますが、政府は移設を進める考えで、埋め立てのための土砂投入を始めました。あなたは、移設を進める政府の姿勢を支持しますか、支持しませんか。
 「支持する」 35・3%
 「支持しない」56・5%
 「分からない・無回答」8・2%

 朝日新聞と毎日新聞調査では賛成は26~27%にとどまり、反対(60、56%)が倍以上に上った点が目を引きます。共同通信調査もそこまでの差はついていませんが、政府の姿勢を「支持しない」は、やはり56・5%に達しています。
 各調査とも質問の文章は異なるのですが、日本政府が普天間飛行場の辺野古移設と埋め立て工事を進めることへの賛否を、比較的シンプルに問うています。「シンプルに」というのは、やろうと思えば質問文に補足の説明を加えることもできるのですが、それがないということです。例えば「辺野古への移設」について、「日本の安全保障のために米国と結んだ合意を守るため」との一文を加えることです。「合意や約束を守ること」は一般的には大事なこと、正しいことと考える人が多いでしょうから、普天間飛行場の移設問題の経緯に詳しくない人は「合意を守るため」のひと言に引きずられて、回答を選ぶことも起こりえます。そういう意味では、毎日新聞、読売新聞の質問はシンプルですっきりしていると言えます。そして、回答の数値の水準には差があるとはいえ、ともに政府方針に反対との回答が賛成を上回ったということ、あるいは賛成がせいぜい3分の1ちょっとにとどまる、過半数にははるかに及ばないということは、やはりこの辺野古移設と沿岸の埋め立ては有権者の支持を得られない、国民、民意の支持を受けられないと言わざるを得ない、ということです。
 なお、共同通信の調査では、沖縄県の玉城デニー知事が辺野古移設に反対していることが質問文に付記され、朝日新聞の調査でもひと言「沖縄県が反対する中」と触れられており、毎日、読売とは異なっています。ただ、共同通信調査で政府方針を「支持しない」の56・5%は毎日新聞調査の「反対」56%と一致し、また政府方針を「支持する」の35・3%は読売新聞調査の「賛成」36%とほぼ一致するのは興味深いところです。朝日新聞調査でも、賛否ともに毎日新聞の調査と同水準の結果と言ってよいと思います。

 朝日新聞の調査は、政府と沖縄県の対話は十分かとも尋ねています。その回答は「十分ではない」が「十分だ」を圧倒しています。政府による土砂投入への賛否以上に差が開いていることは、辺野古移設に理解を示している層の中にも、安倍晋三政権の沖縄に対する高圧的な姿勢を批判的に見ている層がある可能性を示しているように感じます。

 内閣支持率は以下のように、4件の調査とも下落傾向でした。朝日、毎日、共同の3件は、不支持が支持を上回っています。
 辺野古の土砂投入だけでなく、外国人労働者の受け入れを拡大する改正入管法にも批判的な民意があるようで、そうしたことの反映の可能性があるように思います。

■内閣支持率 ※カッコ内は前回比、Pはポイント
▼朝日新聞
 支持40%(3P減) 不支持41%(7P増)
▼毎日新聞
 支持37%(4P減) 不支持40%(2P増) 関心がない21%(1P増)
▼読売新聞
 支持47%(6P減) 不支持43%(7P増)
▼共同通信
 支持42・4%(4・9P減) 不支持44・1%(4・6P増)

 自宅で購読している琉球新報の15日付紙面が手元に届きました。1面に掲げられた写真と、前日の紙面に載っていたグリーンの海面の写真を比べると、辺野古で何が始まったのかが視覚でもよく分かると思います。

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