今夏の五輪、読売新聞調査では「中止」が最多の48% ※追記:JNN調査も「中止」が最多

 読売新聞が6月4~6日に実施した全国電話世論調査の結果が報じられました。
 東京五輪・パラリンピック大会に関連した質問は二つです。備忘を兼ねて、若干の感想とともに書きとめておきます。

◆今年夏の東京オリンピック・パラリンピックは、どうするのがよいと思いますか。次の3つの中から、1つ選んでください。
 ・観客数を制限して開催する 24%
 ・観客を入れずに開催する  26%
 ・中止する         48%
 ・答えない          2%

 読売新聞は1面に掲載した記事では「『開催する』が50%、『中止する』は48%で、世論が二分された」と書いています。「なるほど、そういう評価をするのか」と思いました。
 記事を順に読んでいくと「『開催』の内訳をみると」として、回答の選択肢は三つであることは分かるようにはなっています。しかし、見出しで「五輪『開催』50%『中止』48%」となっていれば、普通に目にすれば「開催」「中止」の二つの選択肢のどちらかを選ぶ質問だったのだろうと受け止めるのではないかと思います。
 現に「開催する」「中止する」のどちらかを選ぶ質問をまず設け、次に「開催する」と答えた人に「観客数を制限する」「観客を入れない」のどちらがいいと思うかを答えてもらう尋ね方も可能ですし、その方がより丁寧に民意を探ることができます。実際には三つの選択肢の中から一つを選んでもらう設問です。回答状況に対する評価も「三つのうち『中止する』が最多で48%」ということであって、それ以上でも以下でもないと思います。

◆東京オリンピック・パラリンピックで、海外から来る選手や関係者への感染対策は、十分だと思いますか、思いませんか。
 ・思う   19%
 ・思わない 63%
 ・答えない 18%

 感染対策が十分だとは思わない、との回答が63%に上っています。対策が十分ではないから中止するべきだ、というのが自然な発想かと思うのですが、先述のように「中止」は48%です。対策は十分ではないが、それでも観客数を制限したり、無観客にして大会は開催すべきだ、と考えている人が決して少なくないようです。それだけの意義を五輪に認めている、ということなのでしょうか。あるいは、これから本番までに十分な対策が取られるだろうと期待している、ということなのかもしれません。この回答状況は興味深いと感じています。

 なお、菅義偉内閣の支持率は37%で、昨年9月の内閣発足以降で最低。前回5月の調査から6ポイントの低下とのことです。不支持率は50%で4ポイント増。
 東京五輪に対して「中止」を求める意見は、前回調査では59%だったので、今回は11ポイント減ったことになります。菅首相は何としても五輪を開催し、それを政権浮揚、内閣支持率の上昇につなげたい意向だと報じられています。仮に、五輪開催と内閣支持に相関関係があるのなら、「中止」意見が減ったことは、内閣支持率にも何らか有利に影響してもよさそうなものですが、実際には支持率は続落しました。五輪開催が強行されるとして、果たして菅首相の思惑通りに進むのでしょうか。後続の世論調査の結果も注視しようと思います。

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【追記】2021年6月8日0時10分
 JNNが6月5、6日に実施した世論調査では、五輪の開催については以下のような回答状況です。

 通常通り開催すべきだ      3%
 観客数を制限して開催すべきだ 18%
 無観客で開催すべきだ     23%
 延期すべきだ         24%
 中止すべきだ         31%

 TBSニュースは「開催すべきだ」が合計で44%に上ると報じています。
 しかし、5択の中で最多は、やはり「中止」です。「延期」を加えると、55%が今夏は開催すべきではないと考えていることになります。
 前回調査と比べて「開催すべきだ」の三つの回答は1~5ポイント増えており、総じて「開催すべきだ」の意見が微増しているようですが、それでも今夏の開催には過半が反対している状況と言えるようです。

 

【追記2】2021年6月8日5時30分

 読売新聞調査、JNN調査のネット上の記事は以下です。
▼読売新聞「東京五輪『開催』50%、『中止』48%…読売世論調査」 

https://www.yomiuri.co.jp/election/yoron-chosa/20210606-OYT1T50178/

▼TBSニュース「JNN世論調査で五輪『開催』44%、『中止』3割、『延期』2割超」

https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4285909.htm