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ひとこと:麻生内閣支持率が急落

 共同通信が6―7日に実施した世論調査によると、麻生内閣の支持率は11月から15・4ポイント急落し、25・5%になりました。不支持率も19・4ポイント増加し61・3%。一方、読売新聞の世論調査では、支持率はさらに低い20・9%、不支持率は66・7%、毎日新聞の世論調査でも支持率21%、不支持率58%です。
 各社とも「景気対策を優先すると強調していた首相の政策のぶれ、一連の失言を世論が厳しく評価した結果といえそう」(共同)、「有権者が首相の資質に失望したことが、支持率急落を招く大きな要因になったようだ」(読売)、「政策決定を巡る政権の「迷走」や首相の失言などが支持激減に影響したとみられる」(毎日)などの分析を示しています。
 近年、社会で格差と貧困が隠しようもなくなるにつれ、小泉政権以来の新自由主義構造改革」路線がその元凶と批判されるようになりました。その「構造改革」路線からの転換を求める動きと、「改革」の継続を求める動きと、その間に挟まれて麻生首相自身、実は自分が首相として何をやりたいのか、分からなくなってきているのではないか、というのがわたしの印象ないしは感想です。以前のエントリーでも紹介しましたが、五十嵐仁・法政大教授の「労働再規制―反転の構図を読みとく」がお奨めです。構造改革路線に対する官と政の反転攻勢は2006年に始まっていた、と指摘しています。
 衆院解散・総選挙で構造改革路線の見直しか、継続か、民意が明確になればすっきりするのでしょうが、このままでは安倍元首相、福田前首相に続いて麻生首相も政権を投げ出さざるを得なくなるのではないか、という気がします。

追記 2008年12月8日午前8時45分
 朝日新聞世論調査でも麻生内閣の支持率は22%、不支持率は64%。8日付朝刊の紙面では第一面のサイド記事に「一気に政権末期状態」の4段見出しがついています。