ニュース・ワーカー2

組織ジャーナリズムに身を置き40年余

2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧

辺野古移設、否定意見が肯定上回る~世論調査3件に共通

8月最終の週末に実施された4件の世論調査の結果が報じられています。 目を引くのは沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の移設問題です。日米両政府が合意し、安倍晋三政権が進めている沖縄県内、名護市辺野古への移設についての賛否を共同通信、産経新聞・F…

「薩長で新しい時代を」と口にする安倍首相の歴史観~「明治維新150年」は「戊辰150年」でもある 【追記】福島民友新聞の社説「新時代は総力でつくらねば」

安倍晋三首相が8月26日、視察先の鹿児島県垂水市で記者団に対し、9月の自民党総裁選に3選を目指して出馬することを表明しました。東京での記者会見ではなく視察先で、しかも桜島をバックに視覚的な演出もうかがわれるやり方での出馬表明は異例のことと…

「唐突感は否めない」(佐賀新聞)、オスプレイ受け入れ佐賀県知事が表明

陸上自衛隊が導入する米国製の輸送機V22オスプレイの佐賀空港配備計画について、佐賀県の山口祥義知事が8月24日会見し、受け入れを表明しました。会見に先立ち同日、小野寺五典防衛相と会談し、国が20年間で100億円の使用料を支払い、県がこれを…

日本農業新聞の気骨

第100回の節目の大会だった今夏の全国高校野球選手権は、金足農業高校が秋田代表としては第1回大会以来103年ぶりの決勝に進み、話題を集めました。県立高校でチーム全員が地元秋田出身。優勝は、史上初の2度目の春夏連覇を遂げた大阪桐蔭高でしたが…

「琵琶湖」「えぼし岩」と沖縄の基地集中~京都新聞と琉球新報のコラムから

先日の記事の続きです。沖縄の基地集中の問題に関連して、地方紙の1面コラム2本を紹介します。 一つは京都新聞の8月14日付「凡語」です。 https://www.kyoto-np.co.jp/info/bongo/20180814_2.html まず、米軍統治下の那覇市長や立法院議員、返還後も衆…

8月15日に元陸軍飛行場で、戦争の教訓と沖縄の基地集中を考えた

日本の敗戦から73年の8月15日、思い立って東京都調布市の調布飛行場に隣接する「武蔵野の森公園」を訪ねました。調布飛行場は今では伊豆諸島の離島路線の定期便もある軽飛行機の専用空港ですが、元は日本陸軍の飛行場でした。当時の飛行場は今よりも広…

「本土に突き付けた問い」(信濃毎日新聞)、「『沖縄への甘え』重い告発」(西日本新聞)~故翁長氏の訴え、わがことと受け止める地方紙・ブロック紙も

8月8日に死去した沖縄県知事、翁長雄志氏を沖縄県外、日本本土の新聞も社説や論説で取り上げています。 全国紙では朝日新聞、毎日新聞、読売新聞がそろって8月10日付で、産経新聞(「主張」)が11日付で掲載しました。普天間飛行場の辺野古移設を巡っ…

「命を削り公約守り抜く」(沖縄タイムス)、「命懸けで職務を全うした」(琉球新報)~翁長雄志氏死去の報道の記録

以前の記事の続きになります。 8月8日に死去した沖縄県知事、翁長雄志氏に対して、沖縄タイムス、琉球新報はともに社説で弔意を表明しています。一部を引用して紹介します。 ※沖縄タイムス「[翁長雄志知事急逝]命を削り公約守り抜く」 http://www.okinaw…

サマータイムのデメリット

2020年の東京五輪の暑さ対策として、夏の間、時計の針を進めるサマータイム(夏時間)の導入論が急浮上しています。安倍晋三首相が8月7日、自民党に検討を指示しました。マスメディアの報道によると、この日、安倍首相と東京五輪・パラリンピック組織…

沖縄県知事、翁長雄志氏の訃報

沖縄県知事の翁長雄志氏の訃報に接しました。膵臓がんで闘病中のところ8月8日午後6時34分、入院先の病院で永眠されたとのことです。享年67歳。つつしんで哀悼の意を表します。 いろいろな思いがあります。 翁長氏は確固とした世界観と歴史観を備えた…

広島県知事「お隣ご一家を家ごと吹き飛ばす爆弾」の例え

広島市で8月6日に開かれた原爆の日の平和祈念式典で、広島県の湯崎英彦知事があいさつの中で核抑止論を批判しました。「簡単に子供に説明するとすれば,このようなものではないでしょうか」と前置きして指摘した核抑止論の本質が、例えとして、まさに子ど…

杉田水脈議員の考え方「問題ある」83%(JNN調査)、自民の対応「問題ある」61%(朝日調査)

どこかマスメディアが世論調査で聞かないのかと思っていたら、TBS系列のJNNが8月4、5日に実施した調査で質問しました。自民党の杉田水脈衆院議員のLGBT差別寄稿とそれに対する自民党の対応についてです。質問と回答は以下の通りです。 ▼自民党…

被爆者の願い「核廃絶」と被爆国の役割~広島原爆投下から73年、新聞各紙の社説

広島に原爆が投下されてから今年8月6日で73年。6日付の新聞各紙朝刊には関連の社説が並びました。手元の紙面、およびネット上のサイトで読める範囲でチェックしてみました。 東京発行の全国紙では、朝日新聞、毎日新聞は「核廃絶」を課題として掲げ、国…

衆院議長の異例の所感

少し時間がたちましたが、記録の意味でも書きとめておこうと思います。 通常国会閉会後の7月31日、大島理森衆院議長が国会内で記者会見し、安倍晋三政権に反省と改善と促す所感を明らかにしました。三権の長の一人である衆院議長のこのような会見は異例と…

これで終わりにはできない~杉田水脈議員LGBT差別、自民「見解」への新聞各紙社説

杉田水脈衆院議員のLGBT差別寄稿の続きです。 杉田議員を指導したという自民党の「見解」が示され、それに対して杉田議員からは謝罪も反省もないコメントが示されました。自民党総裁の安倍晋三首相はぶら下がり取材に応じましたが、話した内容はまるで他…

自民党は杉田水脈議員に何をどう指導したのか

自民党の杉田水脈衆院議員が7月18日発売の月刊誌「新潮45」に「『LGBT』支援の度が過ぎる」とのタイトルで、性的少数者(LGBT)に対する差別的な論考を寄稿した問題で、自民党が8月1日付で見解をホームページに掲載しました。全文を引用しま…

伊丹万作が遺した警句「だまされる罪」

伊丹万作という戦前に活躍した映画監督、脚本家がいます。同じく映画人として活躍した故伊丹十三さんの父親です。グーグルで「伊丹万作」を検索すると、1ページ目にこのブログの5年前の記事が表示されることに気付きました(2018年8月1日現在)。こ…

オウム真理教の13人執行を機に死刑制度を考える~新聞各紙の社説の記録

地下鉄サリン事件など一連のオウム真理教の事件で、松本智津夫(教祖名・麻原彰晃)ら7人の死刑が7月6日に執行されたのに続き、7月26日に6人の死刑が執行されました。オウム真理教事件の確定死刑囚13人全員の処刑が、わずか1カ月足らずのうちに行…