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組織ジャーナリズムに身を置き40年余

「東京大空襲」身代わりの焼けイチョウ

 11月の3連休に、ふと思い立って東京都墨田区の飛木稲荷神社を訪ねました。このブログでも2回紹介していますが、東京で戦争があったことを今に伝えるイチョウの木がある神社です。
 第2次世界大戦の末期、今から75年前の1945年3月10日未明、現在の江東区から墨田区にかけてを中心にした東京の下町一帯が米軍のB29爆撃機の大編隊による空襲を受け、一晩で10万人以上が犠牲になりました。「東京大空襲」です。飛木稲荷神社のイチョウは、身を焦がしながら一帯への延焼を防ぎ、そのために多くの人が助かりました。黒焦げになったイチョウは、戦後数年して緑の芽を吹きだしたとのことです。
 神社へは東京メトロ半蔵門線、京成押上線の押上駅から徒歩で約5分。イチョウの傍らには「身代わり飛木の焼けイチョウ」の案内板があります。幹には黒焦げの跡を今もはっきりと見ることができます。訪ねた日は、まだ黄葉は半ばといった感じでしたが、旺盛な生命の力を感じました。
 このイチョウには、キツネのシルエットのように見える枝があります。いつもは葉に隠れて見づらいのですが、「今年はよく見えますよ」と神社の方に教えていただきました。写真にも、きれいに収めることができました。

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 年を追って、戦争体験の風化が危惧される状況が進んでいます。墨田区界隈も今や東京スカイツリーがそびえ立ち、かつて一帯が焼け野が原だったとは、見た目には分かりません。その中にあって生き続けるイチョウの木は、かつての惨劇を後世に伝え続けるのだと思います。

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