国会傍聴、「9」「NO WAR」の服装NG

 たまたま知り合いの方がフェイスブックで紹介しているのを見て、紫野明日香さんのこのツイートを知りました。

twitter.com

 最初は、大変失礼ながら、作り話ではないかとも思いました。でも、このツイートを見た人たちの返信と、その後のツイートを追っていくと、どうやら国会当局は数字の「9」がダメと言っているのではなく、「憲法9条を守れ」という意思表示を国会内に持ち込ませまいとしたのではないか、ということが分かって来て、それなら今どきの国家機関なら十分にあり得ることだと感じました。
 既に自治体では、憲法問題をはじめ政治的な主張などを理由に、公的施設や場所を使わせないようにする事例などが目に付きます。さいたま市では、市立公民館での句会で参加者の女性が詠んだ「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」の句を、公民館だよりに掲載するのを拒否したケースがありました。この件ではさいたま地裁が昨年10月に「不公正な取り扱いで違法」などとして、市に慰謝料5万円の支払いを命じる判決を言い渡しています。
 ※毎日新聞「9条俳句不掲載『違法』 市に賠償命令」2017年10月13日
 https://mainichi.jp/articles/20171014/k00/00m/040/095000c

 それにしても、国会審議を傍聴するのに「憲法を守れ」という趣旨の意思表示、それも声や音を出すわけではなく、ただ単に「NO9」「NO WAR」と書かれたシャツを着ているだけでダメだとは、けっこう驚きました。国会とは、憲法を尊重し擁護する義務を負った国会議員たちが議論を戦わせる場のはずです。衆参両院の職員にも同じ憲法尊重擁護の義務があります。「憲法を守れ」との趣旨の意思表示を示威宣伝として排除するのは自己矛盾にならないのでしょうか。国会当局の見解をマスメディアは取材すべきだろうと思いました。
 このツイートはネット上で反響を呼び、東京新聞が関係先に取材して7月3日付朝刊の特報面に記事を掲載しました。見出しは「『9』着用者を狙い撃ち」「参院委員会 傍聴女性を制止」「『改憲進めたい政権に配慮』恣意的な運用」。
 記事によると、参院警務部の見解は「職員とのやり取りの中で女性から『九条』という言葉もあったため、示威宣伝にあたると判断した」とのこと。九条ネギや銀河鉄道999はどうなのかについては「政治的メッセージは含まれておらず、入場は拒まない」ものの、九条ネギのシャツを着た多数の人が、外で護憲を旗印にシュプレヒコールを上げた後に入るような場合は「お声がけすることになる」とか。「要するに『9』に護憲の意味がくっつくと駄目らしい」と記事は解説しています。
 確かに傍聴席に政治的主張の持ち込みを認めると、議場の審議の妨げになるということはあり得ると思います。しかし、シャツや装飾品程度では傍聴席の静謐が保たれないわけでもなく、のぼりや旗、パネルを持ち込むわけでもありません。「日本は戦争をしろ」と言うならともかく、「NO WAR」は「人を殺してはいけない」と言うのと倫理感覚的にはさほどの違いはないとも感じます。

 東京新聞の記事を読んでも、やはり疑問は尽きませんし、同じように感じる方も少なくないのではないでしょうか。ほかのマスメディアも含めて、もっと広く伝えられていいニュースだと思います。