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組織ジャーナリズムに身を置き40年余

東京大空襲の大本営発表はツイート1回分

 今年も3月10日になりました。東京大空襲から66年です。ここ数年は毎年のように、当時の「大本営発表報道」の新聞記事をこのブログで紹介しています。ことしは思い立って、この「大本営発表」をツイッターでツイートしてみました。
 発表の全文は次の通りです。

大本営発表」(昭和二十年三月十日十二時)本三月十日零時過より二時四十分の間B29約百三十機主力を以て帝都に来襲市街地を盲爆せり
右盲爆により都内各所に火災を生じたるも宮内省主馬寮は二時三十五分其の他は八時頃迄に鎮火せり
現在迄に判明せる戦果次の如し
 撃墜 十五機 損害を与へたるもの 約五十機

 このままでは1回のツイート(140字)には収まりませんでしたが、「大本営発表」のクレジットと発表時間をのぞいて本文部だけにし、改行なども詰めてみると、ほぼツイート1回分に収まりました。
http://twitter.com/#!/newsworker/status/45382270185517056

 一夜にして10万人以上が命を奪われた空襲被害も、当時の公式発表は、今で言えばツイッターのつぶやき1回分の情報しかなかったわけです。しかも、具体的被害の言及は皇居の馬小屋関係の火災のみで、人的被害には一切触れていません。あらためて「戦争で最初に犠牲になるのは真実」という言葉を胸に刻みたいと思います。

※昨年のエントリーです。「大本営発表」を受けて当時の新聞が掲載していた記事も引用しています。
 日米密約と東京大空襲に共通するもの(再録・大本営発表報道)=2010年3月11日
 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20100311/1268241655
 毎年、同じ内容のエントリーになりますが、わたし自身が初めて「大本営発表報道」の現物を目にした最初の事例ということもあり、3月10日は忘れないよう自身で銘じている日の一つです。