ニュース・ワーカー2

組織ジャーナリズムに身を置き40年余

表現の自由

「違憲状態の衆院が憲法違反の法案を通すことは認められない」〜付記・秘密保護法案、21日付の新聞各紙

特定秘密保護法案は、自民、公明両党にしてみれば11月20日の日本維新の会との修正合意で衆院審議のヤマを越えたということなのでしょうか。21日は、対案をまとめた民主党との協議のほかに目立った動きはなく、その協議も平行線だったと報じられていま…

自公と維新が修正合意「改憲への一里塚」〜秘密保護法案、20日付の新聞各紙

特定秘密保護法案は20日、衆院で与党自民、公明両党と日本維新の会の修正協議が続き、同日夜には合意となりました。既にみんなの党との修正協議が終わっており、4党の圧倒多数の賛成で、成立の見通しとなったと伝えられています。※「秘密法案、自公と維新…

12月5日に京都で「『秘密保護法の問題点を解明する』、見ざる、聞かざる、言わざる社会はごめんだ」

お知らせです。 「京都ジャーナリスト9条の会」には以前、わたしもお招きをいただき、お話をさせていただきました。 京都ジャーナリスト9条の会からのお知らせ 12月5日、6:15 ウイングス京都 「秘密保護法の問題点を解明する」、見ざる、聞かざる、言わざ…

「自公は成立ありきだ」みんな、維新との修正合意急ぐ〜秘密保護法案、19日付の新聞各紙

表現の自由が危うくなるとの批判が強い特定秘密保護法案をめぐって、国会の動きが慌ただしくなっています。18日には自民・公明の与党とみんなの党が、特定秘密の指定に首相が関与するとの修正で合意しました。19日には与党と日本維新の会の修正協議があ…

11月24日に東京で「特定秘密保護法に反対する表現者と市民のシンポジウム」

お知らせです。案内をいただいたので紹介します。 ちらしもダウンロードできます。 11-24-秘密保護法反対シンポジウムちらし.pdf 特定秘密保護法に反対する表現者と市民のシンポジウム 多くの反対を無視する形で特定秘密保護法案の審議が強行されています。2…

疑念強まる特定秘密保護法案〜各紙社説も「反対」「批判」

批判を浴びている特定秘密保護法案は、衆院で審議入りして1週間余りがたちました。この間の質疑では、疑問点が解消するどころか、逆に法案の問題点と早期成立を図ろうとする政権の側の危うさが一層鮮明になったように見えます。15日には与党と一部野党が…

特にマスメディアで働いている方へ〜再掲「秘密保護法の制定に反対する言論・表現関係者の声明」

以前の記事で紹介した「秘密保護法の制定に反対する言論・表現関係者の声明」を再掲します。 賛同する場合は、賛同署名集約先 mail@mediasoken.org か、FAX:03-3226-0684 まで、「氏名」「公表するときの肩書」を連絡すればよいそうです。第1次集約の締切…

世論調査は反対50.6〜42%、特定秘密保護法案で朝日、毎日、共同

特定秘密保護法案をめぐり朝日新聞、毎日新聞の2紙が11月12日付朝刊に電話世論調査結果を掲載しました。法案に対する賛否では朝日が賛成30%、反対42%、毎日は賛成29%、反対59%です。少しさかのぼって、共同通信も10月28日付朝刊用に電…

「反対」「批判・疑問」が圧倒〜秘密保護法案審議入り前後の新聞社説

批判が多い特定秘密保護法案が11月7日、衆院で審議入りしました。関西の新聞各紙がどのような扱いで報じたかは、このブログで既に報告したとおりです。この法案が10月25日に安倍晋三内閣で閣議決定された際には、全国の新聞各紙が社説でどんな風に取…

お知らせ「秘密保護法の制定に反対する言論・表現関係者の声明」

特定秘密保護法の制定に反対して、ジャーナリストやメディア研究者らが呼び掛け人になって「秘密保護法の制定に反対する言論・表現関係者の声明」への賛同を募っています。呼び掛け人の中には、わたしが直接面識をいただいている方も少なくなく、ここで紹介…

「反対」を表明している新聞は情報が多い〜特定秘密保護法案審議入りを伝える関西各紙の比較

外交や安全保障、テロなどの情報を指定し、公務員が漏えいした場合の罰則を強化する内容の特定秘密保護法案が11月7日、衆院で審議入りしました。本会議で趣旨説明と各党の質疑が行われ「安倍晋三首相は秘密解除のルールについて『一定期間の後に一律に秘…

地方紙は「反対」「慎重姿勢」が圧倒〜秘密保護法案国会提出に対する新聞各紙社説

外交や安全保障、テロなどの情報を指定し、公務員が漏えいした場合の罰則を強化する内容の特定秘密保護法案が10月25日、安倍晋三内閣で閣議決定され、衆議院に提出されました。間もなく審議が始まる見通しです。曲折を経て法案には知る権利や報道・取材…

【憲法メモ】7月3日〜18日:小林恭子さん「政治家が『偏向』報道といって『出演拒否』は短絡的 ―英国メディアだったら、どうなる?」ほか

憲法に関連した論考やニュースで目に留まったものをまとめた【憲法メモ】です。 ▽沖縄タイムス社説「[オスプレイ追加配備]不相応な重荷 押し付け」2013年7月3日 http://article.okinawatimes.co.jp/article/2013-07-03_51213 琉球新報社説「12機追…

【憲法メモ】6月27日〜7月3日:琉球新報社説「高江通行妨害訴訟 表現の自由が二の次とは」など

憲法に関連した論考やニュースで目に留まったものをまとめた【憲法メモ】です。▽琉球新報社説「高江通行妨害訴訟 表現の自由が二の次とは」2013年6月27日 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-208634-storytopic-11.html 東村高江の米軍ヘリ着陸帯建…

【憲法メモ】6月16日〜26日:平良夏芽さん「憲法9条が無くなっても、沖縄には何の損失もない」ほか

憲法に関連した論考やニュースで目に留まったものをまとめた【憲法メモ】です。 ▽江川紹子さん「【裁判記録は誰のものか】『これは国民の知る権利の問題です』」(ヤフーニュース、2013年6月16日) http://bylines.news.yahoo.co.jp/egawashoko/20130…

「いまジャーナリストに問う〜『デスク日記』復刊記念のつどい」の報告

1960年代に「小和田次郎」の名前で刊行されていた「デスク日記」という名著がありました。今日、筆者は元共同通信社編集主幹の原寿雄さんだったことはよく知られています。社会部デスク時代につづった「デスク日記」の中から、原さん自身が選んで1冊に…

【憲法メモ】5月23日〜6月3日:桂敬一さん「だれが牧伸二を死なせたか―時代を映し出せなくなったメディア」ほか

憲法に関連した論考やニュースで目に留まったものをまとめた【憲法メモ】です。 ▽桂敬一さん「だれが牧伸二を死なせたか―時代を映し出せなくなったメディア」(NPJ通信=2013年5月23日) http://www.news-pj.net/npj/katsura-keiichi/20130523.html…

改憲志向高まる中で語り継ぐ意味〜朝日阪神支局事件から26年

5月3日は憲法記念日であるとともに、26年前の1987年に兵庫県西宮市で朝日新聞阪神支局襲撃事件が起きた日です。目出し帽の男に散弾銃で記者2人が撃たれ、当時29歳だった小尻知博記者は死亡。もう一人は重傷を負いました。共同通信などに届いた犯…

東京大空襲から68年

きょう3月10日は、一夜で10万人以上の住民の犠牲を生んだ1945年の東京大空襲から68年です。8月の敗戦まで、激しい地上戦があった沖縄のほか、日本全土で米軍の空襲がありました。この数年、毎年のようにこの日に紹介している「大本営発表」のこ…

琉球新報「戦争の教訓踏まえているか」〜開戦の日の選挙報道

衆院選の公示後、初の週末です。新聞各紙の序盤情勢報道で「自民単独過半数の勢い」と一斉に報じられましたが、では例えば前回の政権交代時の民主党、前々回の郵政解散時の自民党のような、いわゆる「風」が吹いているかと言えば、それも少し違うように感じ…

開戦から71年の日、紙面から思い起こす表現の自由と戦争

71年前のきょう12月8日は、日本が米英に宣戦布告して太平洋戦争を始めた日です。その8日付の朝刊で、手元にある毎日新聞(大阪本社発行13版)は1面トップに、国家公務員が共産党機関紙「赤旗」を配布して国家公務員法違反罪に問われた2件の判決で…

クウェート派遣空自隊員の事故が明るみに〜メディアの「検閲容認」を忘れない

少なからず時間がたってしまいましたが、マスメディアの取材・報道のありようにも関わることだと考えていますので、書き留めておきます。イラク特措法に基づきクウェートに派遣されていた航空自衛隊の3等空曹だった男性が、現地で米軍車両にはねられ後遺症…

語り継ぐ責務〜朝日阪神支局事件から25年

5月3日は憲法記念日であるとともに、1987年に兵庫県西宮市の朝日新聞阪神支局が散弾銃を持った男に襲撃され、記者2人が殺傷された事件が起きた日です。ことしで25年。昨年に続き支局を訪ねて記帳、小尻知博記者(当時29歳)の遺影に焼香させてい…

3・10から3・11へ、「大本営発表」の教訓

3月11日は東日本大震災から1年。警察庁のまとめによると、9日現在で死者は15854人、なお3167人もの方々が行方不明です。あらためて、犠牲になった方々のご冥福をお祈りいたします。東京電力福島第一原発事故は、いまだ収束を実感できる状況で…

脱原発デモの各紙報道に差

東日本大震災に伴う福島第一原発事故を契機として、“脱原発”論議がマスメディアの報道にも目立つようになってきました。その中で先週末、東日本大震災から3カ月の6月11日土曜日に、日本でも各地で脱原発を掲げるデモやパレードがありました。12日付の…

「憲法記念日ペンを折られし息子の忌」〜朝日阪神支局事件から24年

憲法記念日の3日、兵庫県西宮市の朝日新聞阪神支局を訪ねました。一階の入り口に24年前のこの日、散弾銃で襲われ殺害された小尻知博記者(当時29歳)の遺影が花に包まれるように飾られていました。記帳、焼香して、支局3階の「朝日新聞襲撃事件資料室…

二・二六事件から75年

きょう2月26日は、1936(昭和11)年の二・二六事件から75年です。このクーデター未遂事件については、わたしはその後の1945年の敗戦まで続く「戦争社会」のありようを考える上で、今日の社会にとっても依然として小さくない意味を持つと考え…

新聞の扱いが分かれた鯨肉裁判判決〜知られなければ議論は深まらない

調査捕鯨の捕鯨船船員が自宅に送った鯨肉を運送会社から持ち去り、窃盗と住居侵入の罪に問われた環境保護団体グリーンピース・ジャパンのメンバー2人に、青森地裁が6日、懲役1年、執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。2年前、持ち出した鯨肉をグリ…

日米密約と東京大空襲に共通するもの(再録・大本営発表報道)

日付が変わって3月11日です。65年前のきのう、ということになりますが1945年3月10日未明、東京の下町地区は米軍B29爆撃機の大空襲を受け、一夜にして10万人以上が犠牲になりました。東京大空襲です。8月の敗戦まで、後述する当時の「大本…

二・二六事件の凶行を映した鏡

74年前の1936(昭和11)年のきょう2月26日、日本でクーデター未遂事件「二・二六事件」が起きました。東京に駐屯する陸軍部隊の一部が、大尉など尉官クラスの一部将校の指揮で当時の岡田啓介首相らを襲撃し、斎藤実内大臣や高橋是清大蔵大臣らを…