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組織ジャーナリズムに身を置き40年余

「オスプレイ沖縄移駐」の本土紙の報道

 欠陥機の疑いが指摘されている米軍の垂直離着陸輸送機オスプレイが10月1日、山口県岩国基地から配備先の沖縄県普天間飛行場に到着しました。1日に6機、2日に3機の計9機です。沖縄で配備反対の声が高まっている中での文字通りの「強行」です。
 この出来事を日本本土のマスメディアはどう伝えたのか。とりあえずは、わたしが住む大阪、関西でどんな新聞がつくられていたのか、備忘を兼ねて主な記事と見出しを書き留めておきます(全国紙は大阪本社発行の最終版)。

▽10月1日夕刊
【朝日】
1面トップ「オスプレイ普天間着」「6機が岩国から移動」
1面「『安全保障に大きな意味』野田首相」/「『強行おかしい』沖縄知事が批判」
社会面トップ「オスプレイ怒りの空」「『家の上飛行 耐えられぬ』」
【毎日】
1面トップ「オスプレイ普天間到着」「岩国から6機 沖縄知事『遺憾』」
1面「『全国で負担分かち合う』首相メッセージ」
社会面トップ「『沖縄の声 無視か』」「普天間 怒りの300人」
【読売】
1面準トップ「オスプレイ普天間到着」「岩国から6機 中旬、本格運用へ」※トップは野田第3次改造内閣
1面「『安全 十分確認』首相」
第2社会面「地元『安全徹底を』」「反対派、座り込みも」
【日経】
1面「オスプレイ 普天間に到着」
2面「日米、月内本格運用へ」「沖縄知事『極めて遺憾』」
社会面トップ「轟音響かせ次々」「沖縄県民ら抗議集会」
社会面「岩国『沖縄に申し訳ない』」/「安全確保されず 沖縄知事」
【産経】
1面「オスプレイ普天間到着」
3面「首相『負担軽減』を強調」
――――――――――――――――
【京都】
1面準トップ「オスプレイ普天間配備」「6機到着 反発の中、強行」※トップは野田第3次改造内閣
社会面トップ「『帰れ』沖縄怒り」「市民『反対続ける』」
社会面「有名無実の合意に不信」「騒音、経路…守らぬ米軍」/「ごう音響かせ相次いで離陸 岩国基地
【神戸】
1面「オスプレイ普天間到着」「地元反発、6機配備強行」
第2社会面「『アメリカへ帰れ』」「近づく機影、市民ら怒号」/「相次ぎ離陸 住民ら見守る 岩国でも抗議行動」


▽10月2日付朝刊
【朝日】
3面「配慮強調 配備強行」「首長一丸 反対の先鋒」「政府、安保の壁に策なし」/「『我々の家の上でも飛ばしている』米国防総省」/「飛行範囲 上海まで」
第2社会面「爆音聞け 不条理見よ」「『本土遠いからいいのか』」「抗議の凧 高くあげ」/「残り6機『数週間後』」
社説「沖縄の怒りを侮るな」
【毎日】
2面「運用ルール 米軍次第」「普天間移設前進は不透明」
社会面トップ「思い届かないのか」「『人の命はつくれない』女優・平良とみさん」
社説「沖縄の不信に向き合え」
【読売】
2面「辺野古移設 前進目指す 政府」「沖縄知事は態度硬化」
4面「オスプレイ配備の首相談話要旨」
第3社会面「『オール沖縄でダメ』」「県議会など撤回求める」
【日経】
4面(政治面)「対中抑止力 強化急ぐ」「地元は反発 移設に影響」
【産経】
社会面「沖縄知事『理解越えた話』」
――――――――――――――――
【京都】
1面「沖縄県会が抗議を決議 オスプレイ配備
2面「地元感情逆なで、不信」「決議文無視、安全性、配備理由に尖閣」「知事硬化、政府と溝深く」
社説「沖縄県民の怒り当然だ」
【神戸】
1面「抗議決議を県議会可決」
3面「オスプレイ不信乗せ着陸」「政府、沖縄の感情逆なで」「知事ら『配備ありき』に一層硬化」「安全性への疑念消えず」
第2社会面「『安心して暮らせない』」「住宅密集地上空を飛行」/「また捨て石にするのか」「53年前の米軍機墜落事故経験者」
社説「配備の強行は禍根を残す」


 ちなみに、オスプレイの沖縄移駐に先立つ9月30日、普天間飛行場のゲートを封鎖していた住民らが沖縄県警にゴボウ抜きにされました。日本本土で10月1日付朝刊にこのニュースを掲載した新聞は、多くはなかったようです。
▽10月1日付朝刊
【朝日】
社会面「オスプレイきょう普天間へ」「市民を強制排除」写真
【京都】
2面「オスプレイきょう沖縄へ」「岩国から第1陣」
社会面「普天間封鎖車両を撤去」「オスプレイ反対住民に沖縄県警」写真
【神戸】
2面「きょうオスプレイ沖縄に」「米軍伝達、岩国から移動」
第2社会面「『普天間』封鎖住民の車撤去」「沖縄県警」