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備忘:オウム真理教教祖ら7人の死刑執行・在京紙の報道の記録

 1995年3月の地下鉄サリン事件や94年6月の松本サリン事件などオウム真理教の一連の事件で死刑が確定していた松本智津夫(63歳、教祖名・麻原彰晃)ら7人の刑が7月6日、執行されました。教団の確定死刑囚13人のうち、半数以上が同じ日に処刑されました。ほかの6人は、いずれも初期に入信し教団で麻原に重用されていた早川紀代秀(68歳)、井上嘉浩(48歳)、新実智光(54歳)、土屋正実(53歳)、中川智正(55歳)、遠藤誠一(58歳)。
 東京発行の新聞各紙は7日付の朝刊で、日経新聞を除く5紙が1面トップと、前日夕刊に引き続いて大きく扱っています。事件を振りかえる2~1ページ特集も目立ちます。各紙の1面本記の見出し、総合面・社会面の主な見出し、編集幹部らの署名評論と社説の見出しなどを書きとめておきます。

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▼朝日新聞
1面本記「オウム7人死刑執行/松本死刑囚ら/一連の事件から四半世紀」
総合面・時時刻刻「7人 異例の同時執行/『平成のうちに』法務省判断」
社会面「教祖語らぬまま」「『区切り』残る無念」
降幡賢一・元編集委員「暴走の闇 私たちと無縁か」
社説「オウム死刑執行 根源の疑問解けぬまま」
※2ページ特集「社会が震撼 一連の事件」
※オピニオン「耕論」に作家中村文則さん、オウム真理教犯罪被害者支援機構副理事長・中村裕二さん、映像作家森達也さん

▼毎日新聞
1面本記「松本死刑囚ら7人執行/オウム事件 節目」
総合面・検証「死刑執行 平成のうちに/改元契機『オウム』総括」
社会面「一つの区切りに」「後継の動き懸念」
小川一・元社会部長「病理は消えたのか」
社説「松本死刑囚ら7人の刑執行 再び闇を生まないために」国家転覆目指した異常/根源的な問い掛け続く
※2ページ特集「日本震撼13事件/教祖に法の裁き」
※特集内「論点」に宗教学者・島田裕巳、常磐大学長・諸沢英道、社会学者・宮台真司

▼読売新聞
1面本記「松本死刑囚ら7人 刑執行/地下鉄サリンなど関与/オウム真理教元幹部」
社会面「『平成終わる前に』」「遺族 晴れぬ無念」
平尾武史・社会部長「事件の教訓 次代へ」
社説「松本死刑囚執行 『オウム』を再び生まぬ社会に 事件を教訓にテロ対策の充実を」/「凶悪重大な犯行」だ/苦しみ続ける被害者/教団監視は怠れない
※2ページ特集「無差別殺人 教祖が主導」
※「論点スペシャル」に元検事総長・但木敬一氏、元警視総監・池田克彦氏、大阪大名誉教授・川村邦光氏

▼日経新聞
1面本記「オウム事件『平成』終幕意識/法務省 松本死刑囚ら7人刑執行」
総合面「『オウム的なもの』今なお/排他的主張、社会の不満吸収」
総合面「危機管理の転換点に/情報収集や初動対応強化」
社会面「医師志した若者 暴走」
坂口祐一・編集委員「『オウム』生んだ日本の責務」
社説「刑執行で終わらぬオウム事件」
※1ページ特集「オウム凶行 震えた列島」

▼産経新聞
1面本記「麻原死刑囚ら7人刑執行/オウム真理教元幹部/地下鉄サリン、弁護士一家殺害」
1面「慶事・五輪控え年内決着/幹部を先行」
総合面「法の下 毅然と刑執行」「教団分裂 増える信者」
社会面「逮捕23年 消えぬ無念」「被害者 進まぬ賠償」
井口文彦・編集局長「犯罪処理で終わるな 伝えよ」
社説(「主張」)「元教祖ら7人死刑 執行は法治国家の責務だ 終わってはいないオウム事件」後継団体の監視強めよ/法の整備が欠かせない
※1ページ特集「オウム事件とは 構図とは」

▼東京新聞
1面本記「オウム真相 闇残し/麻原死刑囚 刑執行/地下鉄サリンなど 元幹部6人も」
総合面・核心「なぜ今 黙する法相」
社会面「教祖 語らぬまま」「悔しさ消えない」
瀬口晴義・編集局次長
社説「オウム事件で死刑執行 記憶を消さぬように」理不尽な犯罪が次々と/闇はまだ続いている/「心残りがある」とも
※2ページ特集「未曽有のテロ 計画、実行」「震かん『オウム』の30年」
※特報面「カルトは今」