ニュース・ワーカー2

組織ジャーナリズムに身を置き40年余

東京五輪

東京五輪「もうやめることすらできない」 山口香さんインタビュー(共同通信)

東京五輪・パラリンピック大会の開催の是非を巡って、女子柔道の元世界チャンピオンで現在JOC(日本オリンピック委員会)の理事を務める山口香さんが、共同通信のインタビューに「国民の多くが疑義を感じているのに、国際オリンピック委員会(IOC)も…

東京五輪を巡る世論 「この夏は開催するべきではない」が圧倒

東京五輪・パラリンピックの開催を巡る世論調査結果の備忘です。 この週末に実施された朝日新聞社と共同通信社の調査では以下の結果でした。 【朝日新聞調査】5月15、16日実施▽東京五輪・パラリンピックをどのようにするのがよいと思いますか。 「今年…

世論は東京五輪「中止」が多数

先週末に実施された世論調査3件の結果が目に止まりました。東京五輪について書いた一つ前の記事(「これでも『何があっても五輪開催』なのか~本土決戦(76年前の『オリンピック作戦』)を回避した歴史の教訓に目を」)にもそれぞれを追記しましたが、あ…

これでも「何があっても五輪開催」なのか~本土決戦(76年前の「オリンピック作戦」)を回避した歴史の教訓に目を

新型コロナウイルス対策として、東京都、大阪府、京都府、兵庫県に5月11日を期限に出されていた緊急事態宣言が、5月末まで延長されることが7日、決まりました。12日から愛知、福岡両県も加わり、計6都府県となります。変異株の拡大によって大阪は医…

「昭和」の戦争とコロナ禍での東京五輪開催強行

4月29日は「昭和の日」の祝日です。昭和のころは天皇誕生日でした。1989年1月に昭和天皇が亡くなり「平成」に改元されると、しばらくは「みどりの日」でした。2007年に現在の呼び名に変わりました。「国民の祝日に関する法律」は「激動の日々を…

バッハ会長の暴言、五輪開催の強行と新聞各紙の報道~公式スポンサーだからこそ批判に意義

新型コロナウイルス対策で東京、京都、大阪、兵庫の4府県は4月25日、3回目の緊急事態宣言に入りました。期間は5月11日までですが、感染力が強まっている変異株の感染が拡大しているとの指摘があるのに、17日間という期間は、これまでの2回の緊急…

「表現の自由侵しかねない」(北海道新聞)、「五輪報道の自由奪えない」(京都新聞)~出版労連、MIC、日本ペンクラブも五輪組織委を批判

東京五輪の開会式イベントの演出を巡る週刊文春の報道に対し、東京五輪・パラリンピック組織委員会が業務妨害や著作権の侵害を主張し、雑誌の回収やネット記事の削除を要求している問題で、朝日新聞、信濃毎日新聞に続き、新たに北海道新聞と京都新聞が4月…

五輪組織委「報道の自由への威圧だ」(信濃毎日新聞)、「市民に顔向けて仕事を」(朝日新聞)~ことは週刊文春だけの問題ではない

一つ前の記事の続きです。 週刊文春が東京五輪パラリンピック組織委員会の内部資料を入手して報じた記事に対し、組織委が業務妨害や著作権侵害を主張して、4月1日発売号の回収やネット記事の削除を求めました。一つ前のわたしの記事では、著作権侵害との主…

東京五輪組織委が「著作権の侵害」を主張することへの違和感~著作権法は、場合によっては著作者の権利を制限し、公共性の高い情報が社会に流通することを担保しようとしている

4月1日発売の週刊文春が、「森・菅・小池の五輪開会式“口利きリスト”」とのタイトルの記事を掲載し、この中で週刊文春側が東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の内部資料を入手したとして、その内容を報じていることに対し、組織委員会が文芸春秋に抗…

(続)「大震災10年」なのか「発生から10年」なのか~「復興五輪」に触れなかった菅首相

前回の記事(あの日のこと~「東日本大震災10年」なのか「発生から10年」なのか)の続きです。 3月12日付の東京発行の新聞各紙朝刊(朝日、毎日、読売、日経、産経、東京)は、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の発生から10年を迎えた前日3…

橋本聖子議員の組織委会長就任に「政治利用五輪」を危惧~アスリート出身といえども「密室」体質から逃れられない

東京五輪パラリンピック組織委員会の新会長に2月18日、自民党所属の橋本聖子参院議員が選出されました。橋本新会長は閣僚が兼職を禁じられているために五輪相は辞職したものの、翌19日の午前までは、自民党離党も、参院議員辞職もともに考えていないよ…

森喜朗会長の女性蔑視発言とマスメディアの当事者性(その4)~後任人事報道ミスリードの背景にあるもの

新聞各紙、通信社、放送局などマスメディアにとって、大きな課題が残りました。東京五輪パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の辞任と、後任会長を巡る報道のことです。 女性蔑視発言にもかかわらず、在任を続けていた森会長が辞任する意向とのニュースは2…

森喜朗会長の女性蔑視発言とマスメディアの当事者性(その3)~大会スポンサーにそろって名を連ねる全国紙

東京五輪パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視発言を巡って、2月7日に更新したこのブログの記事では、この問題をマスメディアがどう報じるかも日本社会のジェンダーの現状の一端を示している、その意味でマスメディアには当事者性がある、との…

森喜朗会長が辞意~ジェンダー不平等解消への改めての出発点に

東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が辞任する見通しとなりました。2月3日に「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと発言し、4日には記者会見で発言を取り消し謝罪を口にしながらも、何が問われているかの自覚がうかがえず…

続・森喜朗会長の女性蔑視発言とマスメディアの当事者性~地方紙・ブロック紙の社説、論説の記録

一つ前の記事(「森喜朗会長の女性蔑視発言とマスメディアの当事者性」)の続きです。 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が2月3日に「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと発言し、4日には記者会見で発言を取り消し謝罪を…

森喜朗会長の女性蔑視発言とマスメディアの当事者性

東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が2月3日、日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議員会であいさつした際に「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと発言した問題で、森会長は4日に記者会見し、発言を撤回しました。…

五輪1年延期を「賭け」と言い放つ森組織委会長~朝日新聞のインタビューに

一つ前の記事(「事実上の『神頼み』」 東京五輪リセット~7年前の高揚感なく」)の続きになります。 東京五輪・パラリンピックの2021年への延期が決まったことについて、朝日新聞が大会組織委の森喜朗会長にインタビューしました。記事は、紙面では4…

事実上の「神頼み」 東京五輪リセット~7年前の高揚感なく

7年前に撮った1枚の写真があります。2020年の五輪開催地が東京に決まったことを伝える2013年9月9日の夕刊各紙です。当時、わたしは勤務先の転勤人事で大阪にいましたので、写っているのは全国紙各社の大阪本社発行の紙面です。「東京」の見出し…

「復興五輪」を口にしなかった安倍首相、「ウイルスに打ち勝った証しの五輪」に違和感

ことし7~8月に予定されていた東京五輪と、8~9月のパラリンピックの延期が3月24日に決まりました。新型コロナウイルス感染の世界的な拡大を見れば、もう少し早く決めても良かったように思うのですが、報道によれば、安倍晋三首相が24日夜に国際オ…