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組織ジャーナリズムに身を置き40年余

スイッチオン・プロジェクト仙台キャラバンの学生作品アップ中です

 11月28日に行われたスイッチオン・プロジェクト仙台キャラバンで、1日取材体験(ライティング・ワークショップ)に参加した学生たちの作品が、プロジェクトのブログにアップされています。わたしが担当した学生3人の記事も12月13日にアップされました。

※「仙台ライティングワークショップの学生記事一覧」
http://blog.goo.ne.jp/321switchon/e/47870cf2e49d2f5103dab55dcc093850

 6人のデスクにそれぞれ学生2〜3人のチーム割りでした。顔合わせは当日が初めて、しかも「仙台の若者の居場所」というテーマも当日知らされ、取材の企画・打ち合わせから街に出ての取材は実質4〜5時間。正直に言って窮屈な条件の下で、わたしとしては、記事の出来栄えはともかく、学生たちに取材して伝えることの難しさと楽しさの双方を経験してもらうことに力点を置きました。その意味では、実りが多かった試みだと自分で総括しています。
※参考過去エントリー
「『伝える』ことの楽しさと難しさを体験〜仙台キャラバン無事に終了」(11月29日)
http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20091129/1259430021

 仙台で事前準備などに奔走していただいた河北新報の寺島英弥さんが、自身のブログ「Cafe Vita」で今回のワークショップの意義を書かれています。一部を引用します。
※「若者が取材した『若者の居場所』in仙台」
http://flat.kahoku.co.jp/u/blog-seibun/qpIaX2mxrytNfHMlTK1J/

 私も駆け出しのころ、「街ダネを拾って来い」といわれて飛び出し、何か面白いことはないか?と歩き回ったものですが、そうそう簡単にぶつかるものではありません。必死で街を観察し、「こんな○○なことは最近ありませんか?」と人をつかまえ、店に飛び込み、くたくたしょんぼりの徒労に終わったり、思わぬところで思わぬ人から思わぬネタをもらって宝物を見つけた気分になったり。街は生きている場所です。あらゆる人と暮らしがあって、新しいものが動いていて、記者はそこで産湯につかります。
 今回の学生さんたちも街で、同様の経験をしたに違いありません。仮説や想定はあっさり裏切られたり、あてが外れたり、疑問を持ち、迷い・・。道行く人も忙しかったり、関心を示してくれなかったり。立ち止まってじっくり話をしてくれる人はそうそういません。まずこちらが何者であるかを相手に説明し、「怪しいものではない」と信用してもらわねばなりません。それを経て、見ず知らずの人につながり話を聴く、という取材が始まるのです。
 じつは、街で若者に取材するくらい、雲をつかむように難しいことはない、と大人の記者たちは思っています。“若者は分からない存在”という思い込み、“世代間ギャップ”が露呈することの怖さ、あるいは苦手意識といってもいいかもしれません。それゆえ、若者だからこそ、プロも一日体験も関係なく、若者とつながり、若者が何を考え何を求めて何処に集い何を発信するか−を見つけることもできる。
 ものを考え、オリジナルを見つけ、発信し伝える人は、誰もがジャーナリスト。「若者の居場所」の取材は、そんな新しい自分を発見する作業でもあったのです。

 わたしが担当した学生3人も、わずか1日の経験ながらそれぞれに感じ取るものがあり、「新しい自分」を発見してくれたことと思います。
 プロジェクトは来年以降もさらに進化しそうです。わたしも遅れずに付いて行こうと思います。