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組織ジャーナリズムに身を置き40年余

再録:ヘルマン・ゲーリングの言葉と伊丹万作の警句「だまされることの罪」

 昨年の1月1日にこのブログにアップした記事「ヘルマン・ゲーリングの言葉と伊丹万作の警句『だまされることの罪』〜今年1年、希望を見失わないために」が、ニュースサイト「スマートニュース」の「オピニオン」のチャンネルで紹介されています。せいぜい2日間ぐらいのことだとは思うのですが、それはそうとして、この記事を読み返してみると、その内容は昨年よりも、むしろ、トランプ氏の米大統領就任を控え先行き不透明感が広がっている今年の方が当てはまるように思います。

 新しい年、2016年になりました。

 日本の敗戦から70年であり、第2次世界大戦の終結から70年だった昨年、一つの言葉を知りました。ナチス・ドイツの大立者の一人であり、第1次大戦ではドイツ空軍のエースパイロット、第2次大戦ではドイツ軍国家元帥だったヘルマン・ゲーリングが、被告として臨んでいた戦後のニュルンベルグ軍事裁判の間に、アメリカ軍の心理分析官に語ったという言葉です。日本で入手可能な確実な出典を探して手にしたのは、ジョセフ・E・パーシコ(Joseph.E.Persico)というアメリカの伝記作家の「ニュルンベルク軍事裁判」上・下(白幡憲之訳、2003年原書房刊)という本でした。その下巻の171ページに、以下のくだりがあります。引用します。

 「もちろん、国民は戦争を望みませんよ」ゲーリングが言った。「運がよくてもせいぜい無傷で帰ってくるぐらいしかない戦争に、貧しい農民が命を懸けようなんて思うはずがありません。一般国民は戦争を望みません。ソ連でも、イギリスでも、アメリカでも、そしてその点ではドイツでも、同じことです。政策を決めるのはその国の指導者です。……そして国民はつねに、その指導者のいいなりになるよう仕向けられます。国民にむかって、われわれは攻撃されかかっているのだと煽り、平和主義者に対しては、愛国心が欠けていると非難すればよいのです。このやり方はどんな国でも有効ですよ」

 続きは以下のリンク先をご参照ください。
 「ヘルマン・ゲーリングの言葉と伊丹万作の警句「だまされることの罪」〜今年1年、希望を見失わないために」=2016年1月1日
 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20160101/1451575528

ニュルンベルク軍事裁判〈上〉

ニュルンベルク軍事裁判〈上〉