ニュース・ワーカー2

組織ジャーナリズムに身を置き40年余

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「コロナと五輪」 報道の二極化鮮明~東京五輪・在京紙の報道の記録⑤7月30日付

東京発行の新聞6紙(朝日、毎日、読売、日経、産経、東京)が東京五輪をどのように報じたかの記録です。各紙の朝刊1面が中心です。 【7月30日付】 ■1面トップはコロナ 新型コロナウイルスの感染拡大は止まらず、7月29日の新規感染者の発表は全国で…

コロナ感染急増と東京五輪と首相の楽観姿勢~新聞各紙の社説、論説

新型コロナウイルスの感染者が急増し、7月28日に全国で9500人超に達しました。この問題を取り上げた29日付の新聞各紙の社説、論説を見ると、東京五輪の開催強行が人出の抑制を妨げている可能性を指摘したり、菅義偉首相の対応に危機感が欠けている…

感染の爆発的拡大と五輪開催の関連を疑う視点~東京五輪・在京紙の報道の記録④7月29日付

東京発行の新聞6紙(朝日、毎日、読売、日経、産経、東京)が東京五輪をどのように報じたかの記録です。各紙の朝刊1面が中心です。 【7月29日付】 ■「五輪とコロナ」報道が二極化 東京の新型コロナウイルスの新規感染者は7月28日、過去最多を2日連…

感染者は過去最多 五輪中止の選択肢「ありません」(菅首相)~東京五輪・在京紙の報道の記録③7月27、28日付

東京発行の新聞6紙(朝日、毎日、読売、日経、産経、東京)が東京五輪をどのように報じたかの記録です。各紙の1面が中心です。 【7月28日付】 ■中止の選択肢ないと明言 東京都で7月27日に新たに確認された新型コロナウイルスの感染者が、過去最多の…

東京五輪 期間中の社説、論説の記録 7月23日付~8月11日付 ※随時追加

東京五輪期間中に、五輪をテーマに取り上げた新聞各紙の社説、論説を記録していきます。随時、追記します。 五輪開会までの2カ月間の社説、論説は以下の別記事にまとめています。その続編になります。原則として、ネット上の各紙サイトで読めるものが対象で…

「脱・金メダル」の報道~東京五輪・在京紙の報道の記録②7月25、26日付

東京五輪を巡る東京発行の新聞各6紙(朝日、毎日、読売、日経、産経、東京)の報道の記録です。 24日に競技が本格的に始まり、日本は金メダルを24日に1種目、25日には4種目で獲得しました。今までの五輪報道なら、「序盤から好調の日本勢」として、…

読売:1面と最終面で祝祭感、産経:「希望の聖火」、朝日:緊迫の救急外来、毎日:「異形の祭典」~東京五輪・在京紙の報道の記録①

7月23日の東京五輪開会式を、東京発行の新聞6紙(朝日、毎日、読売、日経、産経、東京)は、翌24日付朝刊でそろって1面トップで報じました。 目を引いたのは読売新聞です。全国紙では異例の1面と最終面をぶち抜いて日本選手団の入場行進の写真を大き…

この失敗の共有を出発点に、違いを認め合い、だれも取り残さない社会へ~東京五輪開会の日に

東京五輪が始まりました。7月23日夜、開会式のテレビ中継を日本選手団の入場行進まで見た後、この記事を書き始めました。 新型コロナウイルスのパンデミックの中での開催強行に対して、日本の民意は控え目にみても賛否が割れています。調査によっては、例…

「港人雨中痛別」 新聞が失なわれた日~横浜・新聞博物館でミニ展示「言論弾圧と新聞」

過日、横浜市にある日本新聞博物館(愛称・ニュースパーク)を訪ねました。香港の民主化運動の側に一貫して立ち、香港国家安全維持法(国安法)に基づく合法的弾圧で6月24日に廃刊に至った蘋果(ひんか)日報(りんご日報)の最終号の実物が展示されてい…

小山田さん「排除」の先に何を考えるか~五輪組織委はいよいよ危うい

東京五輪開会式の楽曲担当の一人、小山田圭吾さんが7月19日夜、辞任を表明しました。23日の開会式当日のわずか4日前です。以前の記事でも触れましたが、小山田さんを巡っては、少年期に障害者の同級生へのいじめに加わり、その加害行為を25年前に雑…

今夏五輪「反対」55% 「賛成」33%(朝日新聞調査)~開幕1週間前、菅内閣支持率は軒並み最低

先週末に実施された世論調査の結果が報じられています。朝日新聞(7月17~18日実施)、共同通信(同)、毎日新聞・社会調査研究センター(17日実施)の各調査では、菅義偉内閣の支持率は30~35.9%に低下。「不支持」は49~62%に上ってい…

批判高まるバッハ会長~組織委のサポートはあるのか

7月23日の東京五輪開幕まであと5日です。米紙ワシントンポストが早くも「失敗」と指摘している、との記事が目に止まりました。 ※東京新聞(共同通信)「『東京五輪は完全な失敗』『国民の熱気は敵意に』」と米紙ワシントン・ポスト」=2021年7月1…

「安全安心」と実態の乖離~東京五輪開幕1週間前の報道の記録

7月23日の東京五輪開幕まで1週間を切りました。ちょうど1週間前、7月16日付の東京発行新聞6紙の紙面の記録を書きとめておきます。総じて熱気や高揚感とは程遠い紙面です。6紙のうち朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、日経新聞、産経新聞の5紙は、発…

それでも五輪「中止」30~40%~菅内閣支持率も低迷

先週末の7月9~11日に実施されたNHKと読売新聞の2件の世論調査の結果が報じられています。 東京五輪を巡っては、7月8日に東京、千葉、埼玉、神奈川の4都県での競技は無観客とすることが決まったばかりでした。この決定をどう思うかを尋ねたNHK…

「緊急事態なら中止が筋」(高知新聞)、「期間中でも縮小や中止ためらうな」(神戸新聞)~五輪「中止」「打ち切り」の社説、論説

東京五輪を巡る波乱と混乱が続いています。 東京、千葉、埼玉、神奈川の1都3県で行われる競技は無観客とすることが7月8日に決まったのに続き、北海道、福島県での競技も10日までに有観客から無観客に変更となりました。残る有観客での実施は宮城、静岡…

「中止」の選択肢なお必要~東京五輪、1都3県「無観客」の報道の記録

東京五輪の開幕まで15日となった7月8日、東京都と首都圏3県で実施される競技は無観客となることが決まりました。政府はこの日、新型コロナウイルスの感染者の拡大が続いている東京都に対し、現在のまん延防止重点措置を12日に緊急事態宣言に切り替え…

菅首相のガッツポーズと橋本聖子会長「厳かに」の埋めようがない落差

ものごとの受け止め方、感じ方は人それぞれであることを踏まえつつ、あまりにも違和感が大きいために、これは記録に残しておきたいと考え、書きとめておきます。 7月7日の夜、職場で19時からのNHKニュースを見ていたら、東京五輪の日本選手団結団式と…

自民にひときわ厳しい読売新聞、産経新聞~都議選の各紙社説

7月4日の東京都議選について、新聞各紙が6日付の社説で取り上げています。東京発行紙では朝日、毎日、読売、産経、東京の各紙が掲載しました。共通しているのは、自民党と菅政権に対して「事実上の敗北」(朝日)ととらえていることです。 その中でも、読…

勝者はいなくても自民は大敗~都議選で示された民意に大きな変化の予感

東京都議選が7月4日、投開票されました。主な党派別の結果は以下の通りです。 改選前第1党の都民ファーストの会は45議席から31議席に減 4年前の前回、歴史的大敗を喫した自民党は25議席から33議席になり第1党に 公明党は現有議席数と同じ23人…

「不公平で矛盾した運営」(信濃毎日新聞)、「『中止』排除してはならない」(高知新聞)~開幕まで3週間、東京五輪の「今」 ※追記 熱海で土石流・20人不明

東京五輪は7月23日の開幕まで3週間を切りました。なのに、観客数をどうするかも決められず、一方では東京の新型コロナウイルスの感染状況はリバウンドし、感染者は増加の一途です。この「東京五輪の今」の状況を、長野県を発行エリアにする信濃毎日新聞…