続・森喜朗会長の女性蔑視発言とマスメディアの当事者性~地方紙・ブロック紙の社説、論説の記録

 一つ前の記事(「森喜朗会長の女性蔑視発言とマスメディアの当事者性」)の続きです。
 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が2月3日に「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと発言し、4日には記者会見で発言を取り消し謝罪を口にしながらも辞任は否定したことに対して、地方紙、ブロック紙が社説、論説でどのように取り上げているか、ネットで確認できる限りですが、見てみました。
 5日付で取り上げたのは信濃毎日新聞、中日新聞・東京新聞、沖縄タイムス、琉球新報の4紙。6日付になるとぐんと増えて17紙です。その大半は森会長が組織委のトップには不適格であるとしています。中でも琉球新報は「組織委会長を辞任せよ」との見出しを掲げ、「森氏に大会運営の責任者の資格はない。ただちに会長を辞任すべきだ」と明快です。琉球新報と沖縄のもう一つの地元紙、沖縄タイムスとがそろって会見の翌日付で迅速に社説で取り上げたことは、沖縄が過剰な基地集中という不平等を強いられていることと無関係ではないと感じます。ほかに同日付で取り上げた地方紙、ブロック紙は信濃毎日新聞と中日新聞・東京新聞でした。
 6日付では河北新報が「早急に辞任を」と見出しに掲げ、京都新聞や神戸新聞、中国新聞などが「辞任に値する」「ただちに辞任すべきだ」と「辞任」を求めています。

 以下にネット上の各紙サイトで確認できた社説、論説の見出しと、森会長の進退に関する部分を引用して書きとめておきます。9日朝の段階でサイト上で読めるものは、リンクも張っておきます。

【2月5日付】
▼信濃毎日新聞「森氏の発言 組織委会長の資格あるか」
 https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2021020500132

 森氏の発言は五輪の理念を軽視している。会長の資格があるのか疑問だ。コロナ禍で開催が危ぶまれている東京五輪を巡る世論の動向に影響を与える可能性もある。
 (中略)
 組織委が「国民の理解と歓迎のもとでの五輪」を目指すなら、国民や国際社会の理解を得られるけじめをつけるべきだ。

▼中日新聞・東京新聞「森氏女性蔑視 五輪の顔として適任か」
 https://www.chunichi.co.jp/article/196980?rct=editorial

 謝罪会見で発言を撤回したが、大会の「顔」として適任なのか。疑問は解消されないままだ。
 (中略)
 森氏は辞任を否定したが、会長は大会の意義を深く理解する人物であるべきだ。 

 ▼沖縄タイムス「[森氏の女性蔑視発言] 『五輪の顔』任せられぬ」
 https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/703001

 「女は黙ってろ」と言っているに等しい時代錯誤の発言である。こうした価値観を持つ人に、「多様性と調和」をコンセプトとする東京五輪のリーダーは任せられない。

▼琉球新報「森氏の女性蔑視発言 組織委会長を辞任せよ」
 https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1267127.html

 批判を浴びて発言を撤回して謝罪したが、それでは済まされない。森氏に大会運営の責任者の資格はない。ただちに会長を辞任すべきだ。
 (中略)
 東京五輪・パラリンピック組織委員会は、森氏に辞任を迫ることで自浄作用を働かせ、オリンピックの精神を共有していることを内外に示してもらいたい。 

【2月6日付】
▼北海道新聞「森喜朗氏の発言 五輪トップに不適格だ」
 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/508741?rct=c_editorial

 東京大会の実務を担うトップにふさわしくなく、辞任すべきだとの声がやまない。当然だろう。
 森氏は、会長としての適格性が厳しく問われる局面に立たされていると自覚しなければならない。

▼河北新報「森会長の女性蔑視発言/五輪の妨げ 早急に辞任を」
 https://kahoku.news/articles/20210205khn000043.html

 しかも会見で居直りとも取れる態度を見せ、国内外から厳しい批判にさらされている。森氏は会長職を続けると表明しているが、五輪開催の妨げにしかならない。早急に辞任することを求める。

▼東奥日報「あまりにも不用意・不適切/森会長の女性蔑視発言」
 https://www.toonippo.co.jp/articles/-/472197

 会長として不適格で、発言は辞任に値する。
 (中略)
 森氏は辞任する考えはないと言い切った。しかし今後、会長にとどまることでさまざまな悪影響が表れれば、身の処し方を再考する機会があるのではないか。

▼山形新聞「森氏の女性蔑視発言 会長職にとどまるのか」
 https://www.yamagata-np.jp/shasetsu/?par1=20210206.inc

 森氏は辞任する考えはないと言い切った。しかし、会長にとどまることでさまざまな悪影響が表れてくるようであれば身の処し方を再考する必要があろう。 

▼山梨日日新聞「[森会長の女性蔑視発言]「わきまえず」言う不適格だ」※会員限定
▼北日本新聞「森氏の女性蔑視発言/「五輪の顔」に不適格だ」※会員限定

▼福井新聞「森会長の問題発言 女性の社会参画に反する」
 https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1256053

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視発言が波紋を広げている。女性理事を増やす日本オリンピック委員会(JOC)の方針に対して述べ、後に「不適切な発言」と謝罪し撤回したが、国会などで辞任を求める厳しい声も上がっている。女性の社会参画が進む世界の流れに逆行する問題発言であり、重く受けとめる必要がある。

▼京都新聞「女性蔑視発言 時流に逆行、許されぬ」
 https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/498970

 五輪の理念を否定する発言は多言語で配信され、瞬く間に世界に広がった。新型コロナウイルスの感染拡大で開催が危ぶまれる中、自らの言動でさらに逆風を強めた森氏は辞任に値する。

▼神戸新聞「森氏の女性蔑視/「五輪の顔」には不適格だ」
 https://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/202102/0014059202.shtml

 釈明会見では、質問する記者に「面白おかしくしたいから聞いているんだろ」と開き直るような態度も見せた。問題の本質に目を向けておらず、組織委トップとしての資質に欠ける。「五輪の顔」としてふさわしくない。直ちに辞任すべきだ。

▼山陽新聞「森会長の蔑視発言 五輪への“逆風”は深刻だ」
 https://www.sanyonews.jp/article/1097776?rct=shasetsu

 コロナ禍の中での五輪・パラ開催については、疑問を呈する声も多い。国民の理解を得て、アスリートが輝ける大会にするための「顔」をどうするか。組織委の姿勢が問われよう。

▼中国新聞「森会長発言の波紋 『五輪の顔』の資格なし」
 https://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=724718&comment_sub_id=0&category_id=142

 もはや「五輪の顔」の資格はない。

  (中略)
 当初の発言もさることながら、その後の釈明や振る舞いまでが元首相でもある公人の立場にふさわしくない。謝罪するはずの会見で気色ばむなど、事の重大性を自覚していない。
 自らの発言がどれだけの影響を及ぼすのか分からない人に、今の立場は任せられまい。即刻辞任する選択肢しかない。

▼山陰中央新報「森会長発言/不適格で辞任に値する」
 https://www.sanin-chuo.co.jp/www/contents/1612578189437/index.html

 森氏は辞任する考えはないと言い切った。しかし、会長にとどまることでさまざまな悪影響が今後表れれば、身の処し方を再考する機会があるのではないか。会長として不適格で、発言は辞任に値する。 

 ▼高知新聞「【女性蔑視発言】森氏は五輪の顔に適さぬ」
 https://www.kochinews.co.jp/article/433269/

 森氏は辞任を否定しながら、「自分からどうしようという気持ちはない」と述べている。
 菅義偉首相は、国会で「五輪の重要な理念である男女共同参画と全く異なる」と述べた。ならば、五輪の理念を重視して森氏に辞任を求めるべきである。 

▼西日本新聞「森氏の蔑視発言 根深い性差別の解消図れ」
 https://www.nishinippon.co.jp/item/n/689058/

 森氏は発言を撤回して謝罪したが、五輪運営の最高責任者として資質に欠けると言わざるを得ない。辞任にも値しよう。
 森氏はこれまでも女性を侮辱するようなものをはじめ失言や問題発言を繰り返してきた。それでも、今回の問題を個人の資質で済ませてはならない。
 現に、JOCの会議では森氏をいさめる発言はなく、笑いも漏れたという。発言に違和を感じながらも事を荒立ててはならないと受け流す。今もそれをよしとする風潮が残る。そうした振る舞いこそが、差別や偏見を温存すると考えるべきだ。

▼大分合同新聞「森会長の女性蔑視発言 職に不適格で辞任に値する」 ※会員限定

▼宮崎日日新聞「森氏女性蔑視発言 釈明逆効果で会長不適格だ」
 https://www.the-miyanichi.co.jp/shasetsu/_51091.html

 森会長は辞任する考えはないと言い切った。しかし、会長にとどまることで悪影響が今後表れる可能性もある。身の処し方を再考する機会である。

▼佐賀新聞「森会長発言 不適格で辞任に値する」 ※共同通信
 https://www.saga-s.co.jp/articles/-/630288

 森氏は辞任する考えはないと言い切った。しかし、会長にとどまることでさまざまな悪影響が今後表れれば、身の処し方を再考する機会があるのではないか。会長として不適格で、発言は辞任に値する。

【2月7日付】
▼茨城新聞「森会長発言 不適格で辞任に値する」 ※当日のみ公開

 森氏は辞任する考えはないと言い切った。しかし、会長にとどまることでさまざまな悪影響が今後表れれば、身の処し方を再考する機会があるのではないか。会長として不適格で、発言は辞任に値する。

▼新潟日報「女性蔑視発言 トップの資質欠く森会長」
 https://www.niigata-nippo.co.jp/opinion/editorial/20210207597443.html

 女性を蔑視し、国際社会からの信用にも傷を付ける深刻な発言だ。撤回し謝罪したが、反省の色はまるでうかがえない。
 五輪精神に著しくもとる内容でもある。大会準備の中心を担う組織のトップとして資質を欠くと断じざるを得ない。
 (中略)
 菅義偉首相は5日の衆院予算委員会で発言を「五輪の重要な理念である男女共同参画と全く異なる」としたが、政府内に辞任を求める動きはない。
 このままトップを任せられるのか。政府は後手に回らぬよう冷静な判断を下すべきだ。

▼愛媛新聞「森氏の女性蔑視発言 五輪パラの顔にふさわしくない」 ※当日のみ公開

 会議が長いことや競争意識が強いことは性別と関係ないのは言うまでもなく、偏見を伴う発言に国内外から批判が高まるのは当然である。多様性の尊重をうたう五輪の「顔」としてふさわしくなく、かじ取り役を任せるに値しない。
 (中略)
 森氏の発言について菅義偉首相は「あってはならない」と述べたが、具体的な行動で示すべきだ。ここに至って本人をその立場に居続けさせることは開催国としての見識が疑われる。